国立科学博物館 特別展 2

前回、今回の特別展の主役はデイノケイルスだと書いた。しかし実はもう一体、注目の的だった恐竜がいたので紹介しよう。
むかわ竜改め、カムイサウルスだ。

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皆さんはどちらかというと、むかわ竜の方が聞き覚えがあるかもしれない。北海道のむかわ町で発掘された新種の恐竜である。
カムイサウルスは所謂カモノハシ恐竜(口がカモノハシみたいになってる草食恐竜)の一種で、白亜紀に二足歩行で暮らしていた。日本で発見された恐竜では三番目である。
前足が異常に細いのが特徴で、頭にはトサカのような物があったと推定されている。
カムイサウルスは北海道大学の小林教授が骨の一部を恐竜の物だと断定し、むかわ町を説得した事で発掘された。むかわ町は発掘に6000万円を投入したらしい。彼とむかわ町の協力がなければ、私はこの写真を撮る事ができなかっただろう。

北海道からやって来た生き物は他にもいた。首長竜のホベツアラキリュウと、モササウルス科のフォスフォロサウルスだ。

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先ずはホベツアラキリュウから紹介しよう。首長竜の一種でエラスモサウルス科。つまりフタバスズキリュウと同じく、所謂首の長いタイプの首長竜だ。生態はフタバスズキリュウとほぼ同じなので省略する。(実は名前のつけ方まで一緒なので、兄弟みたいな物ともいえるw)
約8300万年前、白亜紀の北海道は暖かい海だった。なのでこういった海棲爬虫類が発掘されるのである。因みに彼の発掘がきっかけで建設されたのが穂別博物館だ。
一度は行ってみたいものである。

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フォスフォロサウルスもまた、北海道で見つかった生き物だ。因みにむかわ町出身でもある。そして彼はモササウルス科の中でもかなり変わったタイプなのだ。
まず、モササウルス科の中でもかなり小さい。他の仲間が成体で約10m級という中、全長約3m程度である。眼球が非常によく動く事が分かっており、立体視が可能だったそうだ。立体視が発達したヘビは夜行性、という事実に基づき、爬虫類の一種である彼も夜行性だったと想定されている。好物は魚やアンモナイトだったらしい。
泳ぎは不得手だったようだが、恐らく他の大型モササウルスとそうやって棲み分けていた、と考えると納得もできる。

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ガストルニス。
恐竜絶滅直後の暁新世に生まれた。つまり新生代の黎明期に出てきた飛べない鳥である。
恐竜が滅び、スッカラカンとなった地上。そこには地上に目をつけ、翼と飛行を捨てる鳥もいたのだ。多種多様に進化した彼らは「恐鳥類」とも言われる。中には肉食性ですばしっこく、そしてかなり凶暴なものもいたのだ。
ガストルニスは大きな嘴、大柄な体が特徴だが植物食である。走行はそこまで得意ではなかったらしい。彼を見かけた人は何人か「ファイナルファンタジーのチョコボみたいだ」とも😊
恐鳥類が衰退した原因は未だに分かっていないが、肉食哺乳類との競争に敗れた等の説は昔からあった。しかしどの説も論拠、確証はない。肉食動物と共生しながら、つい約200万年前まで彼らは生きていたのである。

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ティラノサウルス・レックス(スコッティ)
とんでもない迫力だ!それもそのはず、彼は現存するティラノサウルス科の中でも最大サイズなのである😨
スコッティというのは個体名、要はニックネームだ(レックスは学名であり個体名ではない)。当時彼を発掘した人達が現場でお祝いしようと酒を探したら、スコッチウイスキー🥃しかなかった。それで祝杯を挙げたのが名前の由来らしい。
因みにティラノサウルスには他にも「ブラック・ビューティ」、「スー」、「ワンケル・レックス」などの渾名が与えられているものがいる。興味のある方は是非調べてみてほしい。
詳しく調べてみると骨には無数の傷が、歯には病気の跡が発見された。にも関わらず、彼の年齢は28歳(ティラノサウルスの寿命は約30歳)、体重9tという事も分かった。白亜紀という厳し過ぎる世界の中でも、とんでもなくタフなモンスターである😱

如何だっただろうか?
特別展は終わってしまったが、また恐竜展が行われる可能性はある。
機会があれば、一度足を運んでみるのも良いのではないだろうか。

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