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文通一方通行 雄冬へ

こんにちは。
前回のお手紙から、ふた月ほどもたってしまいました。
「今年の冬は短かった」の声が北から届いております。
4月の頑張りで街中の雪もなくなり、残るは日陰の雪山のみ、でしょうか。
それにつけても日本海に面した地、まだまだ冷たい風が吹き付けていることでありましょう。寒中お見舞い申し上げます。

当地も順調に夏へ道を歩んでいます。
いや。
夏というものは、今や都市部に住む者にとっては負の要素が強くなっています。
コンクリートジャングルだのヒートアイランド。
「順調に歩む」という言葉は正の表現ですから、夏に対して使うのは正しくないかも知れません。
「冬は裸で寝ていたら死ぬけど、夏は死なない」なんて子供時分話したものですが、今や冗談になりつつありますね。
憂うべき事態なのでしょうけれど、研究者の間では温暖化と冷涼化で二分されています。
どうなってしまうのかしらねえ。
愛知では40度近くになり、北海道すら35度を超える日も出ています。

北海道では花粉症がないと聞きますが、あなたはいかがですか?
私には「ハルノユウウツ(春の憂鬱)」と呼ぶ体調不良が毎年きます。
症状としては鼻炎なのですが、アレルギー性っぽく感じています。
花粉症の時期とほぼかぶりますが、雨の日に症状が出やすい、一旦症状が出ると熱が出る、など花粉症と必ずしも合致しない環境下で発症します。
細々説明するのが面倒くさく、「花粉症だよっ!」って言い切ってますが、全然納得していません
そんな気持ちを裏付けとして「春の憂鬱」と呼んでいます。

もう少し続けさせてください、春の味覚について。
たけのこの季節になりました。
当地ではマダケの新芽を掘り起こします。
煮物よし、焼いてよし。
私はフキと炊くのが好物ですが、フキの下処理が面倒です。
あ、フキに限らず、春の山菜はくせ強めだな。
しっかりした太いフキなら良いけれど、ヤマブキと間違うようなフキは、スジを取るのがめんどいす。
昨今老眼が進み、細かいものや色の変化に弱くなってきています。細いフキ、強敵なんですよねー。ついつい大きめに筋を引っ張ってしまい、食べるべきところまでスジと一緒にむしっている。
あゝもったいなや!
鍋に入れてぐつぐつ。落とし蓋をしてぐつぐつ。
粗熱とった後は放置すると、冷めるときに素材の味が出て、入れ替わりに味が染みていきます(たぶん)
今年は細いフキしか入手してなくて、下処理がより面倒なのです。
北海道ではねまがりだけを食すると聞きました。
ありゃてっきりひめだけだと思ってました。
炊き込みご飯には便利なサイズですが、たけのこの楽しみとしては少し種類が違うかもしれません。
それでも春が感じられれば、とってもよろしいことかと思えますね。

あゝ春。
昔そんな映画があったなあ。
長く離れていた父親が突如転がり込んできた騒動をめぐりストーリー。
親父が山崎努、息子が三浦友和だったかな。
最後は愛されて逝くんですよ。
なんかほのぼのして大好きな作品でした。
相米慎二はこの作品を残して間もなく逝ってしまいました。

思いつくままに書き殴ってしまいました。
乱筆乱文甚だしい。
恐縮です。

何か面白いことがありましたらお話しくださいね。
気も首も長くして、のんびりお待ちしております。
ではまた。
春のよき日をお元気でお過ごしください。

令和5年5月朔日。

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