刑務所のルールブックがよすぎた
メジャー行きが確定していた野球選手がアクシデントにより刑務所に入ってしまう、というストーリーなので、
「重いんだろうな」
とか
「刑務所だし嫌な奴らばっかりなんじゃ」
という懸念があったり、
1話1時間半の全16話という長さなので、なかなか再生ボタンを押せずにいました。
だけど、主演のパクヘスさん好きだし、いつかは見ないと思っていて
まとまった時間があった年末年始から見始めました。
見始めてみると1話からフルスロットルで面白いわけじゃなかったけど
(失礼)
話数を重ねるごとにどんどんと引き込まれていくような感覚でした。
序盤は主人公のジェヒョクさんがあまりにも不憫で不運でかわいそうでしたが、周りの人の支えがあって腐らずもう一度野球するため奮闘するところはすごくよかったです。
最初思っていた印象とはずいぶんと違う作風でした。
まず、全然重くない。
刑務所が舞台だからある程度しんどい気持ちになるかと思ってたんですけど、全然そうでもなかったです。
ジェヒョクさんは作中、国民的スターなのでいろんな人に目を付けられるのですが、それをいろんな協力を得ながらクセモノ揃いの刑務所で生き抜いていく様をコメディタッチで描かれます。
声出して笑うシーンもめちゃくちゃ多くて気負うことなく見れました。
あと思ってたより嫌なやつが出てこない。
ジェヒョクさんの邪魔をしようとする奴は出てくるんですけど、思ってるより多くない。
囚人さんも刑務官も基本時にはジェヒョクさんの味方だったので、
(というか、おそらくみんな有名人で浮足立ってたのかも笑)
理不尽な悪意に対面することが少なくて余計なストレスなく見れました。
「刑務所のルールブック」の話をするとき、はずして話しすることができないほど、印象的な人がいました。
それがペン部長。みんな大好きなペン部長。
私は初めましての俳優さんだったんですが、悪役が多い方だそうで。
今回は囚人からも視聴者からも愛される刑務官役でした。
ペン部長は強面なうえに口が悪いので、第一印象はよくないのですが、
回数を重ねていくごとに本人のかわいらしさや、囚人に対する考え方や接し方が分かっていって、どんどん好きになっていきました。
口は悪いし愛想もないし囚人とも喧嘩したりするのですが、反面、囚人のことを一番に考えていて、社会に復帰して二度とここに戻ってこないように一生懸命お仕事していて、刑務所内では人間扱いされないことが多い囚人たちを唯一人間として接していた印象です。
だからなのか、囚人たちもペン部長をすごく信頼していますし、とても頼りにしていたようです。
ペン部長の人柄をよく表していて、すごく印象的だったシーンがありました。
それはある囚人がお姉さんへ面会に来てほしいとお願いするシーン。
何度頼まれてもペン部長は「絶対やらない」とつっぱねていて、見かねたジェヒョクさんの親友、ジュノが代わりに連絡を取るのですが、
「ペン部長にもお伝えしてますけど、絶対行きません。」と言われました。
ペン部長は既にお姉さんに何度も連絡していて、そのたび断られていました。
それを知ったソン担当が
「何で罵倒されながらも何度も連絡するんですか?本人にそう伝えれば済む話でしょう?」
と尋ねると
「会いに来てほしいと願う人に嫌われているとわかったら生きていけるか?
それに俺は罵倒されるのに慣れてるんだ」
ぺ、ペン部長~~~~~~!!!!!!!素敵すぎる…!!!!
囚人が立ち直ってまた社会に復帰できるなら、憎まれても罵倒されても囚人のために奔走する姿はとてもかっこよかったです。
そりゃみんな大好きなわけだ。
ただ、ああいう性格のせいで上層部やジュノの好感度は低めな様子。笑
ペン部長ももちろん外せないけど、個人的にはミンチョルさんなしにはこのドラマは語れません。
釜山では名前を知らない人はいないほど有名なやくざだったミンチョルさんですが、服役することになる事件がきっかけで、すっぱりとやめたようです。
ジェヒョクさんと同室で房内は勿論、刑務官内での評判もよくペン部長もミンチョルさんを信用していたようです。
大きい体に似合わず園芸班に所属していて、花言葉にも詳しく
長い服役期間に50以上の資格を取ったり、TOEICでは700点台をマークするなど優秀ぶりも垣間見えました。
ミンチョルさんのお話で非常に印象的だったのは10話。
この回はのちのち思い出し泣きをしてしまうほどの神回でした。
もともと兄貴肌だったので、同室になった若いチンピラたちの面倒を見ていたようです。
だけど、どれほど面倒を見ても、「面会に来ます」といって出所していった人たちも誰一人として面会に来ることはありませんでした。
ミンチョルさんもいつしか期待などしなくなっていたある日、久しぶりの面会人が来て…。
この先は見てほしいので言いませんが、私はこの回がすごくすごく好きだったし、今書いている間にも泣いてしまいそうなくらいです。
基本的にはコメディタッチで描かれていくのですが、泣かせに来るときは
本気で泣かせに来ました。
10話と最後2話はほとんど泣きながら見てました。
余韻が長く続くドラマだと思います。
2上6のみんながわちゃわちゃじゃれてるところを見るのが好きだったので、
ひとり、またひとりと出所したり移送されたりして減っていくのは寂しかったですけど、全員が出所した後、また集まってお酒を飲みながらわちゃわちゃ遊んでるといいなぁ。
ちょっと難しいかもだけど、、ヘロイン、、、なんで、、、。
ヘロインの最後はやるせなかったなぁ。
もうひとひねりあってくれと思ったけど、願いかなわずでした。
改めてクスリの怖さを思い知りました。
OSTもよかったです。
メインテーマは中毒性があってぐるぐる聞いても飽きません。
これに限らず、多くの楽曲がラップ調になってるのは結構新鮮でした。
かっこいい曲が多いし、インストVerも作品の雰囲気にマッチしていて好きでした。
このままだとOSTを買ってしまいそうです。
(私が登録しているサブスクでは配信されてないので…)
次は何を見ようかと迷っているのですが、同じ製作陣で本作のカメオ出演も多い(らしい)賢い医師生活を見ようかな。
フィルマークスの感想を見ていると刑務所のルールブックが好きな人は賢い医師生活も好きらしいので、外れることはないかなと。
そもそも本国ですごいヒットした作品なので、外れはないでしょう。
でもいまはもう少しだけこの何とも言えない余韻に浸っていたい。。。
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