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4 演技レッスンで何をすれば良いか

算数をするには数字を、日本語を使うには五十音を覚えるように、演技をするにも最初に覚えなければならないことがあります。

 演技レッスンで最初に覚えることは、演技で自分を使う心づくりと身体づくり、演技の前段階をレッスンします。ここまでは演技未経験者、または演技経験が少ない俳優への提案です。

 演技経験がある、ご活躍されている俳優にも提案する演技レッスンを本書で紹介します。例えば「翻訳の戯曲を演じるが、役の理解が難しい。役を理解したいので役づくりのレッスンがしたい」。この場合、台本読解や役づくりを提案します。
 提案したレッスンから今のご自身に必要な演技レッスンを選んで下さい。“現場で演技をする準備”の提案です。

 演技レッスンのには二種類の方向性があります。自分に向かった方向性のレッスン(例・感情表現、台本読解、役づくり)と、他者に向かった方向性のレッスン(例・即興演劇、ボイス、シーン)です。両方向のレッスンが必要だということを覚えておいて下さい。
 演技レッスンが自分の為だけでなく、誰かの役に立つレッスンでもあってください。

 演技レッスンをしながら「これは違う」と思ったら、トレーナーと話し合って他の方法を試すか、またはレッスンを途中で終わらせることがあります。俳優にとってレッスン
が途中で必要なくなる可能性はあります。曖昧な終わらせ方でも、区切りをつけた終わらせ方でも、意識して終わらせる。始め方も大事ですが、終わらせ方も大事です。

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