見出し画像

都市計画法について

〇都市計画法について  近代社会では、人は居住移転の自由が憲法に定められている。どこにでも住居を構えることができることとした一方で、住んだところに水道や電気といったライフラインが通っていなければ、実生活としては不便になることといえるだろう。

また、集団で集落を作った(白川郷などはもともと落ち武者たちが逃れ出て集団で暮らしたことが始まりと聞いたことがある)ところで、学校はどうするのか。「教育を受ける権利」「教育を受けさせる義務」も近代社会で定められているところ、こうした問題と均衡させるため、国としては、「街づくり」という施策を行っている。工業地帯に学校があれば、集団で化学物質などの公害を被る可能性もある。そのため、居住区、商業区、工業区など、土地全体を区画することにより、国内の土地を有効利用しようというものである。

街づくりのために法律によってその区画、計画を定めるものが都市計画法である。都市計画法では、まず県単位によって、都市計画区域を定め(場所の選定)、次いでそこに具体的なプランとして都市計画を定める。

都市はいわば自然的・人工的に発展していくものである。そのため、行政区画とは無関係に定めることができるとした(県境や市境は気にしない)。こうすることにより、より柔軟に開発・保全することができる。区域が一つの県の中に納まる場合は、知事が指定する。その区域が2以上の県にまたがる場合には国土交通大臣が指定するものとする。 都市計画において区域を指定しただけでは、具体的にその中身が決まらない。そこで、都市計画区域内において具体的なプランとして定められるのが、「地域地区」である。地域地区は具体的に「用途地域」と「補助的地域地区」に分けられる。

したがって、用途地域は地域地区として都市計画区域「内」に定められるものである。
〇都市計画区域内では、積極的に市街化を促進させる地域と、なるべく市街化(開発)を抑制する地域に分けて知事は区分することができる。これを「区域区分」という。前者を「市街化区域」といい、後者を「市街化調整区域」と呼ぶ。市街化区域では、必ず用途地域を定め、市街化調整区域では、原則として用途地域は定めないものとする。

用途地域」として定められた地域においては、住居・商業・工業といった建設物の種類のほか、次の要綱を定めることとする。
・建蔽率の限度
・容積率の限度
・建築物の高さの限度(一低・二低、田園のみ)
また必要な時は、「敷地面積の最低限度」を200㎡以内で定める。

注意することは、都市計画区域を「市街化区域」「市街化調整区域」に「分ける(区域区分する)」のは、「任意」であり、必ずしもするものではない。都市計画区域において区域区分されなかったものは、「非線引き区域(線引きがされていない区域)」と呼ばれる。

振り返りポイント
・「区域区分」とは何か?
・「用途地域」とは何か? また、どこに定められるか?
・「用途地域内」では、どのようなことが決められているか?

いいなと思ったら応援しよう!