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レジデンツ〜世にも奇怪な音楽

レジデンツを説明するのにどう表現したらいいだろう。
なにせ正体不明ということがバンドコンセプトのような連中なのだ。本名や顔も明かさず、決まった音楽スタイルもない。だけど、魅力的なのだ。

僕がクラゲナスを始めた当初、彼らのようになりたいと本気で思っている時期があった。
そのつかみどころのない、それでいて実験精神に溢れ、百面相のように作品によってコンセプトを変えるスタイル、目玉のおやじのようなビジュアルイメージも相まってそのミステリアスな存在感に惹かれていた。

彼らの作品を全て聴いたわけではないが、レジデンツを紹介するのに最適なアルバムといえばまずはやはりこのアルバムだろう。
『エスキモー』だ。
レジデンツの変態性、際立ったシュールな世界観、ここにありである。
なぜ、エスキモーなのかはわからないが、エスキモーの生活を映しとるような音世界を構築している。
セイウチの狩り、儀式、吹き荒れる雪、エスキモーを取り巻く色々な音や世界観が音楽作品として構築されている。
しかし、繰り返し言うが、なぜエスキモーを題材にしたのかは分からない。笑
その謎というか、シュールさがこのアルバムの面白さでもある気がする。

僕は、このアルバムを実際に聴く前にいくつかの名盤カタログ系の本でこのアルバムを紹介されているのを読んでいて、そこからのイメージでは、環境音楽的で、音楽そのものよりもコンセプトが先立つ現代音楽みたいなものなのかなと想像していたが、ところがどっこい、音楽もカッコ良かった。
なんともミステリアスで怪しい世界観が絶妙なPOPさと共にそこにある。
ちゃんと音楽としてカッコ良い、それが嬉しい誤算だった。

レジデンツは他にもカッコ良いアルバムはいくつもあって、特に初期は個人的に好みで、ファーストアルバムの『ミート・ザ・レジデンツ』は傑作だと思う。
さまざまなコラージュだったり、実験的なサウンドが、絶妙にミックスされて繋がれていく、アート感溢れる前衛ロックとしてめちゃくちゃ良くできている。
純粋に音楽だけで言えばこのファーストが一番好きかもしれない。
ジャケもビートルズのアルバムのジャケをあからさまにパクったものでありながら、音楽がキレキレでカッコ良いから、ビートルズフリークの自分でも全然許せてしまう。

しかし、こういう、変態的な音楽が生まれるのも、パンク〜ニューウェイブの音楽的に動乱の時期だからこそだと思う。この時代の音楽は際立って個性的な音楽が本当に多い。

なんか変態的な音楽ないかなー、って探している方は是非レジデンツを聴いてみてほしい。

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