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墨色の海の底で 8
「ふーん。そーんなに僕と行くのが楽しそうだと思ったんだ」
「ちがっ別に…なんか、むかついたから?あんなクソ学校に「はいはいはい、行くよ」」
「えっ、ちょっと待って」
「ここーっ」
ゲーセン、私が彼女といつも来ていたお気に入りの場所。
「あっもう!痛いってば」
「とりあえず…クレープ食べたいな」
「いや、ゲーセンに来たらふつーゲームが先でしょ」
「お腹すいた」
「あっそ…じゃあ私先にゲームしてる」
視界が真っ黒になった。彼の左手が私の両眼を覆ったから。
「やめて」
そうして彼は私の涙を拭った。
「…僕も行くよ」
「そっ…。じゃあ今日は遊びまくってやる!」
ゲームを一通りやって気づいたこと。彼はゲームが弱すぎるらしい。
「ほんっと弱いね。よくもそれで私をここに誘いましたね」
「強すぎるんだよ、君が」
「ははっ舐めんなし」
「なんかお腹、すかない?」
「うん、すいたね。どっか食べに行く?」