フラニ語の文字による日本語表記
5月25日はアフリカデーです。
今回はフラニ語の文字であるアドラム文字による日本語表記について取り上げます。
アドラム文字はギニア発祥の文字で、1989年に当時10代だったイブラヒム・バリーさんとアブドゥラエ・バリーさんの兄弟によってフラニ語・プラール語・フルフルデ語などフラニ諸言語の文字として作成され、ユニコード9.0に採用されました。
アドラム文字
アドラム文字は原則的にフラニ語ラテン文字と対応し、大文字と小文字の別が存在することも共通しています。
アラビア文字やンコ文字のように右から左に横書きされる形式で、続け書き方式(例: Nippon〈𞤐𞤭𞤨𞥆𞤮𞤲〉)と非連結方式(例: Nippon〈𞤐𞤭𞤨𞥆𞤮𞤲〉)と2種類の表記法があり、非連結方式で綴るにはZWNJ合成を用いますが、常に字形が連結されないNoto Sans Adlam Unjoinedフォントもあります。
便宜上、五十音順で示します。
A【ア《𞤀・𞤢》―アイ〈𞤀𞤒・𞤀𞤴・𞤢𞤴〉―アウ〈𞤀𞤏・𞤀𞤱・𞤢𞤱〉】
I【イ《𞤋・𞤭》―イア〈𞤋𞤒𞤀・𞤋𞤴𞤢・𞤭𞤴𞤢〉―イエ〈𞤋𞤒𞤉・𞤋𞤴𞤫・𞤭𞤴𞤫〉】
U【ウ《𞤓・𞤵》―ウア〈𞤓𞤏𞤀・𞤓𞤱𞤢・𞤵𞤱𞤢〉―ウイ〈𞤓𞤏𞤋・𞤓𞤱𞤭・𞤵𞤱𞤭〉―ウエ〈𞤓𞤏𞤉・𞤓𞤱𞤫・𞤵𞤱𞤫〉】
E【エ《𞤉・𞤫》―エイ〈𞤉𞤒𞤋・𞤉𞤴𞤭・𞤫𞤴𞤭〉】[ɛ~e エ]
O【オ《𞤌・𞤮》―オイ〈𞤌𞤒𞤋・𞤌𞤴𞤭・𞤮𞤴𞤭〉】[ɔ~o オ]
K【カ〈𞤑𞤀・𞤑𞤢・𞤳𞤢〉―キ〈𞤑𞤋・𞤑𞤭・𞤳𞤭〉―ク〈𞤑𞤓・𞤑𞤵・𞤳𞤵〉―ケ〈𞤑𞤉・𞤑𞤫・𞤳𞤫〉―コ〈𞤑𞤌・𞤑𞤮・𞤳𞤮〉】
G【ガ〈𞤘𞤀・𞤘𞤢・𞤺𞤢〉―ギ〈𞤘𞤋・𞤘𞤭・𞤺𞤭〉―グ〈𞤘𞤓・𞤘𞤵・𞤺𞤵〉―ゲ〈𞤘𞤉・𞤘𞤫・𞤺𞤫〉―ゴ〈𞤘𞤌・𞤘𞤮・𞤺𞤮〉】
S【サ〈𞤅𞤀・𞤅𞤢・𞤧𞤢〉―スィ〈𞤅𞤋・𞤅𞤭・𞤧𞤭〉―ス〈𞤅𞤓・𞤅𞤵・𞤧𞤵〉―セ〈𞤅𞤉・𞤅𞤫・𞤧𞤫〉―ソ〈𞤅𞤌・𞤅𞤮・𞤧𞤮〉】
SH【シャ〈𞤡𞤀・𞤡𞤢・𞥃𞤢〉―シ〈𞤡𞤋・𞤡𞤭・𞥃𞤭〉―シュ〈𞤡𞤓・𞤡𞤵・𞥃𞤵〉―シェ〈𞤡𞤉・𞤡𞤫・𞥃𞤫〉―ショ〈𞤡𞤌・𞤡𞤮・𞥃𞤮〉】[ʃ シュ]
Z【ザ〈𞤟𞤀・𞤟𞤢・𞥁𞤢〉―ズィ〈𞤟𞤋・𞤟𞤭・𞥁𞤭〉―ズ〈𞤟𞤓・𞤟𞤵・𞥁𞤵〉―ゼ〈𞤟𞤉・𞤟𞤫・𞥁𞤫〉―ゾ〈𞤟𞤌・𞤟𞤮・𞥁𞤮〉】
J【ジャ〈𞤔𞤀・𞤔𞤢・𞤶𞤢〉―ジ・ヂ〈𞤔𞤌・𞤔𞤮・𞤶𞤮〉―ジュ〈𞤔𞤓・𞤔𞤵・𞤶𞤵〉―ジェ〈𞤔𞤉・𞤔𞤫・𞤶𞤫〉―ジョ〈𞤔𞤌・𞤔𞤮・𞤶𞤮〉】[ʤ ヂ]
T【タ〈𞤚𞤀・𞤚𞤢・𞤼𞤢〉―ティ〈𞤚𞤋・𞤚𞤭・𞤼𞤭〉―トゥ〈𞤚𞤓・𞤚𞤵・𞤼𞤵〉―テ〈𞤚𞤉・𞤚𞤫・𞤼𞤫〉―ト〈𞤚𞤌・𞤚𞤮・𞤼𞤮〉】
C【チャ〈𞤕𞤀・𞤕𞤢・𞤷𞤢〉―チ〈𞤕𞤌・𞤕𞤮・𞤷𞤮〉―チュ〈𞤕𞤓・𞤕𞤵・𞤷𞤵〉―チェ〈𞤕𞤉・𞤕𞤫・𞤷𞤫〉―チョ〈𞤕𞤌・𞤕𞤮・𞤷𞤮〉】[ʧ チ]
D【ダ〈𞤁𞤀・𞤁𞤢・𞤣𞤢〉―ディ〈𞤁𞤋・𞤁𞤭・𞤣𞤭〉―ドゥ〈𞤁𞤓・𞤁𞤵・𞤣𞤵〉―デ〈𞤁𞤉・𞤁𞤫・𞤣𞤫〉―ド〈𞤁𞤌・𞤁𞤮・𞤣𞤮〉】
N【ン《𞤐・𞤲》―ナ〈𞤐𞤀・𞤐𞤢・𞤲𞤢〉―ニ〈𞤐𞤋・𞤐𞤭・𞤲𞤭〉―ヌ〈𞤐𞤓・𞤐𞤵・𞤲𞤵〉―ネ〈𞤐𞤉・𞤐𞤫・𞤲𞤫〉―ノ〈𞤐𞤌・𞤐𞤮・𞤲𞤮〉】
Ɲ・ɲ【ニャ〈𞤙𞤀・𞤙𞤢・𞤻𞤢〉―ニ〈𞤙𞤌・𞤙𞤮・𞤻𞤮〉―ニュ〈𞤙𞤓・𞤙𞤵・𞤻𞤵〉―ニェ〈𞤙𞤉・𞤙𞤫・𞤻𞤫〉―ニョ〈𞤙𞤌・𞤙𞤮・𞤻𞤮〉】[ɲ ニュ]
H【ハ〈𞤖𞤀・𞤖𞤢・𞤸𞤢〉―ヒ〈𞤖𞤋・𞤖𞤭・𞤸𞤭〉―フ〈𞤖𞤓・𞤖𞤵・𞤸𞤵〉―ヘ〈𞤖𞤉・𞤖𞤫・𞤸𞤫〉―ホ〈𞤖𞤌・𞤖𞤮・𞤸𞤮〉】[h ホ]
F【ファ〈𞤊𞤀・𞤊𞤢・𞤬𞤢〉―フィ〈𞤊𞤋・𞤊𞤭・𞤬𞤭〉―フ〈𞤊𞤓・𞤊𞤵・𞤬𞤵〉―フェ〈𞤊𞤉・𞤊𞤫・𞤬𞤫〉―フォ〈𞤊𞤌・𞤊𞤮・𞤬𞤮〉】
B【バ〈𞤄𞤀・𞤄𞤢・𞤦𞤢〉―ビ〈𞤄𞤋・𞤄𞤭・𞤦𞤭〉―ブ〈𞤄𞤓・𞤄𞤵・𞤦𞤵〉―ベ〈𞤄𞤉・𞤁𞤫・𞤦𞤫〉―ボ〈𞤁𞤌・𞤁𞤮・𞤦𞤮〉】
P【パ〈𞤆𞤀・𞤆𞤢・𞤨𞤢〉―ピ〈𞤆𞤋・𞤆𞤭・𞤨𞤭〉―プ〈𞤆𞤓・𞤆𞤵・𞤨𞤵〉―ペ〈𞤆𞤉・𞤆𞤫・𞤨𞤫〉―ポ〈𞤆𞤌・𞤆𞤮・𞤨𞤮〉】
M【マ〈𞤃𞤀・𞤃𞤢・𞤥𞤢〉―ミ〈𞤃𞤋・𞤃𞤭・𞤥𞤭〉―ム〈𞤃𞤓・𞤃𞤵・𞤥𞤵〉―メ〈𞤃𞤉・𞤃𞤫・𞤥𞤫〉―モ〈𞤃𞤌・𞤃𞤮・𞤥𞤮〉】
Y【ヤ〈𞤒𞤀・𞤒𞤢・𞤴𞤢〉―イィ〈𞤒𞤋・𞤒𞤭・𞤴𞤭〉―ユ〈𞤒𞤓・𞤒𞤵・𞤴𞤵〉―イェ〈𞤒𞤉・𞤒𞤫・𞤴𞤫〉―ヨ〈𞤒𞤌・𞤒𞤮・𞤴𞤮〉】
R【ラ〈𞤈𞤀・𞤈𞤢・𞤪𞤢〉―リ〈𞤈𞤋・𞤈𞤭・𞤪𞤭〉―ル〈𞤈𞤓・𞤈𞤵・𞤪𞤵〉―レ〈𞤈𞤉・𞤈𞤫・𞤪𞤫〉―ロ〈𞤈𞤌・𞤈𞤮・𞤪𞤮〉】
L【ラ〈𞤂𞤀・𞤂𞤢・𞤤𞤢〉―リ〈𞤂𞤋・𞤂𞤭・𞤤𞤭〉―ル〈𞤂𞤓・𞤂𞤵・𞤤𞤵〉―レ〈𞤂𞤉・𞤂𞤫・𞤤𞤫〉―ロ〈𞤂𞤌・𞤂𞤮・𞤤𞤮〉】
W【ワ〈𞤏𞤀・𞤏𞤢・𞤾𞤢〉―ウィ〈𞤏𞤋・𞤏𞤭・𞤾𞤭〉―ウゥ〈𞤏𞤓・𞤏𞤵・𞤾𞤵〉―ウェ〈𞤏𞤉・𞤏𞤫・𞤾𞤫〉―ウォ〈𞤏𞤌・𞤏𞤮・𞤾𞤮〉】
V【ヴァ〈𞤜𞤀・𞤜𞤢・𞤾𞤢〉―ヴィ〈𞤜𞤋・𞤜𞤭・𞤾𞤭〉―ヴ〈𞤜𞤓・𞤜𞤵・𞤾𞤵〉―ヴェ〈𞤜𞤉・𞤜𞤫・𞤾𞤫〉―ヴォ〈𞤜𞤌・𞤜𞤮・𞤾𞤮〉】
Ŋ・ŋ【カ゚〈𞤛𞤀・𞤛𞤢・𞤽𞤢〉―キ゚〈𞤛𞤋・𞤛𞤭・𞤽𞤭〉―ク゚〈𞤛𞤓・𞤛𞤵・𞤾𞤵〉―ケ゚〈𞤛𞤉・𞤛𞤫・𞤽𞤫〉―コ゚〈𞤛𞤌・𞤛𞤮・𞤽𞤮〉】
子音字の連字
アドラム文字ではツァ行音は連字で表記されます。
TS【ツァ〈𞤚𞤅𞤀・𞤚𞤧𞤢・𞤼𞤧𞤢〉―ツィ〈𞤚𞤅𞤋・𞤚𞤧𞤭・𞤼𞤧𞤭〉―ツ〈𞤚𞤅𞤓・𞤚𞤧𞤵・𞤼𞤧𞤵〉―ツェ〈𞤚𞤅𞤉・𞤚𞤧𞤫・𞤼𞤧𞤫〉―ツォ〈𞤚𞤅𞤌・𞤚𞤧𞤮・𞤼𞤧𞤮〉】
拗音・合拗音
フラニ語では拗音は〈ⓀIYⓋ〉[-i.j-], 合拗音は〈ⓀUWⓋ〉[-u.w-]で表記されます。
KIY【キャ〈𞤑𞤋𞤒𞤀・𞤑𞤭𞤴𞤢・𞤳𞤭𞤴𞤢〉―キュ〈𞤑𞤋𞤒𞤓・𞤑𞤭𞤴𞤵・𞤳𞤭𞤴𞤵〉―キョ〈𞤑𞤋𞤒𞤌・𞤑𞤭𞤴𞤮・𞤳𞤭𞤴𞤮〉】
KUW【クァ〈𞤑𞤓𞤏𞤀・𞤑𞤵𞤱𞤢・𞤳𞤵𞤱𞤢〉―クィ〈𞤑𞤓𞤏𞤋・𞤑𞤵𞤱𞤭・𞤳𞤵𞤱𞤭〉―クェ〈𞤑𞤓𞤏𞤉・𞤑𞤵𞤱𞤫・𞤳𞤵𞤱𞤫〉―クォ〈𞤑𞤓𞤏𞤌・𞤑𞤵𞤱𞤮・𞤳𞤵𞤱𞤮〉】
GIY【ギャ〈𞤘𞤋𞤒𞤀・𞤘𞤭𞤴𞤢・𞤺𞤭𞤴𞤢〉―ギュ〈𞤘𞤋𞤒𞤓・𞤘𞤭𞤴𞤵・𞤺𞤭𞤴𞤵〉―ギョ〈𞤘𞤋𞤒𞤌・𞤘𞤭𞤴𞤮・𞤺𞤭𞤴𞤮〉】
GUW【グァ〈𞤘𞤓𞤏𞤀・𞤘𞤵𞤱𞤢・𞤺𞤵𞤱𞤢〉―グィ〈𞤘𞤓𞤏𞤋・𞤘𞤵𞤱𞤭・𞤺𞤵𞤱𞤭〉―グェ〈𞤘𞤓𞤏𞤉・𞤘𞤵𞤱𞤫・𞤺𞤵𞤱𞤫〉―グォ〈𞤘𞤓𞤏𞤌・𞤘𞤵𞤱𞤮・𞤺𞤵𞤱𞤮〉】
TIY【ティヤ〈𞤚𞤋𞤒𞤀・𞤚𞤭𞤴𞤢・𞤼𞤭𞤴𞤢〉―テュ〈𞤚𞤋𞤒𞤓・𞤚𞤭𞤴𞤵・𞤼𞤭𞤴𞤵〉―テョ〈𞤚𞤋𞤒𞤌・𞤚𞤭𞤴𞤮・𞤼𞤭𞤴𞤮〉】
DIY【ディヤ〈𞤁𞤋𞤒𞤀・𞤁𞤭𞤴𞤢・𞤣𞤭𞤴𞤢〉―デュ〈𞤁𞤋𞤒𞤓・𞤁𞤭𞤴𞤵・𞤣𞤭𞤴𞤵〉―デョ〈𞤁𞤋𞤒𞤌・𞤁𞤭𞤴𞤮・𞤣𞤭𞤴𞤮〉】
HIY【ヒャ〈𞤘𞤋𞤒𞤀・𞤘𞤭𞤴𞤢・𞤺𞤭𞤴𞤢〉―ヒュ〈𞤘𞤋𞤒𞤓・𞤘𞤭𞤴𞤵・𞤺𞤭𞤴𞤵〉―ヒェ〈𞤖𞤋𞤒𞤉・𞤖𞤭𞤴𞤫・𞤸𞤭𞤴𞤫〉―ヒョ〈𞤘𞤋𞤒𞤌・𞤘𞤭𞤴𞤮・𞤺𞤭𞤴𞤮〉】
HUW【ホワ〈𞤖𞤓𞤏𞤀・𞤖𞤵𞤱𞤢・𞤸𞤵𞤱𞤢〉―ホウィ〈𞤖𞤓𞤏𞤋・𞤖𞤵𞤱𞤭・𞤸𞤵𞤱𞤭〉―ホウェ〈𞤖𞤓𞤏𞤉・𞤖𞤵𞤱𞤫・𞤸𞤵𞤱𞤫〉―フオ〈𞤖𞤓𞤏𞤌・𞤖𞤵𞤱𞤮・𞤸𞤵𞤱𞤮〉】
FIY【フィヤ〈𞤊𞤋𞤒𞤀・𞤊𞤭𞤴𞤢・𞤬𞤭𞤴𞤢〉―フュ〈𞤊𞤋𞤒𞤓・𞤊𞤭𞤴𞤵・𞤬𞤭𞤴𞤵〉―フョ〈𞤊𞤋𞤒𞤌・𞤊𞤭𞤴𞤮・𞤬𞤭𞤴𞤮〉】
MIY【ミャ〈𞤃𞤋𞤒𞤀・𞤃𞤭𞤴𞤢・𞤥𞤭𞤴𞤢〉―ミュ〈𞤃𞤋𞤒𞤓・𞤃𞤭𞤴𞤵・𞤥𞤭𞤴𞤵〉―ミョ〈𞤃𞤋𞤒𞤌・𞤃𞤭𞤴𞤮・𞤥𞤭𞤴𞤮〉】
RIY【リャ〈𞤈𞤋𞤒𞤀・𞤈𞤭𞤴𞤢・𞤪𞤭𞤴𞤢〉―リュ〈𞤈𞤋𞤒𞤓・𞤈𞤭𞤴𞤵・𞤪𞤭𞤴𞤵〉―リョ〈𞤈𞤋𞤒𞤌・𞤈𞤭𞤴𞤮・𞤪𞤭𞤴𞤮〉】
LIY【リャ〈𞤂𞤋𞤒𞤀・𞤂𞤭𞤴𞤢・𞤤𞤭𞤴𞤢〉―リュ〈𞤂𞤋𞤒𞤓・𞤂𞤭𞤴𞤵・𞤤𞤭𞤴𞤵〉―リェ〈𞤂𞤋𞤒𞤉・𞤂𞤭𞤴𞤫・𞤤𞤭𞤴𞤫〉―リョ〈𞤂𞤋𞤒𞤌・𞤂𞤭𞤴𞤮・𞤤𞤭𞤴𞤮〉】
VIY【ヴャ〈𞤜𞤋𞤒𞤀・𞤜𞤭𞤴𞤢・𞤾𞤭𞤴𞤢〉―ヴュ〈𞤜𞤋𞤒𞤓・𞤜𞤭𞤴𞤵・𞤾𞤭𞤴𞤵〉―ヴィエ〈𞤜𞤋𞤒𞤉・𞤜𞤭𞤴𞤫・𞤾𞤭𞤴𞤫〉―ヴョ〈𞤜𞤋𞤒𞤌・𞤜𞤭𞤴𞤮・𞤾𞤭𞤴𞤮〉】
ŊIY【キ゚ャ〈𞤛𞤋𞤒𞤀・𞤛𞤭𞤴𞤢・𞤽𞤭𞤴𞤢〉―キ゚ュ〈𞤛𞤋𞤒𞤓・𞤛𞤭𞤴𞤵・𞤽𞤭𞤴𞤵〉―キ゚ョ〈𞤛𞤋𞤒𞤌・𞤛𞤭𞤴𞤮・𞤽𞤭𞤴𞤮〉】
ŊUW【ク゚ァ〈𞤛𞤓𞤏𞤀・𞤛𞤵𞤱𞤢・𞤽𞤵𞤱𞤢〉―ク゚ィ〈𞤛𞤓𞤏𞤋・𞤛𞤵𞤱𞤭・𞤽𞤵𞤱𞤭〉―ク゚ェ〈𞤛𞤓𞤏𞤉・𞤛𞤵𞤱𞤫・𞤺𞤵𞤱𞤫〉―ク゚ォ〈𞤛𞤓𞤏𞤌・𞤛𞤵𞤱𞤮・𞤽𞤵𞤱𞤮〉】
アドラム文字のダイアクリティカルマーク
アドラム文字のダイアクリティカルマークは大文字と小文字とで形状や配置が異なるものがあります。
ALA-LC方式 ( 出典 : https://www.loc.gov/catdir/cpso/romanization/adlam37.pdf ) のラテン文字表記は、狭いエ[e]が《Ɛ・ɛ》, 狭いオ[o]が《Ɔ・ɔ》と本来の国際音声記号の発音―フラニ語ラテン文字で広いエ[ɛ]が《E・e》, 広いオ[ɔ]が《O・o》―が入れ替わっています。
長音
ア段のアリフ《𞤀・𞤢》専用の長音記号とそれ以外の母音字の長音記号もあります。
AA【アー〈𞤀𞥄・𞤢𞥄〉】
II【イー〈𞤋𞥅・𞤭𞥅〉】
UU【ウー〈𞤓𞥅・𞤵𞥅〉】
EE【エー〈𞤉𞥅・𞤫𞥅〉】
OO【オー〈𞤌𞥅・𞤮𞥅〉】
ヌクタ記号
インド系文字と同じく発音を変化させる点で、上点《˙》も下点《.》も共に‘U+1E49A’を用います。
現行フラニ諸語ラテン文字では《E・e》と《O・o》と広母音字のみが用いられることから、日本語ローマ字からの翻字はヌクタ記号が使用されません。
Ɛ・ɛ【エ〈𞤉𞥊・𞤫𞥊〉】[e エ]
ƐƐ・ɛɛ【エー〈𞤉𞥊𞥅・𞤫𞥊𞥅〉】[eː エー] - 下点が付くがユニコードでは上点を配置する。
Ɔ・ɔ【オ〈𞤌𞥊・𞤮𞥊〉】[o オ]
ƆƆ・ɔɔ【オ〈𞤌𞥊𞥅・𞤮𞥊𞥅〉】[oː オー]
ハムザ記号
ハムザはウイグル語アラビア文字の担母音記号《ئ》と同じく、分離記号の役割となっていますが、子音字の上に配置されることからキリル文字の硬音符《Ъ・ъ》に近いものになっています。
Nʼ【ン《𞤐𞥇・𞤲𞥇》―ンア〈𞤐𞥇𞤀・𞤐𞥇𞤢・𞤲𞥇𞤢〉―ンイ〈𞤐𞥇𞤋・𞤐𞥇𞤭・𞤲𞥇𞤭〉―ンウ〈𞤐𞥇𞤍・𞤐𞥇𞤯・𞤲𞥇𞤯〉―ンエイ〈𞤐𞥇𞤉𞤒・𞤐𞥇𞤫𞤴・𞤲𞥇𞤫𞤴〉―ンオウ】
NʼY【ンヤ行《𞤐𞥇𞤒・𞤐𞥇𞤴・𞤲𞥇𞤴》―ンヤ〈𞤐𞥇𞤒𞤀・𞤐𞥇𞤴𞤢・𞤲𞥇𞤴𞤢〉―ンユ〈𞤐𞥇𞤒𞤍・𞤐𞥇𞤴𞤯・𞤲𞥇𞤴𞤯〉―ンヨウ〈𞤐𞥇𞤒𞤌𞥅・𞤐𞥇𞤴𞤮𞥅・𞤲𞥇𞤴𞤮𞥅〉】
重子音記号
アドラム文字における促音《ッ》や重子音による撥音《ン》はマクロン《ˉ》に似た重子音記号を付加する形式となっています。
ラテン文字の連字における促音表記は日本語のヘボン式ローマ字と同じく〈SSH〉という風に最初の子音字を2つ並べることで示します。
KK【ッカ〈𞤑𞥆𞤀・𞤳𞥆𞤢〉】
GG【ッガ〈𞤘𞥆𞤀・𞤺𞥆𞤢〉】
SS【ッセ〈𞤅𞥆𞤉・𞤧𞥆𞤫〉】
SSH【ッシ〈𞤡𞥆𞤋・𞥃𞥆𞤭〉】
ZZ【ッゼ〈𞤟𞥆𞤉・𞥁𞥆𞤫〉】
JJ【ッジ〈𞤔𞥆𞤋・𞤶𞥆𞤭〉】
TT【ット〈𞤚𞥆𞤌・𞤼𞥆𞤮〉】
CC【ッチ〈𞤕𞥆𞤋・𞤷𞥆𞤭〉】
TTS【ッツ〈𞤚𞥆𞤅𞤓・𞤼𞥆𞤧𞤵〉】
NN【ンナ〈𞤐𞥆𞤀・𞤲𞥆𞤢〉】
ƝƝ【ンニャ〈𞤙𞥆𞤀・𞤻𞥆𞤢〉】
HH【ッホ〈𞤖𞥆𞤌・𞤸𞥆𞤮〉】
FF【ッフ〈𞤊𞥆𞤓・𞤬𞥆𞤵〉】
BB【ッブ〈𞤄𞥆𞤓・𞤦𞥆𞤵〉】
PP【ップ〈𞤆𞥆𞤓・𞤨𞥆𞤵〉】
MM【ンメ〈𞤃𞥆𞤉・𞤥𞥆𞤫〉】
YY【イヤ〈𞤒𞥆𞤀・𞤴𞥆𞤢〉―イイ〈𞤒𞥆𞤋・𞤴𞥆𞤭〉―イユ〈𞤒𞥆𞤓・𞤴𞥆𞤵〉―イエ〈𞤒𞥆𞤉・𞤴𞥆𞤫〉―イヨ〈𞤒𞥆𞤌・𞤴𞥆𞤮〉】
RR【ッレ〈𞤈𞥆𞤉・𞤪𞥆𞤫〉】
LL【ッラ〈𞤂𞥆𞤀・𞤤𞥆𞤢〉】
WW【ウワ〈𞤏𞥆𞤀・𞤱𞥆𞤢〉―ウイ〈𞤏𞥆𞤋・𞤱𞥆𞤭〉―ウウ〈𞤏𞥆𞤓・𞤱𞥆𞤵〉―ウエ〈𞤏𞥆𞤉・𞤱𞥆𞤫〉―ウオ〈𞤏𞥆𞤌・𞤱𞥆𞤮〉】
VV【ッヴ〈𞤜𞥆𞤓・𞤾𞥆𞤵〉】
ŊŊ【ンカ゚〈𞤛𞥆𞤀・𞤽𞥆𞤢〉】
連字による撥音表記
フラニ語ラテン文字における撥音《ン》の表記は独特な表記となっています。
有声音=濁音の場合は原則的に日本語のワープロ式ローマ字と同じく〈NN・Nn・nn〉で“ン”を示します。
ンガ《𞤛・𞤽》, ニャ《𞤙・𞤻》, ヌン《𞤐・𞤲》, ミーム《𞤃・𞤥》の後にそれぞれの調音と共通している子音字を配置します。
NNG【ンガ〈𞤛𞤘𞤀・𞤛𞤺𞤢・𞤽𞤺𞤢〉―ンギ〈𞤛𞤘𞤋・𞤛𞤺𞤭・𞤽𞤺𞤭〉―ング〈𞤛𞤘𞤓・𞤛𞤺𞤵・𞤽𞤺𞤵〉―ンゲ〈𞤛𞤘𞤉・𞤛𞤺𞤫・𞤽𞤺𞤫〉―ンゴ〈𞤛𞤘𞤌・𞤛𞤺𞤮・𞤽𞤺𞤮〉】[ŋɡ]
NNJ【ンジャ〈𞤙𞤔𞤀・𞤙𞤶𞤢・𞤻𞤶𞤢〉―ンジ〈𞤙𞤔𞤋・𞤙𞤶𞤭・𞤻𞤶𞤭〉―ンジュ〈𞤙𞤔𞤓・𞤙𞤶𞤵・𞤻𞤶𞤵〉―ンジェ〈𞤙𞤔𞤉・𞤙𞤶𞤫・𞤻𞤶𞤫〉―ンジョ〈𞤙𞤔𞤌・𞤙𞤶𞤮・𞤻𞤶𞤮〉】[ɲʤ]
NND【ンダ〈𞤐𞤁𞤀・𞤐𞤣𞤢・𞤲𞤣𞤢〉―ンディ〈𞤐𞤁𞤋・𞤐𞤣𞤭・𞤲𞤣𞤭〉―ンドゥ〈𞤐𞤁𞤓・𞤐𞤣𞤵・𞤲𞤣𞤵〉―ンデ〈𞤐𞤁𞤉・𞤐𞤣𞤫・𞤲𞤣𞤫〉―ンド〈𞤐𞤁𞤌・𞤐𞤣𞤮・𞤲𞤣𞤮〉】[nd]
MMB【ンバ〈𞤃𞤄𞤀・𞤃𞤦𞤢・𞤥𞤦𞤢〉―ンビ〈𞤃𞤄𞤋・𞤃𞤦𞤭・𞤥𞤦𞤭〉―ンブ〈𞤃𞤄𞤓・𞤃𞤦𞤵・𞤥𞤦𞤵〉―ンベ〈𞤃𞤄𞤉・𞤃𞤦𞤫・𞤥𞤦𞤫〉―ンボ〈𞤃𞤄𞤌・𞤃𞤦𞤮・𞤥𞤦𞤮〉】[mb]
前鼻子音表記
フラニ語ラテン文字では〈NⒼ〉や〈MⒼ〉のように鼻子音字が連字でない場合、津軽弁やシンハラ語のように前鼻子音―伝統的な音声記号では上付きラテン文字《ᵑ◌ , ᶮ◌ , ⁿ◌ , ᵐ◌》ですが、国際音声記号では採用されていないため、短音を示すブリーブ《˘》を鼻子音字の上に付加するルールとなっています―を示します。
日本語ローマ字で“かご《🧺》”を表すKago〈𞤑𞤢𞤺𞤮〉[ka.ɡo カゴ]は、フラニ語ローマ字で前鼻子音化発音はKango〈𞤑𞤢𞤲𞥋𞤺𞤮〉[ka.ŋ̆ɡo カンゴ], 鼻濁音化発音ではKaŋo〈𞤑𞤢𞤽𞤮〉[ka.ŋo カコ゚]となり、標準語の“看護《👩🏿⚕️》”はフラニ語ローマ字表記ではKanngo〈𞤑𞤢𞤲𞤺𞤮〉[kaŋ.ɡo カンゴ]となります。
アドラム文字では半角アポストロフィー《'》に似た鼻音化記号をヌン《𞤐・𞤲》と有声子音字の間に付加します。
NG【ンガ〈𞤐𞥋𞤘𞤀・𞤲𞥋𞤺𞤢〉―ンギ〈𞤐𞥋𞤘𞤋・𞤲𞥋𞤺𞤭〉―ング〈𞤐𞥋𞤘𞤍・𞤲𞥋𞤺𞤯〉―ンゲ〈𞤐𞥋𞤘𞤉・𞤲𞥋𞤺𞤫〉―ンゴ〈𞤐𞥋𞤘𞤌・𞤲𞥋𞤺𞤮〉】/ᵑg/[ŋ̆ɡ]
NJ【ンジャ〈𞤐𞥋𞤔𞤀・𞤲𞥋𞤶𞤢〉―ンジ〈𞤐𞥋𞤔𞤋・𞤲𞥋𞤶𞤭〉―ンジュ〈𞤐𞥋𞤔𞤍・𞤲𞥋𞤶𞤯〉―ンジェ〈𞤐𞥋𞤔𞤉・𞤲𞥋𞤶𞤫〉―ンジョ〈𞤐𞥋𞤔𞤌・𞤲𞥋𞤶𞤮〉】/ᶮj/[ɲ̆ʤ]
ND【ンダ〈𞤐𞥋𞤁𞤀・𞤲𞥋𞤣𞤢〉―ンディ〈𞤐𞥋𞤁𞤋・𞤲𞥋𞤣𞤭〉―ンドゥ〈𞤐𞥋𞤁𞤍・𞤲𞥋𞤣𞤯〉―ンデ〈𞤐𞥋𞤁𞤉・𞤲𞥋𞤣𞤫〉―ンド〈𞤐𞥋𞤁𞤌・𞤲𞥋𞤣𞤮〉】/ⁿd/[n̆d]
MB【ンバ〈𞤐𞥋𞤁𞤀・𞤲𞥋𞤣𞤢〉―ンビ〈𞤐𞥋𞤁𞤋・𞤲𞥋𞤣𞤭〉―ンブ〈𞤐𞥋𞤁𞤍・𞤲𞥋𞤣𞤯〉―ンベ〈𞤐𞥋𞤁𞤉・𞤲𞥋𞤣𞤫〉―ンボ〈𞤐𞥋𞤁𞤌・𞤲𞥋𞤣𞤮〉】/ᵐb/[m̆b]