見出し画像

無様でも、不安でも、そのまま行こう。

ここ何日か、春を通り越して夏を迎えたようだ。外で少し作業をしようものなら、汗でいっぱいになる。涼しさを求めて土間のある古民家へと帰る。氷でも敷かれているのだろうかという冷気が体を包みなんとも気持ちがいい。家に入るだけで幸せを感じられる季節になったのか、となんだかしみじみ。

先日、隣町の竹田にある知り合いのお店に夕飯を食べに行った。そんなにお金もないので、久しぶりの外食だ。メニューを見ながら「何にしようかな〜」とよだれタラタラになるももちゃんと僕。僕は大好きなハンバーグに。ももちゃんは、お店伝統のチキン南蛮を頼んだ。

数分経った後、目の前に料理が並ぶ。うーん!そそられる匂いだ。ゆっくりとジューシーなお肉に箸を入れ、ゆっくりと口の中へほおばる。うまいぞ。つなぎにボソボソ感が全くなく、驚くほど滑らか。噛もうとしても、飲み物のように喉を通っていく。お互いに、ペロリと食べ切ってしまいあっという間に食事を終えた。

「どこのベンチャーに転職したの??」

僕がLAMPをやめたことを知っていた店主が、次は何をするのか気になったのだろうか。突然に切り出す。

「いやいやwベンチャーには転職しないですよ!今度、おひさまのたまご土曜部のスタッフになって本格的に活動させるんです!」

「えっ?」という表情になる。俺はどんな風に思われていたのだろうか…。「いやお前には無理だろ!」という言葉がパッと頭に浮かび、途端に美味しかったご飯のことも忘れ、防衛本能がスタンバイする。

「そういうの好きだったんだね〜いやーてっきりゴリゴリのベンチャーの転職したのかと思ったよ!いそうじゃん!」

なんとも拍子抜けした。防衛本能はどこへやら。しかし、ゴリゴリのベンチャーにいそう、ってどんな人なんだろうか。サッカーをしていたから、ゴリゴリの体育会系という意味なのか。ちなみに体育会系は大嫌いだ。

「なんか顔つき変わったよね。イキイキしてる。」

急に言われたので、もしかして気を遣って言ってくれたのかな、などと一瞬思ったが、相手の考えていることをコントロールすることはできないので、ここは素直に受け取ることにしてみた。

なんだかジワリと嬉しいという感情がカラダをめぐる。

・チャレンジせずに安定した生活を続けた方がいいのではないか
・チャレンジしていない自分はもっと嫌いだ
・安定しながらチャレンジしたらいいじゃないか

そういえばと、こんな思いがふっとした瞬間に頭の中を埋め尽くしていることを思い出す。

できることなら安定とチャレンジを同時並行できるようにしたい。しかし昔から、一つのことに集中すると他のことができなくなる。最初は頑張って安定とチャレンジというものを同居させようとするが、いつも失敗した。

しかし、いままでと違ってももちゃんと生活を共にしている。旅をしていた時のように自分だけが暮らしていければ良い訳ではない。チャレンジする前というのはいつも不安に襲われるものだが、今回は特に深く暗い。だからだろうか「顔つきが変わったよね。なんかイキイキしてる。」という言葉が余計に嬉しく感じた。これでいいのだと、何か自分に許可を与えることができた気がする。

無様でも、不安でも、そのまま行こう。

と、ちょっとルンルンな気持ちで家路についたのでした。



サポートしていただいたお金は、今後の活動資金として使わせていただきます!