一人暮らしで新型コロナウイルスにかかった話 その2

前回、「一人暮らしで新型コロナウイルスにかかった話」というnoteを書いてから、大変な反響があり驚いている。(たくさんのコメント、質問、励まし、そしてサポートを本当にありがとうございます。)
反響に驚くと同時に、自分が知りたかった情報は、やっぱり他の人も知りたいことだったんだなと実感した。

相変わらず自宅療養を続けているが、陽性判定後2回目の診察にも行ったので、
・現在の体調について
・陽性判定後2回目の診察について
・自宅療養の場合の「外出制限解除」のタイミングについて
・保健所の対応について
・前回のnoteを書いてからいただいた質問に対しての回答
・いただいたコメントからの発見
などを追記していこうと思う。

【注意事項】
本記事は4/21時点の情報であり、現在の行政・病院の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

現在の体調

発熱から21日が経った今、体調はほぼ平常に戻っており、発熱もない。たまに軽い咳が出るものの、以前のような息苦しさは全く感じない。ただ、味覚・嗅覚はまだ戻ってきていないようだ。
ようだ」と書いたのは、自分でももう健康なときの味覚・嗅覚の感覚が分からなくなってしまっているからだ。
痛みもそうだけど、感覚の記憶って案外簡単に忘れてしまうんだな、と思った。味覚・嗅覚が弱い状態に慣れてしまって、たまに何かの匂いを嗅いでみては、「あれ、もしかして元からこのくらいの匂いだったのかも…?」という気持ちにもなる。

ただ、食べるラー油やクミンなど匂いの強いものにどれだけ鼻を近づけても匂い98%減というくらいの本当に微かな匂いしかしないので、冷静に考えるとやっぱり異常だと思う。昨日、久しぶりにコーヒーを入れてみたが、ただの苦いお湯のように感じた。

仕事は完全リモートで復帰して、なんだかとても新鮮な気持ちで働いている。丸々2週間は完全に休んでいたので、良い意味でリセットされたような感じだ。通院以外で外には出られないし、味覚と嗅覚は弱いままだが、元気だけは有り余っている。

陽性判定後2回目の診察

4/21(火)、再び片道4kmを歩いて病院へ行った。
約一週間ぶりに外に出て歩くので、やはり少し疲れる。往路を歩いただけで、脚がぴりぴりして、脛が痛くなった。

外を歩けるのは嬉しいが、人とすれ違うときに少し緊張する。お年寄りを避けて遠回りしたり、信号待ちも人が溜まる横断歩道付近ではなく、ちょっと離れた変な場所に突っ立ってみたり…。病院までの道はソーシャルディスタンシングクエストといった感じだ。

病院では血液検査・レントゲン検査と医師による診察を行った。血液検査の結果は良好で、炎症の数値(?)も正常になり、減っていた白血球も増えてきているとのことだった。また一週間後に診察を受ける予定となっている。
この日から、支払いは後日請求書払いとなり、病院内での現金のやりとりはなくなった。医療従事者の方への感染を防ぐための取り組みなのだと思う。

帰りも4km歩いて帰る。近所の好きな飲食店が続々とテイクアウトメニューを販売し始めていて、とても気になるが買えないのが悲しい。外出制限が解除されたら応援も兼ねて買いに行きたい。

自宅療養の場合の「外出制限解除」のタイミング

外出制限の解除に関しては、てっきり4/21(陽性判明から1週間後)の通院で再度PCR検査をするのかと思っていたが、どうやらそうではないらしいことを保健所の方に聞いて知った。
保健所の方に聞くと、東京都では下記のような対応方針を取っているとのことだった。(※4/21現在の情報です)

・病院に入院している方やホテル待機の方は、PCR検査の陰性判定が出てから外出制限解除とする
※4/24追記:入院・ホテルの方も陰性を確認するためのPCR検査は行わないことになったとのこと
・自宅療養の場合は、都の暫定方針として特にPCR検査は行わず、「症状が完全に出なくなってから2週間後」に外出制限解除とする

この「症状が完全に出なくなってから2週間後」というのがやや曖昧で、現状だと「保健所の方への電話での自己申告で、症状が無いと判断されてから2週間後」ということになるそうだ。
私の場合は少し咳が出て、味覚嗅覚の低下も続いているので、まだ2週間のカウントすら始まっておらず、それらの症状が完全に無くなってから2週間、ということらしい。

上記の説明を聞いて、正直なところやっぱり再度PCR検査で陰性判定をもらった方が安心だと感じるし、再検査をしていないと次に人と会うときに相手側も不安だろうな、とは思った。(まあ今の状況ではそうそう人と会うこともないけど…)

保健所の方によると、このように「自宅療養だけど、できれば再度PCR検査を受けて陰性判定を受けたい」という要望は保健所にも多く寄せられているそうだ。
東京都としてもこの「自宅療養の人に再検査を受けさせるかどうか」という点はまだ方針が定まっていない部分もあるらしく、暫定的に上記の方針(症状の完治から2週間後に解除)となっているということだった。

前述の通り、個人としては再度PCR検査をしてもらった方が勿論安心ではあるが、再検査によって病院や検査機関の負担は確実に増えるだろう。
今後自宅療養の指示を受ける人が増加していくであろうということを考えると、全員を再検査するというのは現実的ではないのかもしれない。
ただ、自己申告だけだと症状の状態は患者判断になるし、やはり限界があるようにも感じてしまう。
個人の安心と関係機関の負荷とのバランスをとるために現状必要なのは諸症状に対しての明確な判断基準と、「症状改善による(再検査なしの)外出制限解除」に関しての行政からの情報発信だと感じた。

再検査なしで外出制限が解除されるということとその基準について、透明性のある情報公開を行い、みんなで共通認識を持つことが大切だと思う。

とりあえず私に関しては味覚嗅覚は治る兆しもないし、いつまで外出制限がかかるのか今は全く見通しが立っていない状態だ。

保健所の対応

ちなみに、陽性判定が出て自宅療養となってからは保健所の方から毎朝電話をいただいており、

・体温の確認
・咳・だるさ・息苦しさの有無
・視界がぼんやりしていないか
・お腹を壊していないか
・味覚嗅覚はどうか
・そのほかに気になる症状、質問はないか

などを非常に丁寧に聞いてくださっている。上述の外出制限解除のタイミングなど質問にも、都の状況など都度明快に答えていただいた。おかげで、自宅療養でも非常に安心して生活できており、保健所職員の皆さまには相変わらず感謝しきりだ。

一方で、この1回5分程度の体調確認は、新型コロナ疑い患者への電話対応などと重なり相当な業務負荷になっていることと想像されるため、今後感染者が更に増加し、自宅療養の人が増えた時に全く同じスキームで運用していると確実にパンクすると思われる。この辺りはオンラインでのコミュニケーションに切り替えるなどで保健所の方々の業務負荷を軽減できないのかなと思うところもある。

Twitter, noteでいただいた質問に関して

前回のnoteを書いてから非常にたくさんの質問をいただいた。Twitterにも少し記載したが、主に複数いただいた質問に関して、以下で答えたい。

・感染したと思われる3月中旬にどのような生活や対策をしていたのか?
まず生活に関して。3月中旬〜下旬、出社はしていた(自宅作業できる日は自宅作業)。多分この時期に出社していたのが良くなかったのだとは認識している。

社外の方との打ち合わせはほぼリモートで、社内打ち合わせが主。一部、会社から外出して打ち合わせすることもあり、その際の移動は基本的に電車。
土日は都の自粛要請に従い、食料の買い出し以外は自宅にいた。

もともと手洗いはしっかりする方だが、新型コロナ対策として更にこまめに手洗いをして、外から帰ってきたときや食事前は手をアルコール消毒する、つり革やドアノブなどはなるべく触らない、といった感じで対策を行なっていた。会社での打ち合わせも含め、家の外にいる間はほぼマスクをしていたと思う。

・感染経路について心当たりがあるかどうか?
周囲に陽性と判明している人はおらず、明確な感染経路は分かっていない。イベントなど大人数が集まる場所には行っていないので、可能性があるとすれば仕事の打ち合わせや、屋外や電車での移動中、買い物に行った時の店舗の中…などだと思う。

スポーツジムが怪しいという指摘もあったが、最後にジムに行ったのは2月下旬だと記憶している。もう2ヶ月以上ジムに行っていないので、レッグプレス欲は超高まっている。

・陽性判定後、保健所から自宅の消毒やその方法について指導があったか?
自宅の消毒や方法については、特に指示がない状態だ。一人暮らしということもあるのかもしれない。家族と同居している方であれば、そういった指導があると安心だろうと思った。

ちなみに自宅待機が決定したあと、保健所からは「外出をしないように」「毎日体温を測るように」「体調に異変が現れたらすぐ連絡するように」という指示は受けている。

会社は、陽性が判明した翌日から私が勤務していたフロアを閉鎖し、保健所の指示のもと建物の共用部とフロア内の消毒を行なったと聞いている。

・これだけ新型コロナが流行っているのになぜ当初インフルエンザだと思っていたのか?という質問に関して
この質問もいくつかいただいた。
発熱当初は咳も息苦しさも全くなかったので、「インフルエンザだと思いたかった」という方が正しいかもしれない。治療法が無い病気であるし、新型コロナだと思いたくないというバイアスは多分かかっていたと思う。

もちろん、そう思っても発熱した時点で新型コロナに感染している前提での行動は取るべきだと思う。私も、そういう認識があったからまず保健所にも電話したし、人との接触はなるべく避けて行動した。

私は発症するまで、「咳」「息苦しさ」「強いだるさ」「発熱」「味覚・嗅覚の低下」等が新型コロナの特徴と認識していたが、「必ずしも初めから全ての症状が出るわけではない」ということは広く知られてほしいと思った。
私の場合、息苦しさを感じ始め、咳が出始めたのは発熱から7日後。味覚・嗅覚の低下に気付いたのは発熱から9日後だった。

コメントから思ったこと・発見など

様々なコメントをいただいて、自分としても色々と発見があった。シェアした方が良いものもあるので、ここでシェアしておきたい。(みなさま本当にありがとうございます。)

・ネットスーパーに登録しておくと良いかも
Twitterで「noteを読んでネットスーパーに登録した」というコメントを見かけた。(今なぜかtweetが見つけられないのですが…すみません)

ネットスーパーね!!…一人暮らしなこともあり、なんでか今まで全然ネットスーパーという発想に至らなかったので、ちょっとした発見だった。結構当たり前なのかもしれないけど。

あと、こういうデリバリー系だけでなく、普段からの備蓄は本当に大切だと痛感したので、特に一人暮らしの方はマジで騙されたと思って1週間生きられるくらいの食料は少しずつ買って、備えておいて損はないと思う。ポカリの粉を買ったというコメントもあり、それだ!と思った。飲み物場所取るもんね。発熱した時にあったら最高だったなと思った。

・会った人の記録

これは本当にそう思う。Google Calendarにスケジュールを集約していたのでそれほど困難ではなかったが、会社・保健所への申告用に2週間分の行動履歴(行った場所・交通手段)や会った人を細かく洗い出すのには軽く2〜3時間かかった。

陽性判定が出た時、私は既に熱が下がっていたので対応できたが、熱がある時にこの作業をするとしたら相当しんどいと思う。
既に人と会う機会や外出の機会も少なくなっている方が多いとは思うが、いざという時に会った人や行った場所を簡単に振り返ることができるよう、情報を集約しておくと良いと思った。

・病院までの移動で公共交通機関使えないの辛すぎるだろ問題
これは色々な方からコメントをいただいた。
軽めではあるが運動習慣のある自分ですら、1ヶ月近くまともに外に出ず、病院までいきなり8km歩いたらヘトヘトに疲れ果ててしまった。病院がもっと遠い方や、高齢の方、回復しきっていない方が公共交通機関を使わずに病院まで行くのは困難だと改めて感じた。

とりあえず、最寄りの感染症指定医療機関までの距離を調べておくことは心の準備や対策を練るために良いかもしれない。私もクリニックの医師に教えてもらえるまで知らなかったので…

こうして色々な方からリアクションをいただくと、自分でも気付けなかった視点や発想をもらえるので非常にありがたい。これからも気になるコメントがあればシェアしていきたいと思う。

とりあえず、今日のところは以上。
また味覚・嗅覚の症状の変化や、再検査などがあれば、そのタイミングで記事を書こうと思う。早く嗅覚戻ってこないかな〜。

***

最後になりましたが、前回記事をアップしてから、本当にたくさんの方から励まし・コメント・質問をいただきました。全然答えきれていないですが、できる限り全てに目を通すようにしています。
またnoteのサポートもいただき、正直びっくりしています。温かなメッセージもいただき相当心の励みになっており、サポートいただいた皆様に感謝するばかりです。本当にありがとうございます。

また、Twitterやnoteでリアクションをいただいた方の中には、医療従事者の方も保健所職員の方もいらっしゃいました。前回も書きましたが、皆様には毎度感謝しきりです。最近はなるべく病院でも保健所からの電話でも感謝をきちんと言葉にしてお伝えするように心がけていますが、この場を借りて改めて皆様に御礼申し上げます。


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