退職給付制度における退職給付会計について
〇「退職給付債務」とは
退職給付債務とは簡単に言うと将来における退職給付金を時価価格で見積もったものである。まだ従業員に支払っていないので、端的にいえば会社の借金となる。このような発生主義に基づいた考え方を「発生給付評価方式」という。
従業員が務めたことによるこれまでの分(過去分)と、今後勤務することによって退職時点までに支払義務が生じる分(将来分)の合計によって求める。
総額の計算には、予定昇給率、退職率、死亡率を考慮する。
〇退職給付見込額の計算方法
では、退職給付見込額の計算方法はどのようにすればよいのか。これまで過去分の退職給付の計算方法としては、「期間定額基準」と「給付算定式基準」の2種類がある。
期間定額基準は、毎年の給付を一定とする計算方法である。毎年の退職給付額が一定であるため、計算が簡便である。
給付算定式基準とは、給付算定式により各期に退職給付見込額を割り振る計算方法である。例えば、3年未満には退職金はなし、3~10年のものに関しては1年に50万円といった給付方法に合わせることができる。