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文章を上手に書ける人は好きですか?

こないだ年上の女性編集者と飲んでいるときに、「好きな人、付き合う人ってどうやって選ぶの?」と質問された。

「3つ考えて!」とのことだった。「いやー、そういうの毎回決めてるわけじゃないっすからね〜」とかなんとか言って、本当にないなあ、浮かばないなあ、と思った。いわゆる異性の「好きなタイプ」というのはあまりない。

なんとかひねり出した答えのひとつは「目の離れた人」。こう答えたのは、これまた別の(今度は年下の)古くからの友人である女性編集者に言われたことがきっかけだ。

「自分さ〜、好きな芸能人、目の離れた人ばっかだよね〜」、たぶんこんな感じで言われて、たしかに、と思った。他のふたつは忘れた。本当に仕方なくひねり出したものだったんだと思う。

次に、「じゃあ、4つ目は?」と聞かれた。

質問された瞬間に「うわっ、『4つ目が本当にあなたが求めている好みです!』ってことか〜」と思いつつ、瞬間的に頭に浮かんだのは「文章を書ける人」ということだった。

ここでの「書ける」は、ただ書けるだけではなくて、抜群に上手で、「この文章いいなー」って心の底から思えるような人でなければならない

そもそもいつも飲みにいく人は、そのほとんどが編集者かなんらかの文章を書いている人だ。男女問わず。だからここでは恋愛観みたいな話をしているようだけど、実際は人間観の話だ。

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一応断っておくと、自分の恋愛観を披露したいわけではない。ただ、みんなに聞きたいことがある。

文章を、上手に書ける人は好きですか?

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聞きっぱなしだと教えてもらえなさそうなので、自分の場合の話を少しだけしてみる。

20歳過ぎの頃に付き合っていた彼女は、ライターだった。

情景描写がものすごく上手な人だった。簡単に言うと、僕は文章を書く上で情景描写は苦手とするところなので、憧れに近い感情もあったんじゃないかと、今となっては想像できる。

男女の関係にはリスペクトがつきものよ、って誰が言い出したか知らないけど、これは、自分の扱う商材、つまり文章で、自分より秀でているところがあったから好きだった、ということになる。なるのかもしれない。

いや、何が言いたいかってね、実はね、薄々感じてたんですけど、「あー、自分は、文章の上手な人しか、心の底からは愛せないんじゃないか」というのが凄まじい気付きだったので、書き留めておきました。

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くいしん
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