人生を変えた国際文通
手紙を心待ちにポストを確認したこと何千回の私。間違いなく、国際文通の経験がなかったら今の私はいないと言える。
私は小学四年生の時、国際文通を始めた。最初は、オーストラリアの同い年の女の子だった。今でも初めて手紙が海外から届いた時の感動は忘れられない。
手紙の封を切ると、異国の香りが漂った。
水色のエアメールの封筒の中には、マクドナルドの景品のような、てんとう虫が描いてあるパズルが入っていた。海外なんてはるか遠い存在の私。視覚聴覚嗅覚がフル稼働した。
以来、私は国際文通の虜になってしまった。
そこからアメリカ、マレーシア、シンガポール、フランス、オーストリア、アイルランド、イギリス、スイス、ロシア、ブラジルなどなど、小学校~大学になってもとにかく世界中の人と文通をした。
小学生の私の最大の問題は、英語だった。相手の文章が何を書いてあるのか分からないし、自分の想いも英語で書くなんて不可能。そこで、私は「英語で文通しよう」的な本を一冊買ってもらった。そして、とことんその本を使い倒した。本がボロボロになるまで、その本の中身を丸写しして手紙を書いた。プラスで、文通相手の英語の文章をそのまま真似して返事を書いた。だから、私からの返信はいつも一方通行の内容だったと思う。
その後、自分の想いを英文で届けることができるようになった今でも、20年近く文通が続いているのは、アメリカ人とオーストリア人のペンパルだ。私はその二人に会ったことはないが、いつも心のどこかで、元気にしてるかな?と気に掛けてしまう大切な友達となっている。
最近切手や手紙の郵送料も上がってしまい、ますます手紙や年賀状を書く人は減るのだろうなと残念に思っている。だけど、私はこのデジタルの時代にこそ、若者たち、とくに小学生には海を越えて手紙を送る、そして手紙を受け取るという感動を味わってほしいと心から願っています。
最後に・・封筒を手に取ったときのかすかな重みに抱く高揚は、手紙にしか味わえないと思っているのは私だけ?「この中にはどんなメッセージが詰まっているのだろう」と期待しながら封を切る瞬間のドキドキは、何歳になってもたまらない(笑)。