アジア発祥の各種文字で【Asia】の表記
令和4年5月はアジア歴史月間です。
シュメール絵文字が誕生してから数千年の間にアジア各地で数多くの文字体系が誕生し、現在も南アジアを中心に新たな文字体系が生み出されています。
今回はゴールデンウィーク中にまとめた、アジア各地で生まれた文字体系による【アジア Asia】の表記を取り上げます。
(※文字表記が判明した言語が見つかった場合、随時更新予定)
漢字及び漢字圏の文字
表語文字のため1文字略語も使用され、漢字が使用される言語の音節文字も1文字略語が見られます。
【亞洲 ; 亞】繁体字/Hanzi:中国(香港・マカオ)[ヤーヂョウ; ヤー]、台湾華[ヤーゾウ; ヤー]、広東、台湾、韓国
【亚洲 ; 亚】簡体字/Hànzì:中国[ヤーヂョウ; ヤー]、上海 - ピンイン表記は〈Yàzhōu ; Yà〉。
【亜細亜 ; 亜】常用漢字/Kanji:日本[アジア; ア]
【亞細亞 ; 亞】ハンチャ/Hanja:韓国[アセア; ア] - ハングル表記は〈아세아 ; 아〉。
【亚洲 ; 亚】古壮字:チワン[ヤーチョウ; ヤー] - チワン語ラテン文字表記は〈Yacouh, Yacouƅ ; Ya〉。
【洲亞 ; 亞】チュノム:ベトナム [チャオアー; アー] - クォックグー表記は〈Châu Á ; Á〉。
【ㄧㄚˋㄓㄡ ; ㄧㄚˋ】注音符号:台湾華[ヤーゾウ; ヤー] - 原則的に発音表記や繁体字のルビに使用されるが、漢字で表記できない単語は注音符号表記となる。台湾華語は中国語普通話と異なり、そり舌音が存在しない。
【あじあ ; あ】ひらがな:日本[アジア; ア] - ひらがな表記は原則的に児童書や固有名詞に限り使用され、百科事典の見出しにも見られる。
【アジア ; ア】カタカナ:日本[アジア; ア]、沖縄[アジア; ア] - ヘボン式ローマ字表記は〈Ajia ; A〉。恐らくフランス語〈Asia〉[a.zja アズィヤ]に由来。
【アシヤ ; ア】カタカナ:アイヌ[アシヤ ; ア] - アイヌ語ローマ字表記は〈Asiya ; A〉。方言や地域によって語彙が異なるため、表語文字の漢字を使用して〈亜細亜 ; 亜〉と表記される場合がある。
【𛀄𛁄𛀄 ; 𛀄】変体仮名:日本[アジア; ア] - アジアの《亞・亜》に由来する変体仮名文字が存在するが、ユニコード未登録。
【아시아 ; 아】ハングル:韓国/朝鮮[アシア; ア]
【ꑸꍏ ; ꑸ】規範彝文:彝/ロロ[ジェチョ~イェチョ; ジェ~イェ] - 中国語〈亚洲/Yàzhōu〉を翻字にしたもの。彝語ラテン文字表記では〈Yiep zho ; Yiep〉。
インド系文字
サンスクリット語でアジアは本来〈जम्बुद्वीपः / 𑖕𑖦𑖿𑖤𑖲𑖟𑖿𑖪𑖱𑖢𑖾 / 𑰕𑰦𑰿𑰤𑰲𑰟𑰿𑰪𑰱𑰢𑰾 / 𑦵𑧆𑧠𑧄𑧔𑦿𑧠𑧊𑧓𑧂𑧟 / 𑌜𑌮𑍍𑌬𑍁𑌦𑍍𑌵𑍀𑌪𑌃〉/jambūdvīpaḥ/ [ジャンブードヴィーパハ]と表記されるのですが、ヒンディー語と共通の綴りも使用される場合があります。
英語〈Asia〉[ˈeɪ.ʃə エイシャ]に由来する発音が中心です。
【𑀏𑀰𑀺𑀬𑀸】ブラーフミー文字:サンスクリット[エーシヤー]
【𐨀𐨅𐨭𐨁𐨩𐨌】カローシュティー文字 - ブラーフミー文字表記のサンスクリット語〈𑀏𑀰𑀺𑀬𑀸〉に合わせた推測表記。
【एशिया】デーヴァナーガリー文字:ヒンディー[エーシヤー]、サンスクリット - パーリ語で使用されるIAST式ラテン文字では〈Eśiyā〉だが、インド本土でもネット上で使用されるフィジー・ヒンディー語ラテン文字では英語と同じ〈Asia〉で表記される。
【एसिया】デーヴァナーガリー文字:ネパール[エシヤ]、ネワール、ドテリ
【एजिया】デーヴァナーガリー文字:ヒンディー[エージヤー]、ネパール[エジヤ] - 英語経由の借用語に見られる表記。
【आशिया】デーヴァナーガリー文字:マラーティー[アーシヤー]、コンカニ - マラーティー語SHA《श》はヒンディー語のものと著しく異なるが、ユニコードでは統合され、異体字セレクタによる区別に定義されていないため、オープンタイプによる言語タグ切り替えでなければ表記できない。
【आज़िया】デーヴァナーガリー文字:ロマーニー[アズィヤ] - 主に東ヨーロッパで話されているインド=アーリア語派のロマ民族の言語であるロマーニー語のナーガリー表記。
【এশিয়া】ベンガル文字:ベンガル[エシヤ]、ビシュヌプリヤ
【এছিয়া】アッサム文字:アッサム[エスィヤ] - 現行字形はベンガル文字と同型だが、本来はベンガル文字と別ルートから生まれた文字体系。CHA《ছ》がサ行音[s]を示す。
【এজিয়া】ベンガル文字:ベンガル[エジヤ]
【ਏਸ਼ੀਆ】グルムキー文字:パンジャブ[エーシーアー]
【𑖊𑖫𑖰𑖧𑖯】悉曇文字:仏教梵[エーシヤー]
【ཨེ་ཤ་ཡ་ ; ཨེ་ཤ་ཡ།】チベット文字:チベット[エシャヤ] - 方言や地域によって語彙が異なる。
【ཨེ་ཤི་ཡ་ ; ཨེ་ཤི་ཡ།】チベット文字:ゾンカ[エシヤ]、チベット[エシヤ]
【ཨེ་ཤེ་ཡ་ ; ཨེ་ཤེ་ཡ།】チベット文字:チベット[エシェヤ] - チベット語版ウィキペディアにおける項目の見出しに採用されている表記。
【ཡ་ཀྲོའུ་ ; ཡ་ཀྲོའུ།】チベット文字:チベット[ヤトウ] - 中国語〈亚洲/Yàzhōu〉由来。アジア地区は〈ཡ་ཀྲོའུ་གླིང་ ; ཡ་ཀྲོའུ་གླིང།〉。
【ꡠꡚꡞꡗ, ꡠꡚꡗ】パスパ文字:チベット[エシヤ, エシャヤ]
【𑐊𑐳𑐶𑐫𑐵】ネワール文字:ネワール[エシヤ]
【𑲏𑲳𑲌𑲱𑲉】マルチェン文字 - チベット文字〈ཨེ་ཤི་ཡ།〉に合わせた推測表記。
【𑩐𑩹𑩑】ソヨンボ文字:モンゴル[アズィ] - モンゴル語キリル文字〈Ази〉に合わせた推測表記。
【𑰊𑰫𑰰𑰧𑰯】バイクシュキー文字:サンスクリット[エーシヤー]
【ꯑꯦꯁꯤꯌꯥ】メイテイ文字:マニプーリ[エシヤー] - ベンガル文字表記は〈এসিয়া〉。
【એશિયા】グジャラート文字:グジャラート[エーシヤー]
【𑂉𑂬𑂱𑂨𑂰】カイティー文字:ビハール/ボージュプリー[エーシヤー]、アワディー[エーシヤー]
【𑅓𑅰𑅳𑅑𑅛𑅐】マハージャニー文字:ヒンディー[エーシヤー] - 本来のインド系文字のように母音記号を使う方式もあるが、ユニコードに母音記号は採用されていない。
【𑘁𑘫𑘱𑘧𑘰】モジ文字:マラーティー[アーシヤー]
【𑆍𑆯𑆴𑆪𑆳】シャーラダー文字:カシミール[エーシヤー]
【𑒁𑒮𑒱𑒨𑒰 , 𑒁𑒬𑒱𑒨𑒰】ティルフータ文字:マイティリー[アシヤー]
【𑒋𑒮𑒱𑒨𑒰 , 𑒋𑒬𑒱𑒨𑒰】ティルフータ文字:マイティリー[エーシヤー]
【𑚆𑚧𑚮𑚣𑚯】タークリー文字:タークリー[エーシヤー] - 推測表記。
【𑊶𑋜𑋡𑋘𑋢】フダワディー文字:シンド[エーシヤー]
【𑈄𑈩𑈶𑈭𑈥𑈬】ホジャ文字:シンド[エーシヤー]
【𑊃𑊥𑊁𑊡𑊀】ムルターニー文字:サラーエキー[エーシヤー] - 母音表記は母音字をそのまま使用する形式。サラーエキー語ウルドゥー文字表記は〈ایشیاء〉。
【𑠆𑠧𑠭𑠣𑠬】ドーグリー文字:ドーグリー[エーシヤー]
【𑵧𑶉𑶋𑵬𑶊】グンジャラ・ゴーンディー文字:ゴーンディー[エーシヤー] - 推測表記。
【𑴆𑴩𑴲𑴥𑴱】マサラム・ゴーンディー文字:ゴーンディー[エーシヤー] - 推測表記。
【𑦪𑧋𑧒𑧇𑧑】ナンディナーガリー文字:サンスクリット[エーシヤー]
【ଏସିଆ】オリヤー文字:オリヤー[エスィア]
南インド系文字
【𑌏𑌶𑌿𑌯𑌾】グランタ文字:サンスクリット[エーシヤー]
【ஆசியா】タミル文字:タミル[アースィヤー]
【ఆసియా】テルグ文字:テルグ[アースィヤー]
【ಏಷ್ಯಾ】カンナダ文字:カンナダ[エーシヤー]
【ഏഷ്യ】マラヤラム文字:マラヤラム[アーシヤ]
【ꢍꢯꢶꢫꢵ】サウラーシュトラ文字:サウラーシュトラ[エーシヤー] - 推測表記。
【ආසියාව】シンハラ文字:シンハラ[アースィヤーヴァ]
【𑤉𑤪𑤱𑤁 , 𑤉𑤪𑤱𑤥𑤰 , 𑤁𑤪𑤱𑤥𑤰】ディヴェ・アクル文字:ディベヒ[エーシアー, エーシヤー, アーシヤー]
ムンダ系文字
20世紀にインドのオーストロアジア語族ムンダ諸語の文字として作成された人工文字などが中心です。
【ᱮᱥᱤᱭᱟ】オルチキ文字:サンタル[エシヤ]
【𑃢𑃐𑃤𑃜𑃢𑃙】ソラング・ソンペング文字:ソラ[アシヤー]
ミャンマー系文字
使用する言語によって文字の呼称が異なり、使用される文字セットも一部異なっています。
【ဧသိယာ , ဧၐိယာ】パーリ文字:パーリ[エーシヤー] - 広義のパーリ文字は欧米のラテン文字, インドのデーヴァナーガリー文字―パーリ語版『ウィキペディア』はデーヴァナーガリー文字で表記されている―, スリランカのシンハラ文字, タイのタイ文字など各国・地域の文字による表記を指すが、狭義の“パーリ文字”は、故・中西亮さんの著書である松香堂・刊『世界の文字』などで見られるミャンマー系文字のルーツとなったミャゼディ文字から派生した文字体系を指す (中西印刷株式会社公式サイトの【パーリ文字】の項目参照)。パーリ文字ガ・シャ《ၐ》はパーリ語では外来語・固有名詞表記にのみ用いられ、発音はSA《သ》と同じサ行音[s]。
【အာရှ】モン文字/ビルマ文字:モン[アーシャ]、ビルマ[アーシャ]- HRA《ရှ》は独立した字母のSHA《ၡ》もあるが、ビルマ語のユニコード環境では使用されない。ビルマ語でアジア地区は〈အာရှတိုက်〉[アーシャ・タイッ]と表記。
【အာရ္ဟ】ビルマ文字:ビルマ[アーシャ] - Zawgyiフォントによる〈အာရှ〉の文字化け表示。アタッ記号ではなくヴィラーマ記号が使用されている。
【ဧသိယာ】ビルマ文字:マルマ[エースィヤー] - バングラデシュの各種言語に影響を受けた綴り。
【အာသှ , အာယှ】モン文字:モン[アーシャ] - いずれも〈အာရှ〉と発音は同じ。
【ဢႃႇသျႃႉ】シャン文字:シャン[アーシャー] - タイ語版ウィクショナリーに記載。
【ဢေးသီးယႂ်း】シャン文字:シャン[エーシーヤウ]
【ဢေးသျႃး】シャン文字:シャン[エーシャー] - シャン語版ウィキペディアに記載。
【အ့ၡၢၣ်】スゴー・カレン文字:スゴー・カレン[エーシャ] - スゴー・カレン語や西ポー・カレン語ではSHA《ၡ》はビルマ文字の合字HRA《ရှ》ではなく、独立した字形を用いる。
【အ့ၩၡၩ】キリスト教ポー・カレン文字:西ポー・カレン[エシャ]
【အေဝ်ယှာ】仏教ポー・カレン文字:東ポーカレン[イシャ] - キリスト教ポー・カレン文字と異なり、綴りの変化で低声調―キリスト教ポー・カレン文字では高声調記号に対応―を示す。
【အာသျ】パオ文字:パオウ[アーシャ]
【ᩋᩮᨪᩮ᩠ᨿ, ᩋᩮᨩᩮ᩠ᨿ】タイ・タム文字:ラーンナー/カム・ムアン[エーシア; エーチア] - ウィキメディア・インキュベーター内のラーンナー・タイ語によるASEANの項目では前者の表記が見られる。
【ᦊᦱᧈᦵᦋᦲᧁᧈ ; ᦊᦱᧈ】タイ・ロ文字:タイ・ロ[ヤーチョウ; ヤー] - 中国語〈亚洲=Yàzhōu ; 亚=Yà〉に由来。
【𑄃𑄬𑄥𑄨𑄠】チャクマ文字:チャクマ[エシヤ]
【ꤢ꤬ꤏꤛꤢ】カヤー文字:カヤー[アシャー] - ミャンマー文字表記は〈အၤဆူ〉。アジア地区は〈ꤢ꤬ꤏꤛꤢꤊꤟꤢꤩ / အၤဆူကှၴ〉[アシャー・ケー]と表記。
クメール系文字
タイ諸言語では〈Asia〉に対する表記が複数見られます。
【អាស៊ី , អាហ្ស៊ី】クメール文字:クメール[アズィー] - フランス語〈Asie〉[アズィヤ]に近い発音となる。
【เอเชีย ; เอเซีย】タイ文字:タイ[エーチア; エーシア]
【อาซีอา】タイ文字:タイ[アーシアー] - 日本語の〈アジア〉に近い表記。
【ອາຊີ ; ເອເຊຍ】ラオ文字:ラオ[アーシー; エーシア]
【ເອສິຍາ , ເວຨິຍາ】ラオ・パーリ文字:パーリ[エーシヤー] - ヤ行音はラオ語と異なり、ヨー・ヤー《ຢ》ではなくニョー・ニュン《ຍ》で示す。
マレー系文字
マレーシア=インドネシア諸言語における共通ラテン文字表記は〈Asia〉となっていて、一部文字体系を除きラテン文字からの翻字として表記されます。
【ꦄꦱꦶꦄ , ꦄꦱꦶꦲ】ジャワ文字:ジャワ[アスィア] - 語末のアはHA《ꦲ》で表記されることが多い。
【ᬅᬲᬶᬅ , ᬅᬲᬶᬳ】バリ文字:バリ[アスィア] - 語末のアはHA《ᬳ》で表記されることが多い。
【ᮃᮞᮤᮃ】スンダ文字:スンダ[アスィア]
【ᨕᨔᨗᨕ】ブギス文字:ブギス[アスィア]
【𑻱𑻰𑻳𑻱】マカッサル文字:マカッサル[アスィア]
【ꥆꤼꥇꥆ】レジャン文字:レジャン[アスィア]
【ᯀᯘᯪᯀ】バタク文字:トバ・バタク[アスィア]
【ᜀᜐ᜔ᜌ】タガログ文字:フィリピノ/タガログ[アシャ] - フィリピノ語ラテン文字表記は〈Asya〉。
【ᜠᜰ᜴ᜬ】ハヌノオ文字:ハヌノオ[アスィヤ]
【ᝀᝐᝒᝀ】ブヒッド文字:ブヒッド[アスィア]
【ᝠᝰᝲᝠ】タグバヌワ文字:タグバヌワ[アスィア]
アラム系文字
古代アラム系文字の推測表記はアッシリア現代アラム語〈ܐܣܝܐ〉に基づく〈ʾSYʾ , ʼSYʼ〉/ʔsjʔ/ 系統の表記によるものです。
【𐤀𐤔𐤉𐤀 , 𐤀𐤎𐤉𐤀】フェニキア文字:アラム[アースィアー] - ヘブライ文字表記では〈אשׂיא , אסיא〉。
【𐡀𐡔𐡉𐡀 , 𐡀𐡎𐡉𐡀】アラム文字:アラム[アースィアー] - 古典アラム語におけるサ行音[s]を示す字母はSAMEKH《𐡎》とヘブライ文字では左点付きSHIN《שׂ》で表記される《𐡔》の2種類。
【אַסְיָה , אסיה】ヘブライ文字:ヘブライ[アスィア]
【ܐܣܝܐ ، ܐܵܣܝܼܵܐ ؛ ܐܨܝܐ ، ܐܵܨܝܼܵܐ】シリア文字:アッシリア現代アラム[アースィヤー, アーツィアー] - シリア文字は本来、エストランゲロ体, セルトー体, ネストリアン体の3系統の文字体系で表記されるが、ユニコードではエストランゲロ体に統合されたため、オープンタイプによる文字タグ切り替えでなければ表記できない。
【𐢁𐢖𐢍𐢀】パルミラ文字 - 推測表記。語頭アは《𐢁》, 語末アは《𐢀》で表記。
【𐡠𐡯𐡩𐡠】ナバテア文字 - アラビア語〈آسيا〉に合わせた推測表記。
【𐣠𐣮𐣩𐣠】ハトラ文字 - 推測表記。
【𐿠𐿮𐿩𐿠】エリマイス文字 - 推測表記。
【𐪑𐪊𐪚𐪑】北アラビア文字 - アラビア語〈آسيا〉に合わせた推測表記。
【𐩱𐩪𐩺𐩱】南アラビア文字 - アラビア語〈آسيا〉に合わせた推測表記。
【𐭀𐭎𐭀𐭉𐭀】パルティア文字:パルティア[アサヤ]
【𐭀𐭎𐭉𐭀】パルティア文字:パルティア[アサヤ] - アラム文字表記を訓読したもの。アラメオグラム表記は〈ASYA〉。
【𐮀𐮍𐮀𐮈𐮀】詩篇パルティア文字:パルティア[アサヤ]
【𐮀𐮍𐮈𐮀】詩篇パルティア文字:パルティア[アサヤ] - アラム文字表記を訓読したもの。
【𐭠𐭮𐭠𐭩𐭠】パフラヴィー文字:パフラヴィー[アサヤ]
【𐭠𐭮𐭩𐭠】パフラヴィー文字:パフラヴィー[アサヤ] - アラム文字表記を訓読したもの。アラメオグラム表記は〈ASYA〉。
【𐼀𐼙𐼊𐼀】古ソグド文字:ソグド - アラム文字表記を訓読したもの。アラメオグラム表記は〈ASYA〉。
【𐼰𐼼𐼷𐼰】ソグド文字:ソグド - アラム文字表記を訓読したもの。アラメオグラム表記は〈ASYA〉。
【𐫀𐫘𐫏𐫀】マニ文字
アラビア系文字
松香堂『世界の文字』や大修館書店『講座言語⑸世界の文字』、三省堂『言語学大辞典(別巻)世界文字辞典』などでは、使用する言語によって文字の呼称が異なり、使用される文字セットも一部異なっています。
【آسِيَا ، آسيا】アラビア文字:アラビア[アースィヤー] - 語末YEH《ي》は下2点付きだが、アフリカのエジプト・アラビア語ではペルシア語と同じ点無しの《ی》。
【آسیا】ペルシア文字:ペルシア[アースィヤー] - 語末YEH《ی》は点無し。
【ئاسیا】ペルシア文字:ソラニー[アースィヤー] - 担母音記号のハムザ付きYEH《ئ》は単独では短音イとなるが、省略されることから、子音字は無音の他に後続母音字が続かない場合は短音イを含んだ音節となる。
【ایشیاء ، ایشیا】ウルドゥー文字:ウルドゥー[エーシヤー] - ナスタアリーク体が標準書体且つイー音の語末YEH《ی》は点無しのため、アラビア文字とは別の扱いとなる。語末のハムザ《ء》は無音のため省略される。エー音を示す語頭YEHは語末あるいは独立形でYEH BARREE《ے》となる。
【ایشِیا】ウルドゥー文字:カシミール[エーシヤー] - 語末YEH《ی》は点無し。母音が多いため、原則的に母音記号が必須となっている。
【ایشیاء】シャームーキー文字:西パンジャブ[エーシーアー] - ナスタアリーク体が標準書体且つ語末YEH《ی》は点無しのため、アラビア文字とは別の扱いとなる。エー音を示す語頭YEHは語末あるいは独立形でYEH BARREE《ے》となるなどウルドゥー文字とほぼ同一だが、文字の名称が異なる。
【ايشيا】シンド文字:シンド[エーシヤー] - 語末YEH《ي》は下2点付き。
【اسيا】ジャウィ文字:マレー[アスィア] - 語末YEH《ي》は下2点付き。マレーシア=インドネシア共通ラテン文字表記は〈Asia〉。
【ئاسىيا】新ウイグル文字:ウイグル[アスィヤ] - 担母音記号のハムザ付きYEH《ئ》本来の語末形・独立形は使用されない。アリフ・マクスーラ《ى》がイ段母音字で、語末YEH《ي》は下2点付き。
【يَا جِوْ ؛ يَا】小児経:西北官話[ヤーヂョウ; ヤー] - ピンイン表記は〈Yàzhōu ; Yà〉。声調は表記されない。
【އޭޝިއާ ، އޭޝިޔާ ، އާޝިޔާ】ターナ文字:ディベヒ[エーシアー, エーシヤー, アーシヤー] - 20世紀の出版物ではアラビア文字表記が借用語及び固有名詞表記に用いられていた。
ウイグル系文字
使用する言語によって文字の呼称が異なり、使用される文字セットも一部異なっています。
【𐽰𐽻𐽶𐽰】古ウイグル文字:ウイグル[アスィヤ] - 現代ウイグル語の推測翻字。モンゴル文字表記では〈ᠠᠰᠢᢇ〉。
【ᠠᠽᠢ】モンゴル文字:モンゴル[アズィ] - イ音はモンゴル文字標準のI《ᠢ / ᠢ᠊ / ᠊ᠢ᠊ / ᠊ᠢ》。キリル文字表記は〈Ази〉。
【ᠠᠴᡅᡕᠠ】トド文字:オイラート[アズィヤ] - イ音はトド文字I《ᡅ / ᡅ᠊ / ᠊ᡅ᠊ / ᠊ᡅ》。
【ᠠᠰᡳᠶᠠ】満州文字:満州[アスィヤ] - イ音は満州語I《ᡳ / ᡳ᠊ / ᠊ᡳ᠊ / ᠊ᡳ》。
【ᠠᠰᡞᠶᠠ】シボ文字:シボ[アスィヤ] - イ音はシボ語I《ᡞ / ᡞ᠊ / ᠊ᡞ᠊ / ᠊ᡞ》。
ヨーロッパ系文字及びその派生
ヨーロッパに位置する国・地域で、分類上アジア・中東地区として扱われている文字です。
【Ասիա ; ԱՍԻԱ】アルメニア文字:アルメニア[アスィア]
【აზია】ジョージア文字:ジョージア[アズィア]
【ᲐᲖᲘᲐ】ムタヴルリ体:ジョージア[アズィア]
【Ⴀⴆⴈⴀ ; ႠႦႨႠ】フツリ体:ジョージア[アズィア]
楔形文字
【𒀀𒋗 , 𒀀𒍮】楔形文字:アッカド[アシュ] - 出典は前者がフランス語語版ウィクショナリーの【Ἀσία】の項, 後者が英語版ウィクショナリーの【Ἀσία】の項より。
【𒀸𒋗𒉿】楔形文字:ルウィー[アッシュワ]
【𐎀𐎒𐎊𐎀】ウガリット文字 - 推測表記。
【𐎠𐎿𐎹】古代ペルシア文字 - 推測表記。
その他の文字
【𐠀𐠪𐠴𐠅】キプロス文字 - ミュケナイ・ギリシャ語線文字B〈𐀀𐀯𐀹𐀊〉[アシウィヤ]の翻字。
【𐰀𐰽𐰖𐰀】突厥文字:トルコ[アスィヤ] - トルコ語ラテン文字表記は〈Asya〉。突厥文字で表記されたトルコ語の出版物が見られる。
【𖬉𖬲𖬮𖬰 𖬕𖬲𖬮 , 𖬗𖬰𖬮𖬰 𖬕𖬲𖬮】パハウ・フモン文字:フモン[エスィア, アスィア] - RPA式ラテン文字表記は〈Esxias, Axias〉。
【𞄤𞄆𞄦𞄴𞄤 , 𞄪𞄴𞄆𞄦𞄴𞄤】ニヤケン・プアチュエ・フモン文字[アスィア, エスィア]
【🌏】絵文字/Emoji:日本[アジア] - 日本の携帯電話絵文字から生まれた表意文字体系。