部屋

8時にアラームをセットして、8時に目覚め、また寝て9時にあわてて起きた。
寮の食堂で朝ご飯をかき込んだ。自分はどんなに急いだとしても、ちゃんとしたご飯を完食するのに二十分かかることを発見した。

インターン。行きたくないと思った。
こんな季節のこんな日中、部屋に寝転んで過ごせたらどんなにいいだろうかと考えた、しんけんに。


オフィスは寒く、脱いだダウンをもういちど着た。しばらくすると好きな上司が、さむい?と言って毛布とかヒーターとかを甲斐甲斐しく用意してくださったのでじんときた。冬のやさしさはわかりやすい。

休憩時間は外に出た。炭水化物や脂っこいものを摂る気になれず、セブンで野菜ジュースと、たことブロッコリーのバジルサラダを買って食べた。数年間思っていたことだが、たことブロッコリーのバジルサラダはセブンのカップデリの中でいちばん美味しい。でも未だに何枠かわからない。


同じ作業を繰り返したあと退勤し、寮に帰ってご飯の残りを食べた。
それから映画を観たりメガ割をあさったりして、頭を無意味に働かせてしまった。朝はあんなに眠りを切望していたのに、いざ時間ができるとこうである。それでいて差し迫った課題には一向に手をつけていない、やれ。

スマホをさわることに飽きて、机に突っ伏して寝た。お風呂に入っていない状態でベッドに上がるのはいやだったから。


起きると20時半で、今さらの自己嫌悪をいだいた。何時間も海老のごとく曲げた姿勢だったからか、お腹に漠然と圧迫感があった。

食堂に行った。本日四回目の食事だと気づいて、馬鹿みたいだなと思った。
同級生たちがいた。みんな笑顔で迎えてくれたけれど、崩れた気分で四名もの人間と会話するのはキャパを超えるため、机の角にひとりですわった。

絶望的に溜まっていた洗濯物を処理した。ベランダで外の冷気を感じて、去年の今時期に会っていた、長らく忘れていた人の名前を急に思い出した。つねに虚ろな目の人。
覚えておけるようにそれをメモしようかと思ったが、やめた。どうせまた思い出す。

47週目

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