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電動キックボードでひらくまちの可能性


電車やバスで数駅くらいの微妙な距離を埋める乗り物「電動キックボード」。すでに海外ではアメリカやヨーロッパを中心に広まってきています。

以前には、北欧視察レポートにてフィンランドとデンマークの電動キックボードについてレポートを書きました。

現在の日本では、電動キックボードは原付バイクと同じ扱いになっています。そのため免許が必要で、かつ車道を走らなければいけません。

しかし、今後法整備が進めば国内でも気軽に利用できるようになるでしょう。

そこで今回は、前回のnoteを踏まえて電動キックボードの魅力と可能性を探ります。

電動キックボードとは?

電動キックボードとは、時速20㎞程度で移動できる新しい乗り物です。見た目はキックボードと似ていて、乗り方も同じです。

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アメリカやヨーロッパを中心に展開している米新興企業Limeはすでに海外100都市以上で展開しているなど、海外の都市では身近な存在となっています。

特に注目されているのは、好きなときに借りて使うことができる電動キックボードのシェアリングサービスです。そこで、今回はシェアリング方式の電動キックボードについて見てみることにします。

電動キックボードの3つの特徴

①どこでも手軽に乗れる
現在一部の地域で運用されているシェアサイクルのような方式であれば、持ち歩く必要もなく好きな時に利用することができます。
また、電動キックボードは上に立つだけなので、またぐ必要のある自転車などとは異なり服装を気にせずに利用することができます。

②お財布にやさしい
例えば、Limeはロックの解除に1ドル、その後1分ごとに15セントで利用するシステムとなっています。2㎞程の距離であれば約250円で利用することができます。これはタクシーで移動する場合と比べて約3分の1のコストに相当します。

③静かで排気ガスの排出がない
充電した電気を動力に走る電動キックボードは、排気ガスの排出が無いため周囲の空気を汚しません。走行時に静音であることも周囲の環境にやさしいポイントです。
これらの観点から、電動キックボードの普及によって都市環境の改善が期待できます。

CO2排出に関する議論

電動キックボードはバイクに比べてCO2排出量が約20分の1とされています。

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/mobility/pdf/001_05_03.pdf

ただし、電動キックボードが環境に与える影響に懐疑的な意見もあります。
その理由には、電動キックボードを利用する人の多くは自動車ではなく徒歩や自転車の代わりに利用していること、電動キックボードが低寿命であること、充電のために電動キックボードを回収する際にエネルギーが必要なことが挙げられます。

上の記事でも言及されているように、電動キックボードに対するイメージはグリーンウォッシュ(一見環境にやさしいように見せかけているだけであること)である可能性もあります。
実際的な環境への影響は電動キックボードの管理システムや利用方法も含めて検討する必要がありそうです。

使用例

・日常の生活でつかう
 家から駅まで、最寄のスーパーまで、オフィスまでの道のりを電動キックボードで移動すれば、渋滞なくスムーズに動くことができます。
 バイクや自転車よりも手軽に乗り降りができるので、たまに寄り道したり、気になる店まで足を伸ばしたりすることもできます。

最近はパリコレでファッショニスタが利用している場面もニュースになりました。

・旅行先でつかう
 歩きでは少し遠いし、バスの本数も少ないような旅先の場所を、電動キックボードで移動するのもおすすめです。目的地までの街並みも楽しみながら移動することができます。気に入った風景があれば足を止めて写真を撮ってもいいですね。

今年2月には、宮崎県日南市にて観光客向けの実証実験が行われました。
電動キックボードが整備されることによって、公共交通機関の少ない地方部の移動手段を確保することも期待できます。

国内の実証実験と今後の展望

国内ではすでに実証実験がいくつかの都市で行われています。国内での普及を目指すLuupは、昨年4月に5自治体との連携協定を締結するなど、本格的な動きも生まれてきています。

Limeは昨年9月に福岡市での実証実験を行い、将来的な日本展開を目指しています。

公共交通機関よりも手軽で自由、徒歩よりも楽で速い電動キックボードを使えば、今までの生活では手の届かなかったまちにも行けるようになるかもしれません。観光効率の改善や、アクセスの悪いエリアへの人の流入も期待できます。散歩するようにまわってみるとまた新しい楽しさがありそうですね。

今後の国内の法整備に期待しつつ、私たちquodとしても新たなまちの楽しみ方を提案していこうと思います。

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