巣箱
隣の雑木林に大きな木が茂っている。
調べてみると「ホルトノキ」というらしい。
午前中は我が家の庭の一部に、気持ちいい木陰をつくってくれる。
たくさんの小鳥もやってくる。
ということで・・・
そのホルトノキに巣箱を設置しようと思い立った。
ホームセンターで売られている切れ端を買ってきた。なんてったって安い。形を選べないのは難点だが。
買ってきた切れ端で巣箱を作る。設計図なんてない。
目の前にある切れ端でどうにか組み合わせて作っていく。
出来上がった巣箱はそれなりの形をしていて、初めてにしては大満足。
持ち上げるまでは。
安い切れ端を買ってきて作ったものだから、大きくなりやたらに重い巣箱になってしまった。これを木の枝に設置するとなるとかなりの力が必要だ。
どうしたものかと思案を重ねること5か月。
(ウソ!重くて木に設置することを半分あきらめてしまった)
新しい年も迎え、春になる頃にまたまた小鳥がたくさんやってきた。
「よし。設置しよう。」
重さがあるため、思っていた場所よりもかなり低い位置に設置せざるを得なかったが、どうにか無事に設置することができた。
さあ、新築戸建てに入居してくれる小鳥さんはいるかなぁ・・・
まったくなし。近くにも寄ってこない。
設置から一年。あきらめかけた今年7月。
壊れかけた巣箱にシジュウカラが見学に訪れた。内覧もしている。
まさかの中古物件に。
やったー!双眼鏡を取り出し、家の中から二羽のシジュウカラが内覧している様子を観察する。
一年たってやっと巣箱がホルトノキと同化したのだろうか。
うれしくて次なる巣箱の制作に入ろうと考えている。
中古物件だけでなくやはり新築一戸建もあると賑わうのではないだろうか。
2棟目は小鳥に合わせて小さく、そして設置しやすいように軽い巣箱にしたいものだ。
翌日。中古物件はシジュウカラのお気に召さなかったようだ。
シジュウカラはいなくなってしまった。
小鳥の住宅事情も簡単ではないことを知った。