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海外の文献で分かったスペインが日本に侵攻しなかった理由

「戦国時代から先達は日本を力強く守り抜いてきた」を読んだ(『アップルタウン』3月のビッグトーク404)。
アパグループ代表取締役会長 元谷外志雄氏と、歴史探究家、東北大学大学院環境科学研究科特任教授 内藤克彦氏の対談である。
 
記事の大見出しは「スペインが日本に侵略しなかった理由が日本の教科書には書かれていない」、小見出しは次のようになっている。
・戦国時代の日本は世界有数の工業力を保有
・軍事力を背景にした姿勢で日本侵攻の意志を挫(くじ)く
・蒸気機関の軍艦を脅威とし幕府は海軍力の強化に奔走
・軍事力と教養力、経済力が日本の植民地化を防いだ
 
内藤氏は「鎖国は武装中立」という論文で、第十七回「真の近現代史観」懸賞論文(社会人部門)の優秀賞を獲得している。
 
「日本の戦国時代は、世界的には大航海時代でした。アメリカ大陸が発見され、スペインとポルトガルが一斉に海外に乗り出して、植民地獲得競争を行いました。当然日本も植民地の候補になったはずなのですが、西欧諸国の武力侵攻はありません。」
 
では、「なぜ武力侵攻がなかったのか、日本の教科書には書いていない」。また「日本の歴史学者は日本の文献ばかり見ている」。
それでは調査不十分であると、内藤氏はヨーロッパの文献を調べた。
ヨーロッパでは、歴史研究が進んでいて多くの論文が出ている。
 
例えば鉄砲は1953年に種子島に伝来、その5年後の長篠の戦では織田・徳川連合軍は三千丁、武田軍は五百丁を使用。しかも西洋製よりも命中精度がたかかった。その20年後のイギリスでは、鉄砲をかき集めた数は千五百丁だという。日本がいかに優れた技術を持っていたが分かる。
 
嘉永5(1863)年、ペリーが来航、日本には蒸気機関はまだなかった。
危機を感じた幕府は、1866(慶応2)年には国産初の蒸気機関による軍艦・千代田形を竣工している。そして、幕末には、4門以上の大砲を備えた蒸気機関の軍艦は全国で35隻、スループ艦等の帆船の軍艦を含めると約300隻、日本は保有していたという。
一方、黒船来航当時のアメリカ海軍は、蒸気機関の軍艦を8隻しか保有していない。ペリー来航は、その半分を動員する一大遠征だったという。
 
鉄砲と蒸気機関の軍艦を取り上げましたが、本文ではスペインがアジア各地に侵攻し、シャム王国にも二度侵攻しているけれども、それを撃退した山田長政のことが書いてある。
「日本と戦うことになると武力では無理だ」と、フィリピン総督はスペインの国王に報告しているという。
外交交渉でも、豊臣秀吉や徳川家康は毅然とした態度で対応していた例を挙げている。
 
こうした比較で歴史を知ると日本って凄いと思う。
軍事力と教養力、経済力が日本の植民地化を防いだということが分かる。
今に生きる我々は、こうした先人の頑張りを無駄にしてはならない。

写真 内宮の国旗「日の丸」

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