「なぜ山/

そこそこクイズをかじっている人間なら簡単にわかる問題であろう。

解説するまでもないと思うが答えは「ジョージ・マロリー」である。

問題全文は「『なぜ山に登るのか』という質問に対し、『そこに山があるから』と答えたことで有名な登山家は誰?」である。

ここではいわゆる「手垢のついた問題」すなわち「ベタ問」に対する私の見解を綴っていこうと思う。

「本名を間黒男/

これもかなりのベタ問だ。

答えは「ブラック・ジャック」。

問題全文は「本名を間黒男という天才外科医が主人公である手塚治虫の漫画は何?」といったところだろう。

このようなベタ問は、競技としての早押しクイズを嗜んでいるものにとっては有利であるが、知識はあるが早押しクイズの経験がないものにとっては不利である。

それゆえに批判されることもしばしばである。

しかしながら、私はこのベタ問こそが早押しクイズの魅力だと思っている。

クイズというものに関して言えば、知識は絶対的な力である。

基本的に知識が多ければ多いほど強いのだ。

そんな事情のなかで「ベタ問」は知識的弱者が知識的強者に勝つための武器であるといってよいだろう。

それに、読み上げ開始直後にボタンが押されるのはエンターテインメントとして、とても「映える」。

では締めにもう一問。

「おい地獄/

答えは「蟹工船」。

全文は「『おい地獄さ行ぐんだで!』という書き出しで始まる、小林多喜二いよるプロレタリア文学の代表作は何?」となる。

ここであげた3問はベタ問なだけあって答自体は良く知られているものである。

だからこそ一般の人間にも受けがいい。

クイズとエンターテインメントはもはや切っても切り離せぬ関係である。

我々クイズプレイヤーはそのことを常に意識し、利用していく必要があるのだ。