全員が一緒に歳をとる「数え年」。残り続けて欲しい
令和7年、西暦2025年の正月元日を迎えました。
日本の皇紀でいうと2685年です。
たった一日の違いなのに、年が新たまり心も新たに出発することになります。
1年にいろんな節目がある中で、1月1日は大きな節目と言えます。
そう考えたら、普段使っている「満年齢」よりも「数え年」の方が、年の変わり目とし相応しいと感じます。
「満年齢」は、生まれた時がゼロ歳、1年経って1歳となります。
「数え年」は、生まれた時が1載、年が明けた1月1日に2歳となります。誕生日前までは「満年齢」より2歳上になり、誕生日後には1歳上となります。
なぜ産まれた時に1歳とするのか。
十月十日(とつきとおか)お母さんのお腹の中にいる期間を、人間としての期間と見ますと私が理解しえいます。
そして生まれた日は別々でも、年が新たまる1月1日に、国民全員が歳をとる「数え年」。
私は、なんとも素敵なことではないかと思います。
「明けましておめでとうございます」と挨拶し、たとえ昨年まで良くない状態であっても、新しい年の抱負などを発表したりするからです。
「かぞえ」は文化として守られています。
七五三は「数え年」でやります。
3歳は「髪置きの儀」という子供の健やかな成長を願うことから男の子、女の子の祝い。
5歳は「袴着(はかまぎ)の儀」なので男の子の祝い。
7歳は「帯解(おびとき)の儀」なので女の子の祝いになります。
古希(こき)70歳、喜寿(きじゅ)77歳、米寿(べいじゅ)88歳、卒寿(そつじゅ)90歳、白寿(はくじゅ)99歳、などの祝いも「数え年」が基準になっています。
還暦は干支(えと)の十干(じゅっかん) と 十二支(じゅうにし)の最小公倍数60で一巡りする60歳で祝います。ですから「数え年」でいうと61歳になります。
葬儀の三回忌、七回忌、十三回忌……などの何回忌も「数え年」です。
「一回忌」は「数え年」ではなく、「1年経過した「一周の忌」となります。それで「回忌」「周忌」と表記が違うわけです。
厄年も「数え年」です。
調べてみると、戦後まで主流は「数え年」で、戦後に年齢に関する法律が施行され、満年齢を用いることが義務化されたそうです。
それでも、文化として「数え年」が使われているのは幸いです。
戦後80年を経過しても、ぜひ文化として残り続けて欲しいと願っています。