今月気になった音楽 9月編
今月気になった音楽 9月編です。
いつかの反動か今月は広義のジャズ多め!
その筋の方にはお待たせしました~!
ジャズ的な何か
そもそも見つけ切れていないことが多くてリリースに左右されることが多い当シリーズですが、
尊敬してる音楽家の大作が続々リリースされててワクワクでした。
その中でも3つ。私が只のドラマーでいられないと考えるようになった三者の音楽家の新作がハチャメチャに良かったのでご紹介します。
Makaya McCraven
ドラマーとしてもプロデューサーとしてもビートメイカーとしても大尊敬してるMakaya McCravenの新作『In These Times』 大傑作でした。
内容としては誉め言葉の語彙としてはよくある、違和感なく展開される変拍子…ではなく『変拍子を心地よく聴かせるプレイとエディット』といったところ。一歩先行ってる感じ。
フィーチャーされているハープが夢見心地にさせてくれます。
昔の劇伴を聴いているような懐かしさが変拍子とサンプリングによって異化されてどこにもない音楽になってます。
限りなくジャズでなく、でもジャズだとしか言えないサウンド。
まさしく広義のジャズだと思う。これはぜひ聞いてほしいです。
インタビューはこれが詳しいです。
Snarky Puppy
こちらは約束された名盤といったところでしょうか。
Snarky Puppyのライブ録音アルバム『Empire Central』う~ん、最高。笑
ジャンルとしてはもう〇〇的だ~とかは考えず演奏力化け物インスト音楽集団だと認知してます。強いて言うならやっぱりゴスペル的?
リテイクしまくったレコーディングじゃないのってくらい全ての演奏がバチバチにハマっていて上手い。凄すぎると人間は笑ってしまいますよね。
アルバムは1時間40分ほどのはずなんですが、初聴時にはあまりの完璧さに気づけば最後の曲になっていて驚きました。
実際のレコーディングの様子はyoutubeで確認できます。
Shaun MartinのTalkboxでのプレイの大ファンなので動画はこれをチョイス。
今となってようやく分かり始めていましたが、この編成は録音するのも大変ですよね。各々のプレイの分担を見ながら制作的に発見する部分も大きく、言葉としてはあべこべですが、人力DTM?的に参考にもしたいです。
Martha Kato
カバーもするくらい大好きなピアニストのMartha Katoさんも新作出してて心から嬉しかったです。作風としては多管のいわゆる『ラージアンサンブル』をメインにしていて、さらに本人もやられるボイスの使い方が本当に上手くて美しいです。この曲で言うとアウトロの展開が解けた部分なんかはそんな特徴が聴いて取れると思います。
ラージアンサンブルを最初に意識し始めたのはこの方の影響かも。
この曲で打楽器全般を演奏されているKeita Ogawaさんは先ほどのSnarky Puppyでも演奏されていて、私が最も尊敬する打楽器奏者の一人です。
本人出演のドキュメンタリー。
豚の鳴り物を使ったプレイなんか面白いですよね。笑
良く楽器の改造や自作して自分のボイスを作っていて憧れます。
パーカッションはより自由だからかもしれません。
同じような系譜で言うと、仙台出身の秀才ピアニスト、アレンジャーの秩父英里さんのアルバムもきっちりした編成のラージアンサンブルで最高でした。おすすめです。
ボカロ色々
9月はボカロでもジャズ聴きましたね。
#VOCAJAZZフェス2022 開催されていました。
私は準備不足で諦めた身なので参加作品はせめて全て聴きました。
聴き方や好みがオタク寄りらしい(友人談)ので、VOCAJAZZの『コード』みたいなものを感じ取れたらいいなと思いましたが、まぁ十人十色で。笑
やっぱり歌が乗る前提のコンポジション、『プログラミングでの』ジャズ、音響空間のバランスetc…全然違う中でも色んな回答があって勉強&やる気に繋がりました。次回があれば必ず…目下制作中です。
オススメ作品は私のツイートのリプからどうぞ!
素晴らしい企画をありがとうございました!
最近『東京大学「ボーカロイド」音楽論』という本を読んでいます。
私はボカロ世代ではありますがその時々でハマっていたり、どちらかというと「歌ってみた」「演奏してみた」を聴いていたタイプだったので
俯瞰して現在までの流行の作品を聞いたことは無く縦断的にボカロを取り扱うこの本はその点で興味深いです。
(語りの臭さは似たような講義の先生を思い出しつつw)
その中でも昔から今までトップランナーとして走り続けているDECO*27さんの作品を改めて聴いています。これはまた登場Taku Inoueのリミックス。
Mikadeさんも新作出してますね。このなまった感じのラップが面白い。
よく考えたらボカロはGUMIなんですね。今となってはかなり珍しいし、あんまりGUMIにこういう曲調を歌わせるのメジャーではないイメージがあるので何故GUMIなのかは聞いてみたい。
これはちょっとボカロとは違いますが同じ枠で聴いてて衝撃的だった曲。
ボーカルの感じも含めて歌ってみた的なものだと認識してるのかも。
クレジットは『作詞・作曲:Q-MHz 編曲:Q-MHz, eba』
Q-MHzは畑亜貴、田代智一、黒須克彦、田淵智也とかいう化け物プロデュース・チーム。(4人で合計何枚CD売りましたか...?)
ebaさんは初めて知りましたが、にじさんじお抱えの作家さんのように見えて、あの今期最強鬱アニメ「メイドインアビス」二期のOPも手掛けていらっしゃいますね。
全編アレンジが冴え渡っていますが、最初のバッキングから既に感じる天才性。
ディレイから4つに戻すことでドロップへの推進力をつけるの上手すぎて。
キックの三連との組み合わせもそこしかないって感じだし。
バリエーションから基本形、パクります。笑
ラジオ
最近ラジオを聞くようにしています。J-WAVE一本。
個人に最適化されたアルゴリズムは聴くだけにはいいですが、製作上は視野が狭くなるのが良くない。そこから逃れるのを期待してます。
といいつつも、一つ目に上げるのはPaJaUMiの新作なんですけど。笑
「パジャマで海なんかいかない」は元YASEI COLLECTIVEのKey別所さんのソロプロジェクトで、編成としては2ボーカル+トリオのR&B形態。
知らない曲流れてきて急いでShazamしたら彼らで、好みは変え難いなと実感しました。笑
それはそうと曲はずっといいので是非。ポップで聴きやすい。
Ryu Matsuyamaは基本ピアノトリオ+ボーカルの私にとって慣れた編成だったのでハマりました。中でも優河を迎えたkidの響きにやられました。
ツアーにも帯同するらしい。予定が合えば…ぐぬぬ
新譜の中だとTENDREやRyohuの新作もこれと並ぶあったかさがあって好みでした。音楽的な刺激ってより、歌詞の良さがあるかも。
Penthouseは名前だけ知っていたもののラジオでやたらうまいピアノが聞こえてきてハマり。調べたらピアノのメンバーはCateen、つまり角野 隼斗。
そりゃ上手いよねw
ツインボーカルにギターにピアノがレギュラーメンバーなので中音域の分担の仕方が勉強になるかもと思い、コピー候補です。
Spotifyのカバーとかで見た顔だったんですが聴く気になれずにスルーしてしまってたao、正直好きでした。笑 先入観だめ。
プロデューサーはYaffleで安定感ありますね。
イケてる人にはだいたい一枚噛んでるイメージ。
adieuの新作もYaffleでしたし、ちゃんと追わないといけないです。
先入観という意味で言うとyamaもそうでした。遂に出会いました。
あれだけ『春を告げる』が歌われすぎていたものの本人のverは聴いたことが無かったです。ビジュアルはずっと男性だと思っていたし。笑
動画はWith ensembleという別チャンネルですが、全部良いので紹介。
ミックス的にも無理がなくて参考にしてます。
おわりに
あとはベースミュージックのサブジャンルとしてのFutureCoreとかBreakCoreを塊としてプレイリストで聴いていました。
私は互換性とか汎用性とかを考えながら曲を作るしミックスもしますが、それだけでは辿りつかない音がするのが新鮮だし魅力。
気持ちよくなるまで重ね、広げ、ぐちゃぐちゃにすることも覚えたいです。
この分野に限らないことかもしれませんが、言葉だけを借りると
「真実はなく、許されぬ事などない」といつも思います。
音楽さえ良ければ。全部良さに寄与すること。
そこそこ量書くことになりましたけど、これでも泣く泣く削ってるので
9月はすごい月でしたね…
三連休もあるのでゆっくり読んでもらえたら嬉しいです。
大きな波が落ち着き、気候も遂に秋めいてきたようです。
このシリーズがお出かけや制作の役に立てば嬉しいです。
私もインプットに負けないようなアウトプットを作りたい。
お互い頑張っていきましょう。
よんでくれてありがとう。