見出し画像

原発は安全だ

 タイトルはセンセーショナルにしてみましたが、至って真面目に論じようと思いますので悪しからず。口を開くと、放射線は危ないと金切り声をあげる人ばかりなのがつらいのです。

 まず、そういった人は福島第一原発の事故を挙げて反論をしようとします。
あれは、耐用期限が切れそうになった原発が、冷却用の予備電源を失い、熱の管理が出来なくなり、水素爆発したものです。
 近くにあった福島第二原発は何も起きなかった事からも地震のせいではないのは明らかです。

 だいたい、東電がバックアップ用の発電機をいくつか用意していれば防げた事故で、これはもう人災と言っても過言ではないでしょう。
事故当日になぜ予備の電源車を用意しておかなかったのか、理解に苦しんだ覚えがあります。

 問題はその後の報道です。確かに事故直後の半減期の短い放射性物質が乱舞する中には行きたくありませんが、立ち入りや居住云々は放射線量で判断すべき事柄だと考えます。

 詳しい方ならご存じでしょうが、シーベルトというのは放射線が人体に及ぼす影響の単位です。 1シーベルトがそろそろ人体に影響が出るくらいと考えていいでしょう。ちなみに半数致死量は4シーベルトです、逆に言えば4シーベルト浴びても半分は生きている、という事です。枝野さんが言った直ちに影響はない、という言葉は散々叩かれましたが、これは責任逃れでもなんでもなく、単なる科学的知見ですね。

 確かに放射能の長期的影響については研究されていませんが、これについては人道的見地から今後も行われる事はないでしょう。個人的には猿などを使って動物実験で証明して欲しい気もしますが、これも無理でしょうね。

 さて、直後の報道ですが、汚染地域とされた単位はマイクロシーベルトでした。要するに人体に影響が出はじめる量の1000分の1です。どれくらいの量までは安全か?と聞かれても研究や実験がないのだから専門家としても答えようはないでしょう。

 であれば、専門家としてはもっとも誠実な回答は、「わからない」の筈なんですが、したり顔で年間いくらいくら以上の線量の土地には住むべきではない、という発言をしているのを見ると虫唾が走ります。

 というのも、地球上にいる限り環境放射線というものから逃れる事はできないのです。そんなに放射線が嫌なら「地球から出ていけ!」とでも言いたくなるのですが、宇宙だと空気が放射線を防いでくれないのでもっとひどい量を浴びることになりますね。
 普通に生活している限り世界平均で一年間に2.4ミリシーベルトの放射線を浴びるように出来ているのです。報道の方々が好きなマイクロシーベルトに直すと24マイクロシーベルトになります。
 水鳥の保護条約で有名なイランのラムサールは47マイクロシーベルト、インドのチェンナイ(旧マドラス)に至っては92マイクロシーベルトにまでなります。ちなみに、そういった地域で特に癌が多いといった研究はなされていないようです。

 この自然放射線というのが何故発生するのかというと、我々は二つの大きな原子炉を持っているからです。太陽と地球の中心にある地核という二つの核融合炉です。地球に住んでいる限り、放射線から逃れる事はできませんね。ですから気になる人には地球から出ていけ!と言いたくなりますが、そういえば宇宙の方が放射線量は多かったですね。

  これは極秘情報でもなんでもなく、日本原子力学会や環境庁のホームページや研究論文にあたれば容易に入手できる情報の筈ですが、こういった情報には触れずに片一方の意見を垂れ流す「専門家」とやらは恥をお知りになった方がよろしいかと存じます。

 逆にある程度以上の放射線を浴びれば健康にいい、とまでいう意見もあります。放射線ホルミシスという仮説といい、ミズーリ大コロンビア校のトーマス・ラッキー博士が提唱しています。実験の出来ない仮説にすぎないので肩入れする気はありませんが、両論併記というならこれくらい大胆な意見も併記してほしいものです。

 こんな事を言っていると「お前は福島に住んでいる人の気持ちを考えろ」などと言われるのですが、ラムサール以下の線量なら、お金や生活基盤、それに土地をくれたらいくらでも住むよ、と割と本気で思っていました。

 だいたい、核分裂で爆発を起こす方が難しいのです。原子爆弾を作るためにアメリカはマンハッタン計画、つまりオッペンハイマーやボーア、フェルミなど最高の科学者達と今の日本円に換算すると三兆円にあたる20億ドルを投じてやっとの事で核分裂で爆発する爆弾、核爆弾の開発に成功したのです。

 確かに放射性物質のウラン235になってしまうと臨界事故を起こしやすくはなりますが、原子炉に使っているのはウラン235が20%以下の低濃縮ウランですので、核爆弾に使われる高濃縮ウランと違い、冷却さえきっちりとしていれば、まず事故は起こりません。

 また、安全性のため、ウランの持つ余熱でタービンを回して発電し、その電力を使い冷却を続けるシステムなども使われており、技術も確実に進化しています。

 そして、今より放射性物質が多く降り注いでいた時代をわれわれホモ・サピエンスは生き抜いて来ているのです。地磁気逆転現象っていうのをご存じでしょうか?
詳しい説明はやめておきますが、この地磁気逆転現象はおおよそ五千年にわたって緩やかに行われたものと考えられています。この五千年の間は地磁気はひどく弱まっていたものと考えられます。でないとこの逆転現象は起こりえないからです。

 地磁気はローレンツ力により太陽からの自然放射線を防ぐ作用を持っていますが、地磁気が弱まっていた時期にはこのローレンツ力も当然弱く、今よりも多くの放射線が降り注いでいました。
 当然われわれホモ・サピエンスもこの荒波の中生存して来たのです。人類はあなたが、とりわけマイクロシーベルト単位の放射線にさえギャーギャーうるさい報道機関が思うよりずっと多い放射線量の中生き延びてきたのです。

 世界的な化石燃料高騰のなか、原子力発電という選択肢も少しは考えてみてもいいとは思いませんか?

いいなと思ったら応援しよう!