こころの肉離れ #5
2012年の夏。ロンドンオリンピック後。
わたしは競技場へ行けなくなってしまった。
いわゆる、『バーンアウト』というのだろうか。
バトンが握れなくなった。
今日へ足を運ぶと涙がでる。
心の拒絶反応が強かった。
再びここへ戻るには
時間がかかるとなんとなく悟った。
身体を動かすことはできたので、
他のスポーツをしながら体力の維持を。
ただ、『陸上競技』とは距離を置くことが
必須だった。
ただ、この気持ちは誰もわからない。
この感情を誰かに委ねることもしない。
家族にも相談しなかった。
だけど、この状況で迷惑かける人もいる。
コーチ、所属先、関係者、
涙ながら最低限のことを伝え、
理解をいただいた。
そして女子短の合宿も行けない。
そのときに福島選手にも伝えた。
ただ、彼女からの反応は違かった。
『こころの肉離れってみえないからさぁ。
外傷のように肉離れしたらみんな休んでいいよっていうのに、心の肉離れは見えない。だから、やれっていうし…。見えるものだったら分かるのに、心はみえないからねぇ。人ってなんだろうねぇ。』
この言葉はとても大きかった。
衝撃を受けた。そして気づいた。
“あ、私こころの肉離れしてるんだ”
彼女の表現で気づいたくらい。
心は本当に大切のように思う。
私が完全に心が復活したのは、
5年後くらいのことだった。
ただ心が復活したころには
身体が動けるような状態ではなかったが。
(アキレス腱痛発症5年)
心の痛みがアキレス腱として出たのか。
心のバランスを崩すと身体のバランスも崩れるように思う。
身体が原因ではなく、心にあるのではないか。
身体を大切にしてるように、
心も同じように大切にしましょうね。
それではこのへんで。
では、また。