インド諸言語で言葉の意のバーシャー由来の各言語の単語
2月21日は国際母語デー及びベンガル語国語化運動記念日です。
1952年のこの日に東パキスタンだった頃のバングラデシュで、ベンガル語を公用語化するための運動が行われてから70年の月日が経ちました。
ベンガル語はバングラデシュやインドなどで話されている言語で、話者数で世界7位という大言語になっていて、ベンガル文字は宗教などの枠組みを超えて使用されています。
ベンガル語の〈ভাষা〉[バーシャー]はサンスクリット語の〈भाषा〉[バーシャー]をルーツとする単語で、インド諸言語では〈Bhāṣā〉と同ルーツの単語が使用されていて、タイ語の〈ภาษา〉[パーサー], クメール語の〈ភាសា〉[ピアサー], インドネシア語の〈Bahasa〉[バハサ]など東南アジア諸言語でも使用されています。
アッサム語の〈ভাষা〉[バハ]は、ムルドンノ・ショ《ষ》がシャ行音[ʃ]からハ行音[x]に変化したもので、アッサム語の文字体系は本来ベンガル文字とルーツを異にするアッサム文字で、見た目はベンガル文字ですが、RAはベンガル語では《র》でアッサム語では《ৰ》、ブラーフミー文字VA《𑀯》に由来する字母はベンガル語ではBAと同型の《ব》でアッサム語では《ৱ》となっているのが最大の違いとなっています。
北インド系文字
【ভাষা】ベンガル、アッサム、ビシュヌプリヤ、チッタゴン、ランプリ
【भाषा】サンスクリット、ヒンディー、ネパール、マラーティー、ネワール、マールワーリー、アワディー、アンギカ、ドテリ
【भाशा】ドーグリー
【भास】コンカニ
【भासा】ビハール、パーリ:デーヴァナーガリー文字
【भाख】ガールワーリー
【भाखा】チャッティスガーリー
【भाय्】ネワール
【ਭਾਸ਼ਾ】パンジャブ
【ꡎꡜꡖꡚꡖ】サンスクリット:パスパ文字
【𑐨𑐵𑐫𑑂 , 𑐨𑐵𑐳𑐵】ネワール:ネワール文字
【ꠜꠣꠡꠣ】シレット
【ભાષા】グジャラート、カッチー
【ભાસા】ラジャスターン
【𑂦𑂰𑂭𑂰】ビハール:カイティー文字
【𑒦𑒰𑒭𑒰】マイティリー:ティルフータ文字
【𑘥𑘰𑘬𑘰】マラーティー:モジ文字
【𑧅𑧑𑧌𑧑】サンスクリット:ナンディナーガリー文字
【𑋖𑋠𑋜𑋠】シンド:フダワディー文字
【𑈣𑈬𑈩𑈶𑈬】シンド:ホジャ文字
【𑅫𑅐𑅖𑅳𑅐】マールワーリー、ヒンディー:マハージャニー文字
【𑠡𑠬𑠧𑠬】ドーグリー:ドグラ文字
【𑖥𑖯𑖬𑖯】仏教梵
【ଭାଷା】オリヤー
【ଭାସା】オリヤー
【ଭାଖା】チャッティスガーリー:オリヤー文字
【𑀪𑀸𑀱𑀸】プラークリット
【𑀪𑀸𑀲𑀸】パーリ:ブラーフミー文字
南インド系文字
【பாசை】タミル
【பா⁴ஷா, பா₄ஷா】サンスクリット:タミル文字
【பாஷை】バダガ
【𑌭𑌾𑌷𑌾】サンスクリット:グランタ文字
【భాష , భాషా】テルグ
【ಭಾಷೆ】カンナダ、トゥールー
【ಬಾಸೆ】トゥールー
【ഭാഷ】マラヤラム
【භාෂාව】シンハラ
【භාසා】スリランカ・パーリ
【ꢩꢵꢰꢵ】サウラーシュトラ
【𑤣𑤰𑤬𑤽】ディベヒ:ディヴェ文字
その他のインド諸言語の文字
【ᱵᱷᱟᱥᱟ】サンタル
【𑃒𑃠𑃢𑃐𑃨𑃢】ソラ
ミャンマー系文字
【ဘာသာ】パーリ、モン、ビルマ、アラカン
┗【ဘာသာစကား】ビルマ - 言語名に用いる。
【ဘာသံ / Bhāsaṃ】モン・パーリ - 本来のパーリ単語と異なる単語。
【ဘာၑာ】古モン
【ဘာႋသာ့】東ポー・カレン
【ဘာႏသာႏ】パオウ
【ၽႃႇသႃႇ】シャン
【ꧤႃသႃ】シャン・パーリ
【ᨽᩣᩇᩣ】カム・ムアン/ラーンナー
【ᨽᩣᩈᩣ】クーン、タイ・ロ:タム文字
【ᦘᦱᦉᦱ】タイ・ロ
【𑄞𑄌𑄴】チャクマ
【ᥚᥣᥱᥔᥣᥱ】タイ・ナ
クメール系文字
【ភាឞា】タイ:コーム文字 - タイのクメール文字書体は“コーム文字”と呼称。
【ភាសា】クメール
【ภาษา】タイ、イーサーン
【ภาสา】タイ・パーリ
【พซา】北クメール
【พาซา】ニャークル
【บาฮาซา, บาฮาซ่า】タイ - マレー語由来。
【ພາສາ】ラオ
【ຠາສາ】ラオ・パーリ
【ຠາຩາ】ラオ・サンスクリット
その他の東南アジアのインド系文字
【ꦧꦱ】ジャワ
【ꦨꦴꦰ】カウィ
【ᬪᬵᬱ , ᬩᬲ】バリ
【ᮘᮞ】スンダ
【ᨅᨔ】ブギス、マカッサル:ブギス文字
【ᨅᨖᨔ】スンバワ
【𑻤𑻰】マカッサル:マカッサル文字
【ᯆᯀᯘ】カロ・バタク
【ᯅᯄᯚ】マンダイリン
【ꤷꥁꤼ】ルジャン
【ᜊᜐ】イロカノ:タガログ文字
ヨーロッパの文字
【Bhāṣā】ヒンドスターニー
【Bhāsā】パーリ
【Bhas】ゴア・コンカニ
【Bhasa】フィジー・ヒンディー
【Bhâsa】マドゥラ
【Bhasha】英
【Bahasa】マレー、インドネシア、バンジャル、ゴロンタロ、クリンチ、オランダ
【Bahaso】ミナンカバウ
【Bahsa】アチェ
【Basa】バリ、ブギス、マラナオ、トンテンボアン、ケンダヤン、イロカノ、マギンダナオ
【Báşá】ブラーフイー
【Vosa】フィジー
【Μπαχάσα】ギリシャ - マレー語由来。
【Бгаша】ウクライナ - サンスクリット語由来。
【Бхаша】ロシア - サンスクリット語由来。
アラビア系文字
【بهاس】ジャウィ、マレー
【بهاسا】アラビア
【بھاشا】ウルドゥー
【بهسا】アチェ:ジャウィ文字
【بَهَسَ】タウスグ
【باسو】ミナンカバウ:ジャウィ文字
【باشا】カシミール - インド・アーリア諸語としては珍しく有声有気音が存在しない。
【باݜ】シーナー
【ڀاشا】シンド
【ބަސް】ディベヒ
【𐴁𐴝𐴤𐴐𐴝】ロヒンギャ
CJK系文字
【婆沙 / Póshā】中国
【바하사】チアチア
【バーシャー】日本
【ブㇵーシャー , バㇵーシャー】サンスクリット:カタカナ - 1940年代の書籍に見られるアイヌ語仮名を使用した翻字表記。