朝ドラ ひまわり🌻
『ひまわり』は、1996年(平成8年)4月1日から10月5日まで放送されたNHK連続テレビ小説の第54作。全162回。
あらすじ
第1章『出るクイは打たれるの?』
平成3年秋、バブルが崩壊する3ヶ月前。一部上場食品メーカーでOLとして働く南田のぞみは、自分が所属する営業部の撤退を聞かされる。女性課長の春日ひとみは新しく立ち上げる開発課にのぞみを誘う。
のぞみは恋人の関口純一郎と結婚し、仕事と家庭を両立させたいと考えていたが、上司の春日からは「社運を賭けた大事な部署の立ち上げなので結婚は3年待て」と言われる。
福島郊外の乳牛牧場に住むあづさの母・うららが体の不調を訴え電話をしてきたが、実は仮病で本当は娘や孫と一緒に暮らしたいと言って上京し南田家で一緒に暮らすことになる。のぞみの営業第2部は解散し、会社から異動先の辞令が降りる。「結婚する女性は必要ない」と考える上層部の思惑により福島工場への転勤を命じられ、のぞみは退職を決意する。
第2章『旨い話にゃ毒がある?』
次の仕事を探しに職業安定所(ハローワーク)へ登録に行ったのぞみは、そこで能力開発センターの人事という犬飼サチと出会い、自分の会社に興味があれば電話してくれと誘われる。
土曜日の午後、恋人の純一郎が両親を連れて結婚の挨拶に訪れる。純一郎の母は南田家や父親の行方を単刀直入に質問すると、あづさは「のぞみと達也には20年間嘘をついていた」と告白する。自分の出生を知った達也は以降無断外泊をするようになり心配したあづさを激怒させる。祖母のうららはあんな話をした後だから結婚の破談は覚悟しておけとのぞみに言う。
犬飼サチがのぞみの家に来て講師の仕事に誘うが、あづさは慎重に考えるよう助言。迷うのぞみは犬飼を訪ね、講師の話は保留したいと伝えるが、犬飼は60万円の高額セミナーの受講を勧め生徒の勧誘が必要と説明。のぞみはカモにされたことに気づき悔し泣きする。
のぞみは優のレストランで失踪中の父親・徹と出会うがのぞみは気づかない。あづさは優が徹の居場所を知っていると感づく。犬飼が薫乃とうららを勧誘しお金を騙し取ったことを知ったのぞみは激怒し、犬飼のマンションに押し掛けるがもぬけの殻だった。忘れ物を取り戻った犬飼はのぞみにお金を返し、悪びれることなく去っていった。
第3章『人は見かけによらぬもの?』
達也がアルバイト先の売上金を盗んだ容疑で逮捕される。達也は黙秘を続けており、のぞみとあづさは警察へ面会に行くが許可は下りず、アルバイト先のカラオケ店へ謝罪に行く。店長の田中によれば、達也は接客態度も悪くトラブル続きだったという。落ち込むあづさに優は3年間黙っていた徹の住所を教える。薫乃とうららは田中に謝罪に行き田中はお金が戻れば示談にすると提案。二人は言われるまま示談にしてしまう。二日後、のぞみとあづさは警察でようやく達也と顔を合わせ話をしようとすると達也は示談金を支払ったことに怒り拒絶する。
なすすべない南田家は弁護士に頼ることを決め、あづさの旧友・赤松の事務所を訪れる。のぞみはそこで弁護士を目指す星野と出会う。
弁護士の赤松に達也はようやく自分の無実を打ち明け始める。薫乃はうららにあづさと赤松の過去を話す。赤松は田中を訪ね、独自調査で田中が金に困っていたこと、靴修理店でロッカーのスペアキーを作っていたこと、売上金を盗んで一部を達也のロッカーに入れて罪を被せたと推測し、真犯人は田中と言い切る。全てを見抜かれた田中は自首し、達也は釈放される。赤松が達也を救った姿を見てのぞみは家族に弁護士になると宣言する。
第4章『二兎を追うもの一兎も得ず?』
司法試験を受けるというのぞみに、あづさや薫乃は反対。赤松も弁護士には向いてないと意見する。年末、薫乃はこっそり伊豆の徹を訪ね「悔しかったら一日も早く帰って立派なところを見せて」とどやしつける。
平成4年正月、純一郎の両親が訪れ、「純一郎の家出の原因はのぞみが結婚を急がせたからではないか」と言う。のぞみは弁護士になりたいから結婚を待つよう頼んだことを知られてしまう。
風邪をひいた赤松を訪ねたのぞみは、赤松が弁護士になったいきさつを聞く。そこへ星野と達也がやって来て、かつて赤松の婚約者だった達也の母の話になる。あづさは徹宛てに初めて手紙を書く。のぞみは星野と同じ予備校で司法試験勉強に励む。
司法試験の日。うららがあづさに「薫乃が徹に電話したり伊豆に会いに行っている」と教える。あづさは徹を待つのをやめて離婚届を出そうか赤松に相談に行く。
のぞみと星野は二人とも択一試験で不合格になる[注釈 5]。悔しがるのぞみは純一郎とささいなことから口論になり、試験をやめるか自分との結婚をやめるかを迫られる。弁護士の道を選んだのぞみに純一郎は別れを告げる。赤松の事務所に徹が現れ「どうしようもなく家に帰りたくなった」と話す。
二人が別れたことを知った南田家では、あづさとのぞみが口論になる。親に養ってもらわず全て自分でやれというあづさに反発してのぞみは家を飛び出す。
第5章『可愛い子には旅をさせよ?』
のぞみは実家を出て自立する決心をする。赤松の事務所で出会った横山建設社長の内海が安アパートを紹介し、一度は断るがアパートが“ひまわり荘”であるのを見てのぞみは入居を決める。貯金も底を突き始めのぞみはビル清掃員のアルバイトを内海に紹介してもらう。一人娘が3年前に医療ミスで命を落とし裁判の判決を利用して復讐しようとする内海に彼が復讐の鬼になることを心配して赤松の提案する和解を受け入れようと妻のまゆみは説得していた。
あづさは達也が二十歳になったら徹を訪ねて徹とは踏ん切りつけると言う。予備校の帰りに優の店に寄ったのぞみはそこで徹に会う。知らせを受けたあづさと薫乃が店に合流したところで徹は皆んなの前で土下座をする。曖昧な言い訳ばかり述べる徹を見てのぞみと薫乃は離婚を促し、徹を待つことに限界を確信したあづさはようやく離婚を決意し離婚届を出しに行く。優はあづさが離婚届を出したことを徹に報告すると徹はあっさり受け入れる。次の日、のぞみはアルバイトに遅刻した挙句に過労で倒れてしまう。
優が突然徹を連れて家に来る。あづさが離婚届を出したと聞いて諦められなくなったと言う。あづさは気持ちに区切りを付けたと復縁を拒否するが、徹はあづさにもう一度結婚して欲しいとプロポーズし、今度は自分があづさの気持ちを待つと言う。達也とのぞみは再婚を認めないと団結するが、星野は「誰でも道を間違うことはある」とのぞみに寛容を促す。
内海の妻が家出をし、赤松の事務所で和解を再三試みるも内海はどうしても許すことが出来ないと言う。内海の横では赤松がのぞみに徹を許すよう話している。のぞみはどうしても許せないと反発すると「一回過ちを犯した人間は二度と浮かび上がることが出来ないのか」と赤松が問い正すその言葉を側で聞いていた内海の気持ちが動き、相手との和解を少しずつ受け入れることにする。里帰りで実家に立ち寄ったのぞみにあづさと達也は家に帰って来いという。
のぞみは2ヶ月間の一人暮らしを終わらせて家に戻ることを決める。25歳になったのぞみは2度目の司法試験に再挑戦する。
第6章『縁は異なものアジなもの?』
平成5年10月29日、のぞみは二度目の司法試験に合格。同じく合格した星野とともに司法修習生となる。のぞみは修習地が決まる[注釈 6]まで赤松の事務所で無給の事務員を務めるが、事務所に押し掛けてきた老婦人にうっかり助言してひと騒動となり、赤松に厳しく叱られる。のぞみの修習地は第8希望の福島に決定するが星野も福島行きと知り愕然とする。
平成6年4月9日、司法研修所の入所式を終えて研修が始まる[注釈 7]。のぞみは同じ福島行きの修習生と顔合わせするが全員一癖ある人物ばかり。のぞみは最初の授業で「講評に及ばず」の評価をつけられ勉強不足を痛感。3か月の研修の最後は模擬裁判で油座が裁判官、星野が検事、のぞみが弁護人役となる。
南田家を訪れた徹は千葉の新店舗担当になったと報告。あづさに人生初めてのボーナス、のぞみに万年筆、達也に腕時計をプレゼントする。南田家を訪れた天王寺はのぞみに、タイガー原田はあづさに好きだと告白するが二人は断る。星野からは「君が好きだ。君は赤ゲンに惚れてる」と言われ、のぞみは動揺を抑える。翌日7月7日の模擬裁判で星野は被告人役から暴言の証言を引き出し有罪判決となり、のぞみは完敗する。南田家は研修を終え、福島に行くのぞみの壮行会を開く。
第7章『兄弟は他人の始まり?』
福島に到着したのぞみと星野は、竹永相楽法律事務所で実務研修に臨む。東京では薫乃が家や病院をあづさに相続させる遺言を書くと宣言。徹も優も異論はなかったが、優は赤松にあづさの気持ちを聞いてほしいと相談。赤松はあづさにプロポーズしたと打ち明け相談を断る。竹永は母親の遺骨を巡って姉の信子と争う光子の依頼を引き受けるが、墓石を撮影したのぞみは信子ともみ合いになり、ケガをさせてしまう。
のぞみは信子に謝罪に行き、遺骨を持ち出した真意を聞き出す。姉妹は和解したが、金にならない案件となった。義弟・俊一の借金の保証人になった優の店が閉店するとの知らせが届き、のぞみは急ぎ上京。赤松に調査してもらうが、裁判になれば俊一も共犯で訴えることになると言われ、優は閉店を決意。のぞみは赤松があづさにプロポーズしたと聞いて自分の恋心に気づき、福島に戻る。
第8章『子はかすがいじゃないの?』
うららたちは早々に東京から戻ったのぞみを不審に思う。閉店パーティを終えたレストランで、徹は復縁をあきらめたと告げる。竹永はのぞみと星野を連れて殺人未遂で勾留中の西村の国選弁護人を引き受ける。事務所に西村の娘・瑞穂がやってきて父親を助けてほしいと懇願。施設に帰りたがらない瑞穂を長沼家で預かることになる。
西村に執行猶予をつけるため、のぞみは瑞穂を連れて上京し、瑞穂の母親の茄子佳織に証言を依頼するが、瑞穂は反発。なんとか証言を引き受けてもらうが、2週間後の裁判に佳織は現れなかった。のぞみは竹永と再上京し、佳織を説得するが拒否される。竹永は帰郷、瑞穂が一人南田家にやってくる。赤松を交え佳織と瑞穂は本音をぶつけあう。佳織は娘を引き取るため西村に懲役に行ってほしかったと告白する。後日、西村の第二回公判に佳織が証言者として立つ。改心した佳織はできれば3人でやり直したいと証言、前回公判を欠席したのはあさはかだったと謝罪。1か月後、西村は執行猶予を勝ち取り、のぞみと星野は弁護人研修を終える。
第9章『ならぬ堪忍、するが堪忍?』
平成6年11月、のぞみたちは福島検察庁で検事修習に臨む。修習が始まるまでの1週間、のぞみと星野は上京して赤松の裁判を傍聴。無罪判決のあと、赤松のもとに被告人の大樹が押し掛け、犯人なのに無罪にされて一生嘘をつき続けることになったと殴りかかる。のぞみとあづさは赤松の見舞いに行くが、気持ちの荒れた赤松はあづさを「君の家は本当のことを話していない」と責める。
あづさはのぞみと達也に達也の実母・矢口桂子のことを話す。達也は徹から桂子の電話番号を聞きだすが、繋がらなかった。達也は純一郎の会社に雇われるがあづさに注意され延期する。星野は大樹の弁護人を降りなかったこと、しばらく依頼を断るという赤松を責める。のぞみは星野に母親と赤松のいきさつを話しながら泣き出すが、思いを断ち切ると決意。赤松が1日姿を消し周囲を心配させる。翌日福島に戻るのぞみに母親を探す達也も同行する。赤松の事務所を訪ねたあづさは突然赤松に抱きしめられる。
第10章『罪を憎んで人を憎まず?』
のぞみは達也を連れて福島の長沼家に戻る。あづさは赤松のもとからぎこちなく帰宅する。検察庁の実習が始まり、のぞみは詐欺容疑の増井を取り調べる。のぞみ、星野、小牧は増井の家を訪ね、起訴猶予と判断。指導役の河村はのぞみたちの勝手な行動を厳しく叱る。星野の助言で達也の実母・桂子の住所や結婚して子供がいることが判明。
増井が礼を言うため長沼家を訪ねてくる。増井はうららの知り合いであることが判明。意気投合した2人は東京からきた薫乃、寺崎と温泉旅行に行く。
達也は英会話学校で務める桂子を見に行くが、名乗らず帰宅。あづさは赤松と交際を始める。増井が結婚詐欺で告訴される。増井は否定、息子の耕平は100万円渡して縁を切りたいと言う。被害者が告訴を取り下げたため、のぞみたちは増井の起訴猶予を提案。河村は息子が監督するという条件をつける。のぞみの必死の説得で耕平は監督役を引き受ける。増井は罪を認め、起訴猶予が決定し、のぞみたちの検察修習が終了した。
第11章『一難去ってまた一難?』
裁判修習が始まり、修習生たちは刑事裁判を傍聴する。のぞみはいきなり暴力団員の兄弟喧嘩の判決文を書かされる。あづさと赤松が交際していると知った達也は、軽口をたたくが心中穏やかでない。のぞみは執行猶予とするが北山裁判官は暴力団と関係を断つという条件をつけ、被告人の更生を第一に考えると教える。あづさに獣医大学の資料を見られた達也は逆上し、家を飛び出す。落ち込むのぞみに、星野は「君は人の気持ちに鈍い」と再び告白する。福島に行った達也を追ってあづさがやってくる。
達也は赤松への片思いに悩むのぞみのためにも、きちんと再婚したほうがいいとあづさに意見する。達也は桂子いきつけの喫茶店「こけし」で1か月のバイトを始める。のぞみは親権変更の調停を担当する。週末帰京したのぞみは徹とあづさを訪ね、達也が実母に密会していることを相談し胸のつかえがとれる。赤松にはあづさとの仲を祝福して、福島に戻る。
第12章『旅は道連れ世は情け?』
のぞみたちは調停を控えた勝子が健一に秀樹を引き渡す場に立ち会う。徹は福島の桂子に会う。桂子は達也に会うのはやめると約束する。福島を去る達也は桂子から現金200万円を渡され困惑。うららはあづさが赤松と交際していると聞くと「人の道にはずれている」と激怒。達也は桂子の夫に金を返すが、達也の父は赤松ではないかと聞かれる。帰京する達也と入れ違いに福島に来たあづさはうららに交際宣言して衝突。
面接交渉権の調停で拒絶する健一に、のぞみは母親を過剰に庇い、北山裁判官に厳しく叱られる。桂子が家出する。達也は福島に駆けつけ、あづさも帰京を遅らせて桂子を探す。薫乃は徹を訪ね「あづさを取り返せ、逃げるな」と怒る。達也が桂子を発見。桂子は経一に嘘をついていたことを謝罪するが経一は拒絶。のぞみは経一を説得し、長沼家で桂子に会わせる。徹と赤松も駆けつけ、夫婦は復縁。
赤松はあづさと交際していると挨拶するが徹は「渡したくない」と宣言し二人は帰京。星野の口添えでのぞみは調停に復帰し無事話をまとめ裁判官修習を終える。のぞみは星野に「離れたくない」と告白。東京では桃子が産気づく。
第13章『待てば海路の日和あり?』
桃子は長男・一を出産。東京に戻ったのぞみと星野は司法研修所で後期修習を受けながら就職先を探す。のぞみと上京したうららはあづさの交際をめぐって薫乃と口論になる。あづさは反対するなら結婚しないがコソコソしたくないと宣言。赤松のもとに最高裁判決を控えた大樹が来て赤松の手紙を突き返すが、赤松は見捨てないと答える。うららはあづさに再婚するなら絶縁すると言って福島に帰る。
赤松は真実を話すと決意した大樹の弁護を引き受ける。「ジャイアント」再建の目処が立ち、徹は薫乃にあづさの再婚を認めてほしい、自分が支えると説得。達也も獣医になると告白するが、薫乃は拗ねて寝込む。のぞみは銀座の法律事務所に内定するが、少年事件を扱わないことに落胆。星野はいつか一緒に独立しようと誘う。
赤松は大樹と検察に出頭して再び弁護人になりマスコミから叩かれる。薫乃は家出して福島のうららを訪ね説得。のぞみと星野は内定を蹴って独立を考えるが無理だと言う星野と喧嘩になる。あづさは赤松の元に行くことを決意。薫乃も上京したうららも再婚を祝福する。星野とのぞみも仲直りして独立を決意する。
第14章『実るほど頭の下がる稲穂かな?』
平成8年1月、のぞみは卒業試験(司法修習生考試)を控え、達也は受験勉強中。南田家に来た星野は、のぞみと独立して事務所を開くこと、一人前になれたら一生のパートナーにしたいと挨拶してあづさから祝福される。あづさは再婚のため3月で病院を閉めることにするが、赤松は病院を続けることを勧める。のぞみは星野と事務所になる部屋を探し、格安の雑居ビルの一室を借りる。達也は獣医科大学に補欠合格。のぞみは事務所に徹を招き星野に会わせる。
4月1日、司法研修所の修了式を終え、「ジャイアント」では開店パーティが開催された。のぞみは事務所の名を「ひまわり」にする。あづさは家を出て赤松と入籍するが南田動物病院を続ける。「法律事務所ひまわり」が開業。それから3か月後、事務所に純一郎が現れ、知り合いの少年事件の弁護を依頼。達也は病院の手伝いを始める。南田家に仕送りする徹が訪ねて来て、初めて夕食を囲む。のぞみは念願の少年事件弁護に取り組む。
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