松本山雅が“裏”新体制発表を開催。2021シーズンはぜひ、「二推しに山雅」を!
Jリーグの“風物詩”ともなっている、新体制発表会。quod,LLCが事業PRパートナーを務める松本山雅FCは1月11日、「2021松本山雅FC新体制発表会」をリモート開催しました。
同日、初の試みとしておこなわれたのが「“裏”新体制発表会」です。
苦しい時も、うれしいときも、ホームタウンである松本市とともに歩んできた松本山雅。2021シーズンの地域との取り組みや、クラブが目指す地域とのこれからの関係性などが発表されました。
◆地元に密着してクラブを作っていくこと
松本市内にあった小さな喫茶店「純喫茶山雅」から始まった、松本山雅の歴史。喫茶店の常連客だった国体サッカー長野県選抜メンバーが集まり、1965年、現在の松本山雅FCの前身となる松本山雅フットボールクラブが結成されました。
2001年に、現在のホームスタジアムである「アルウィン」が竣工され、翌年、日韓W杯のキャンプ地になったことも追い風に。2004年、NPO法人 アルウィンスポーツプロジェクトが発足し、6人のサポーターとともにJリーグ参入を本格的に目指し始めました。
松本山雅の歴史は、こんな感じで始まりました。
地域のサポートを受けて成長してきたクラブだからこそ、「地域がチームを強くする、チームが地域を良くする」ことを信じ、「地域に還元する」ことにこだわっています。
“裏”新体制発表に登場した、同クラブを運営する株式会社松本山雅の代表取締役社長・神田文之さんは、以下のように話しました。
クラブが得た利益を地域を含めた社会のさまざまなところに還元し、クラブも強くする“サイクル”を作っていきたい。そのためには、地域のみなさんのお力も借りながら、サイクルをもっとぐるぐる回していく仕組みを作りたい
Jクラブの中で、サポーターが熱いチーム、地域と一体になって強くなるチームは他にもある。支援をもらうところまではどこのクラブもやっているが、それを地域に還元して、またクラブに戻してもらうというサイクルを成功しているチームはなかなかない。私たちのホームタウン活動は、Jリーグの中でも高い評価を得てきたと実感しており、今季も新たな取り組みで、一つのモデルケースを体現したい
そこで、2021シーズンは3つの軸「農業」「観光」「教育」を掘り下げていくことに。次のステップへ進むためのビジョンが発表されました。
◆【農業】青大豆の商品化で、地域還元のサイクルを
2018年にスタートした「スマイル山雅農業プロジェクト」では、市内の遊休農地を活用し、ホームタウン活動の一環として「あやみどり」という青大豆を栽培しています。
遊休農地のほかにも、後継者が減っているという課題も。同プロジェクトでは、クラブのユースアカデミーの『人間教育』の一環として、アカデミージュニア生との種まきなどの食育もおこなってきました。
▼2020年11月、青大豆をブランド化
コロナ禍でイベントを実施することが難しい中、ブランドを作ることで地域外にも松本山雅の思いを届けようと、昨年11月に松本初の食品ブランドとなる「あやまる」を立ち上げました。
地域の人に知ってもらう。サポーターに食べてもらう。買って、応援してもらうことがさまざまな課題の解決につながると考え、今年3月には、商品化、販売を開始しました。
▼将来的に目指すモデル
地域、サポーター、多くの方に購入してもらい、松本の子どもたち、協力農家、障害者サービス事業所、アカデミー育成費として還元していきたいというビジョンを描いています。
・流通に乗せる
・食育を通して、地域の子供たちに貢献
・生産エリアを拡大
こうした取り組みを通して、「地域で作ったものを、地域に還元できる仕組みに成長させていきたい。地域が抱える課題解決につなげたい」と考えています。
◆【観光】松本山雅ジャーニーで、地域に触れるきっかけを
松本山雅では、2019年からquod,と共同で「松本山雅ジャーニー」をスタートしました。ホームゲームで対戦相手のサポーターを“おもてなしする”という企画です。
県外からアウェイサポーターを含めた観戦者が地域に訪れます。これは地域の「可能性」である一方、現状は、県外の観戦客は試合観戦だけのために訪れ、駅前のホテルに宿泊し地域の魅力に触れることなく帰るケースが多く見られました。
そこで、試合をきっかけに松本に足を運んでくれた方々に、もっと地域の魅力に触れてもらうため、地域全体で県外からの観戦客をおもてなしするオリジナルツアーを企画しました。
2020年は、コロナ禍でできることを模索しながら進めてきたこの企画。2021シーズンは、「試合観戦にくる人と地域をつなぐきっかけ」を作ることを目指していきます。
▼「松本山雅ジャーニー」が目指すもの
・いろんな地域の魅力に触れるきっかけ
・・・ツアー化することで名所だけでなく様々な地域に触れてもらう
・隠れた地域資源を積極的に活用
・・・実際の体験を通して活用のカタチや可能性を一緒に検討していく
・地域の関係人口を増やす
・・・地域が特別な存在になることで松本山雅にも興味を持っていただく
▼「松本山雅ジャーニー」今後の展開
・ホームタウンとして提携する他の地域でも実施
・・・地域の特色を活かしたツアーを企画・発信していく
・地元企業の協力も呼びかけて体験コンテンツを充実
・・・地域の魅力×地元企業の魅力を伝える仕組みに
・PRを強化することで松本山雅ジャーニーを通して
・・・地域外の方々へ、地域の魅力が伝わる仕組みづくり
今後は松本以外のエリアにも取り組みを拡大していく計画で、2021年は、すでに2カ所で準備中です。
◆【教育】4つのスポーツ団体による“バルシューレ”で、人を育てる
子供たちにやりたいスポーツを見つけてもらうことを目的に、地域のスポーツチームが連携した「バルシューレ」に力を入れています。
地域のプロスポーツチーム4団体──松本山雅、ボアルース長野(フットサル)、信州ブレイブウォリアーズ(バスケットボール)、VC長野トライデンツ(バレーボール)が協業し、さまざまなスポーツを楽しめるマルチスポーツ教室などを開催しています。
▼「バルシューレ」が目指すもの
・自然とスポーツを活かした教育環境
・・・豊かな自然があって、思いっきり運動ができる。
この地域だからこそできる子ども達の活動環境をつくりたい
・地域として子ども達の選択肢を広げる
・・・“スポーツが楽しい”と知ってもらうことで子どもたちに様々な選択肢を用意できる
・スポーツに関わる人材を育てる
・・・スポーツに関連する仕事をやってみたいと思える子ども達を増やしたい。選手やクラブで働くというだけでなく、クラブを応援したいと思ってくれる人材を地域として育てる
▼「バルシューレ」今後の展開
・教育機関と連携し、学校の授業に
・・・興味を持った子ども達がさらに体験できる場を設けるなど、より良い環境をつくっていく
・活動自体が地域に定着するように育てていく
→「松本で育つ子ども達は運動が好き、運動能力が高い」自然・スポーツを地域の魅力にし、移住・定住者につなげる
・バルシューレについてより研究し、その価値をPRしていく
「人生を変えていく力が、スポーツにはある」
松本山雅は、小さい成功体験の積み重ねが、スポーツ以外の自信にも繋がると考えています。
◆新プロジェクト「二推しに山雅」
2021シーズンにスタートする新プロジェクトが、「二推しに山雅」です。
「松本山雅の取り組みが面白いから試合に行ってみたい」
「地域との関係性が好きだから、一番ではないけど応援したい」
地元に住んでいる人、地元出身者だけでなく、Jリーグファンが、全てのサッカー好きが「応援したい」「松本に行ってみたい」と思えるようなチームを目指していきます。
【農業】【観光】【教育】の取り組みを中心に、クラブに、そして松本という地域を特別に感じてくれる人を増やし、サッカーチームが、Jリーグが、そして、プロスポーツが生み出すことができる地域への価値また、その可能性にチャレンジしていきます。
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神田さんは、“裏”新体制発表の最後にこう話しました。
まずはホームタウンに広げていきたいし、サイクルを大きくしていきたい。その上で、チームを強くすることにつなげられるかどうかがチャレンジ。大変なことだと思うけど、これからの肝になる気がしている。
事業以上の意義があること。このままでも素晴らしい取り組みだけど、クラブを強くする、ということに踏み込んでいくことが今後の成長のためには必要かなと思う
2021シーズン、松本山雅とquod,の新たな挑戦、ぜひご期待ください