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NHKアナウンサーの話とコトバ講座で指摘されたこと

若き頃の話です。
市報だったと思いますが、NHKアナウンサーによる「話とコトバ講座」の案内が掲載されていました。
勉強してみようと思い申し込みました。10回のコースでした。
テレビで見るアナウンサーが講師です。
 
最初に、概略の説明がありました。
話しコトバとは。
話しコトバは、書きコトバと違うのだそうです。
人が普通、息をして言葉に出せる時間は3秒か5秒。この時間の区切りに合うことが話しコトバのポイントだそうです。
すなわち短くすること。
しかし下手な人の話は一つの文章がとにかく長い。○○ですけれどもというように、「ども」をつけて文を続けてしまう。
だから聞いている人の呼吸にあわず、良い感じを与えません。
話しコトバは、できるだけ短く切ると良いそうです。
 
次に、コトバの響きです。
話しコトバはその人の考えていること、また今まで得た知識などのうち、自分で理解して自分のものになっているものしか、その人の口から出てこないという(そう言われると、ドキッとします)。
すなわち、言葉はその人自身の人柄や教養をともなって響きとなって出てくるという。
自信のない人は声が小さく、語尾がはっきりしない。
はっきりと話すことができない気持ちが、声の小ささや不明瞭な発言となって出る。
生き生きして元気のある人は声が明るい。 はっきりしている。
音(オト)として伝わる部分と、コトバの響きがその人の雰囲気をも同時に伝える。
それが話しコトバだそうです(深いですね)。
このように話しコトバは単に言葉のテクニックではなく、その人の教養、知識など人間性が現われるので、日常の人間修養が大切であると言われました。
 
次は「間」です。
話しをするとき気持ちにあせりが出てくると「間」のない話し方となります。「間」は話し方のすべてを決すると言われるくらい大切です。息つく暇なく話をしてはいけない。
例として落語の話し方があります。落語は「間」の世界であると言われ、話しのまとめ方も大変参考になるという。
(私は落語が好きです。でも聞くだけで終わっています)
 
講座ではこのようなポイントの説明を聞いた後、毎回、実践が待っています。会議の席や、2~30人の会場を想定して話しをする。一人2分間スピーチです。
なぜ「2分間か」ですが、聞く人が耳を傾けてくれる時間だそうです。
人は長いスピーチは受け付けない。まして面白くなく、わからない話などは聞きたくないのが人情だという。
ひとりひとりの話しにアナウンサーがアドバイスしてくれます。
最初は、先生の話を理解できないままなので、時間オーバーで自己満足げに話す人。人生論の言葉を並べるだけで思いが伝わってこない人。ある言葉の意味を説明するけど結論がなかなか出てこない人。
 
私もその一人でした。
あなたは優しい人ですね。沢山伝えたい気持ちは分かりましたが、何を伝えたいかが分からない。何より自分が出ていない、自分の言葉で話をしていないと言われました。
言いたいことを1つに絞ること。自分が理解していることを自分の言葉で話すこと。それがどういう目的か、何をやりたいのかを具体的な言葉で話す。とのアドバイスがありました。
 
今回、話しコトバを思い出して書いてみましたが、これは本を作るときにも共通していると思いました。
自分の言葉で話すというのは、話す内容を自分のものにしているかどうかにかかっています。
話しコトバは、それが響きとなって伝わる。
本の場合は、その響きを言葉で伝える。
どちらにしても、自分がどこまでその伝えたいことを理解しているかにかかっていることがわかります。
こうして書いていることが、実践として私自身の勉強になっていることが分かりました。ありがとうございます。

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