VRChatにおける謎「Dahlia」調査記録〔⑤花たちの世界〕[,Etc…]
「Jacket+ ⋔⟒⋔⍜⍀⟟⏃⌰」を後にした私は、ホリデーシーズンのプレゼントを片端から開いて周る幼子の様に、手に入れたDahliaワールドのポータルを巡っていた。
Dahliaのワールドといっても様々だった。
いままで紹介してきた「Hidden Dahlia」や「Jacket+ ⋔⟒⋔⍜⍀⟟⏃⌰」の様に、明らかにコンセプトに比重のかかったものから、「Life On Mars?」や「Hotline Miami Sunset」のように、まず世界観があり、その一要素としてDahliaが関わっているもの。
そしてこれから紹介するワールド群の様に、コンセプトとして要素的関係が比較的軽い(ともすればマークだけの使用)ワールドなどがあった。
※ここに紹介するワールドたちがその全てではなかった事を、ここに記しておく。
■Dahlia公式ワールド
Lonely Sakura
日の暮れ始めた桜林。特定の木の下で、桜の上へと上がれる。
デスクトップ使用時、カメラの視点変更が可能。
❁ jamais vu information
Peaceful Temple
ボクセルで構成された中華系の寺院。屋根の上に上がれる。
私は「宇宙服でスギ花粉を耐える二人」に見えたのだけれど、好きな画です。
Homerun House
ファンズワース邸をモデルに作られた水上邸宅。天気は曇りがち。
クローバーの花紋を持つ。「天竺牡丹」の代紋もある。
結局こちらにギミックがあったのかは未検証でした。
Furukawa Bread House
ゲーム・アニメ「CLANNAD」に登場するパン屋さん。
ほのぼのとした環境とは裏腹に、店内のいくつかの場所には不穏な場所がありますが、それが原作準拠なのかオリジナル要素なのかは未検証でした。
Morning Glory
完全にゲーム「龍が如く3」に登場する沖縄の児童施設あさがおの世界。
YAKUZA文化に興味があるのか、たびたび「それらしい」造形物を他のワールドでも見かけることになる。
Secret Base Anohana
アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」に登場した秘密基地の再現。裏手には他世界へのポータルがあり、ここからしかつながらないワールドがある。(次項参照)
KASAMI․ Apartment
前述の「Secret Base Anohana 」のポータルからのみ繋がったワールド。
ゲーム「mirror's edge」内の特定エリアを再現している。
「ブルーベル」の花紋が確認できたのは、ここのみとなる。
JRD Bar
何の変哲もないBarだが、とあるギミックを発動させると装飾関係の多くがゲーム「Street Fighter II」に登場するキャラ「ザンギエフ」のデザインに変化する。
Nectar
Flowers主要4名のうち一人「@Nectar」の由来かとも思われたワールド。
ブラックボックスと何やら未来的なカートリッジマシン、そしてテントが設置してある朝焼けか夕暮れの光に包まれたワールド。
原典は、「Joji & Diplo - Daylight (Official Music Video)」に出てくる後半部の映像。
❁ jamais vu information
Rest in space
多くの関係者と思われる者たちの写真が飾られたワールド。
特定の不穏なBGMをセットすると、視界が歪み、色味が荒む。
ミス・ダリアのTシャツに@Nectarを除く主要人物の名が確認できる。
貴重な資料として、「Hidden Dahlia」の製作中スクショを見ることが出来る。
LO-FI Cyber Street
サイバーパンクじみた路地裏の一角がローポリで作られていたが、Quest対応ではなかった。後にリメイクされて、一時復活を遂げた。
LO-FI Balcony
作業と睡眠がはかどりそうなベランダ。一時的に復活を遂げた。
PenTor Condo
モデルハウスのように整頓された部屋。関係者か装飾品か判らない大判の写真があり、肖像権に配慮した撮影に困った憶えがある。
Lonely Ramen
当時はQuestにも対応していた印象的なワールド。暗い丘の中に屋台が一つ。暗さゆえに打ち上げる花火が印象的。一時的に復活した。
Ghost II - 13
ただ広い広い地平に、この情報版と、長い影だけが静かに残っていた。
原典は、「Nine Inch Nails」の「13 Ghosts II」
The Platform (El Hoyo)
原典は、映画「The Platform」。
立てに連なる334階層からなる長大なワールド。最下層にDahliaの意匠。
映画を知っていれば、それに関する特定階層で、意味深なアイテムを見つける事ができる。本編で言及はされないが、とても聖書の一説との親和性が高いようだ。
Sweet Paradise
所謂お菓子の国。
Dahlia世界の中では異色だが、逆に黒情報版とDahliaの意匠が、ギャップ萌えならぬ、ギャップ不穏を演出して個人的には好きなスポット。
The Dragon Lake (龙湖)
Dahliaシリーズに登場する中で、最も大きいDahliaの意匠を持つワールド。
龍の居なくなった龍湖。守り神の退いた後に住もうたのは、新たな神か、いや神ならざるものか。
Rest on me
数少ないQuest対応したDahliaワールド。寝所とレストスペース。そしてプールのシンプルな造りだ。
City Apartment
高級な調度品。丁寧に区分けされたスペース。いったい誰が使っていたのか。ヒントは寝所に掲げられた写真のみ。
Road Trip in Nevada
Dahlia謹製のガソリンスタンド。傍らに駐車された車両内で眠れるように設計されている。過去の記録を辿ると、このワールドのオーナーが「Jacket68426209」だったことがわかる。
Lost in the La' Mories
山中のキャンプ地、Dahliaマークこそあるが、不穏な要素はワールドの説明文のみ。
Abandoned․․․
荒廃した倉庫。中は広く中央に大きな動画プレイヤーが設置されている。
Woo-jin's Penthouse (우진의 펜트하우스)
原典は映画「オールド・ボーイ」。
劇中のラストシーンの舞台になるペントハウスの再現。
特定のアイテム、写真、扉等、順序良くインタラクトしていくと、最後のパスワードに挑戦できる。パスが解除できれば門が登場する。
映画はリメイク化もされている。
The Intro
「intro」とは「introduction」つまり導入部の事を意味する。
ここでかつてのFlowers達が寄り合って世界の構築を話し合ったのか、それとも、そう思わせたい誰かの思惑か。
上階へ向かうためには昇降機を起動させなくてはならないが、不穏な表示が目に付く。
「infinity elevator」
クリックすると、照明が暗くなり振動と共に「永遠に」上がり続ける体験ができる。
通常の昇降機を上がった先には、物々しい雰囲気の部屋。
「天竺牡丹」の「代紋」と私が呼んでいたのは、ひとえにこの部屋が「そのもの」らしい作りをしていたからだ。
■Dahlia非公式ワールド
「Farewell」で正式に関わる4名についての言及があったが、仮にその四名の保持するワールドを本流とした場合、一番最初に紹介した「cat tail」や、この後紹介する「Please Forgive Me」など、はそれ以外の言わば支流に位置するワールドを私は定義付けた。
特に、異色な「Summer Time Record」、「Japan Shrine」についてはまた今後、別項にて紹介する予定。
Please Forgive Me
花たちに囲まれた教会。傍らに墓標があり、起動するとベッドが出現する。
教会内には意味ありげな数字の配列があるが、解明には至っていない。
未確定情報だが、この「Please Forgive Me」もかつては「Jacket68426209」がオーナーだったようだ。しかしそう考えると、この頃にはjakcet+の墓標は無かったのかもしれない。
関係は無いのかもしれないが、ここの教会が、「Hedden Dahlia」内のBGMであるゲーム「Far Cry 5」の曲があてがわれた教会に似ている。
Aromerican Diner
「ダリアバー」の様に、謎とは関係なく憩いの場となる素敵なワールド。
壁に飾られたダリアの花をクリックすると謎解きが始まるファンメイド世界。
バーチャル9ket
かつて私と同じくダリアを探していた先輩「pchan949」さんが作ったワールド。最初はFlowersの一人かと疑っていたのですが、結局は先輩もまた一人の探索者でありました。
water_room
camp_fire
彼岸
Japan Shrine
"Dahlia" と "ID(アイデンティティ)" の交差点。その成り立ちから不穏な謎を腹に抱えている。IDもまた深い深い深淵なので、立ち入る際は覚悟を決めてお進みください。
夕暮れの風車-a windmill at sunset
外からは分からない位置にマークを隠した粋なワールド。
内通者の手引きで判明するこういった隠し要素は大好物です。
LXC_INCRY
Sala Pak Jai EVO
古くからあったDahliaマークのワールド。Dahlia発生の輪郭を語るには外せない二つのワールド。
オーナー名がよく変わるワールド。
当初訪れた時は、天竺牡丹の代紋しか発見できなかったので、Dahliaワールドなのか決めかねていたのですが、「手順」を辿る事により。ギミックが起動することが後に判明した。
現存するワールドなので、詳細はあなた自身の体験として確かめて欲しい。
Shutdown
時間経過と、メモリーオーバーのギミックで、非常にうまく焦燥感を煽ってくるワールド。
ワールド内で使われたMVの3つまでは出典が明らかになったが、4つ目の映像が解らなかった。
特徴的な街路を画像検索にかけてもみたが、有益な情報は得られず。こういった時にストリートビューから場所を特定するような特殊能力が欲しくなる。
後に復活を遂げ、やはり4番目の映像が新しくなり、より謎が深まった。
Replaced
彩度を落とした落ち着きのあるベッドルーム。
Dahlia要素はマークだけだが、なぜか印象に残るワールド。
後に復活を遂げた。
13e8qU
削ぎ落した空間の美しさに、シンプルな構造ながら心惹かれてしまうワールド。原典は「Hidden Dahlia」と同じくNick Stathさんのコンセプトデザイン。
https://www.artstation.com/artwork/Vg9DNX
■未確認旧世界
調査を進める過程で、出所が判らない情報、画像もいくつか手に入った。
世界がその時点で消えているとの情報もあり、自分の初手が当然ながら遅きに逸したのを感じていた。
- The investigation will continue. -
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