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もしもイワシンが生きていたら
最悪の殿堂発表で密かに死んだ小魚
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当時はサガ、DOOMサガがブイブイ言わせていた時期でまさかのサガ対抗馬筆頭の青魔代表《ガル・ラガンザーク》が死ぬという展開に全DMPが絶望と失望をTwitter,Xで吐露。サガマスターズが始まった。
一応サガ関係からイワシンが規制対象として断頭台へ。しかし殿堂発表の少し後、連日CSがどこかしらで開催されている東京神奈川という激戦区で「なんか呪文軸のサガがいるらしい」と噂が広がり出す。
そう、それが半年後サガが死刑台に送られるまで主流となる呪文軸のサガ、通称「ダンタルサガ」の原型である。そしてなんとこのデッキにはイワシンが0。DOOM型はルーターだけでなくシャコガイルEXwinの種にイワシンのドロー効果を使っているという側面もあった。しかし新型サガにはそれが必要なくイワシンが死のうが生きようが割とどうでもよかった。サガ視点では。
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当時イワシンを取り扱ったデッキはサガだけではない。オリジナルではアナカラーDOOMや墓地ソース、アドバンスでは青黒DOOMがあった。
ここでいうアナDOOMは今の構築ではなく、《ナウオアネバー》で《エンド・オブ・ザ・ワールド》を出し急速に墓地を肥やしてDOOMシャコイワシンでEXwinを狙うといった構築だった。
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アドバンスより青黒DOOM、サガが出るまでの非常に短い期間ひっそりと活躍したデッキ。ガイアッシュ覇道が活躍していた時期にガイアッシュに有利であり、《闇王ゼーロ》のコストによる3体破壊や《ジョルジュ・バタイユ》の破壊効果を使いDOOMから出す《Vol-Val-8》で確定EXターンを取り殴り勝つというデッキ。
青黒ゼーロとどっちが後に出たデッキかはわからない。
普通に《闇王ゼーロ》が殿堂逝かないのわけわからないわ。こいつは将来死ぬ。
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当時のリストを引っ張りだしてきたので間違ってる可能性有
他にも
オカルトアンダケイン、墓地ソース、青黒シヴァンリンネ、テスタロッサ、
闇王ゼーロ、ゼーロンギャスカ、サガ、アビスなど、墓地と密接に関係するタイプのデッキでは常にその姿を見せてきた。
このようにサガがやばすぎただけで小魚も常にやばいことをしていたわけですよ。死んで当然ですよね。
イワシンの凶悪性
テキストは非常にシンプル
「このクリーチャーがどこからでも墓地に置かれた時、カードを1枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を1枚捨てる。」
効果は墓地に落ちさえすれば発動するルーター。墓地を多用するデッキはこいつを4投するだけで実質36枚でデッキを組むことができる。類似効果は存在しない、墓地に逝くだけで発動するタイプのカードは《キューブリック》などがある。殿堂である。
「0マナで墓地を肥やすことが許されるのか」この疑問に対し私はデュエマインフレの観点から考えた。結論はダメ。それはそう。
年々デュエマは墓地をメタりやすくなっている。さらに《お清めシャラップ》から《なぜ離れ》まで墓地をメタるだけでなく+αのアクションを起こすカードが刷られ続けてる。これを聞くと一見イワシンいいんじゃない?と思うかもしれないがメタを刷るということは、それ相応に壊してもいいよねという暗喩?かもしれない。
では墓地肥やし側のインフレはどうなのか。以下カード
《鬼札アバクと鬼札王国》3コス赤黒緑
「このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を墓地に置く。その後、このクリーチャーを破壊する。」
シビアな色要求から繰り出される6枚墓地肥やし。21年5月のカード。
《ドミー=ゾー/「倒したいか?」》50コス黒単
「このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を墓地に置いてもよい。」
黒単色で5コスに見えるが大抵ジャガイストや覇ロードで踏み倒すので実質0コスト。3ターン目には出てる。23年7月のカード。
《霊淵 アガルーム=プルーフ》1コス黒単
「ハイパーモード 4000。
自分のターンの終わりに、自分のタップしているクリーチャー1体につき1枚、自分の山札の上から墓地に置いてもよい。」
1ターン目からは無理だが堅実に墓地を肥やす1コスカード。ハイパーモードにより確定で1枚は墓地を肥やす。実際何枚肥やせるかは未知数な面がある。《シックル・シーク》とのデザイナーズコンボで2ターン目にして墓地を4枚肥やせる。2枚とも24年6月のカード。
特にアガルーム=プルーフはライン反復横跳び、低コストシステムクリーチャー墓地肥やしというどっかのメルゲ感がある。
墓地メタが充実するにつれて墓地肥やし勢力も徐々にその低コスト化高速化に適応してきているのが現状だ。
タイトルになっているイワシンの凶悪性とは何か、それは墓地を肥やすことによる公開領域の拡大にある。
このカードゲーム公開領域の拡大による恩恵が尋常じゃない。
例えば《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》。効果を要約すると「ガチンコジャッジして勝ったらその数マナ,手札,墓地から獣踏み倒すよ」というもの。
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こいつはゲーム終盤に出すよう設計されてる都合上公開領域が増えれば増えるほど強くなるカードだ。《蒼龍の大地》もそういった類のカードだろう。
イワシンの効果で増やせる公開領域は墓地に限定される。墓地の情報を増やしただけでそんなに強くなるカードやデッキがあるんですかと。過去にありました。ゼーロンギャスカがその最たる例だろう。
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このデッキ2キルできるのだが、2,3キルするためのパーツが多い。ギャスカは気合で引くとして、ステニャンコやザロスト、ドレッドブラッド、ジエンデザークを墓地に落とさないといけません。そこで役立つのがイワシンのルーター効果および公開領域の拡大。さらに言うと《零龍》の「墓地の儀」達成のためにはイワシン必須。そこまでイワシンをしゃぶりつくしたデッキがゼーロンギャスカ、イワシン依存からの脱却。それを成す前に死にました。なんなら4種殿堂逝ってるよこのデッキ。
現在のゼーロンギャスカ
現在アドバンス界で一番凶悪なデッキはなにか、それを聞くとアドバンスを知ってる人は「XENARCH」と答えるだろう。
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超要約すると最速3tで全ハンデスしながら《零龍》+αで撲殺するデッキ。
ただしゼーロンギャスカと違うのは手札をぶん投げても息切れしない点にある。数多の墓地から蘇るクリーチャーがゼナーク効果で盤面と手札を刈り取る。
現在の環境でイワシンの恩恵を与るデッキがこの「黒単ゼナーク」になるだろう。デッキの核にゼナークに早期アクセスするための公開領域の拡大。イワシンが採用されていない構築も散見されるが、それでも4投できる状況下なら検討されるレベルには墓地関係カードのバリューを狂わせるポテンシャルをこの魚は持っている。
まとめ
自分自身あの殿堂発表には批判的だったものの結果的には正解だった。
公式は結構唐突によくわからんカードを逝かせることがある。《モルトSAGA》前の《バトライ刃》だったり、この回であれば「革命チェンジ」前の《ガル・ラガンザーク》だったり毎回公式の殿堂入りや解除は面白い。
やっぱ開発運営側は未来が視えてるから我々プレイヤーがとやかく言えないんですよ。
今回は「イワシンがもし今も生きていたら」という題材で考えました。そもそもタダでなにかしらやるのはダメなんだよね。
ジャガイストも実質4マナ3t目に《力がほしいか》から15コスト踏み倒していたわけだし、差額の11は虚空に消えてるけどいいんですかね。
イワシンとザロストは相性のいいカードが多すぎましたね…どう考えても《零龍》がダメなんだよなぁ。
というわけで次回、「ゼーロンがデュエマ史上最強カードな理由(思想強め)」でお会いしましょう。