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VRChatにおける謎「Dahlia」調査記録〔⑥煉獄〕[Lost Signal]
前回、Dahliaの大枠を俯瞰するアプローチをした。その数々のワールドの中でも、特に掘り下げるべき場所がいくつかああった。
Lost Signal
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@Nectar
FirstContact:
このワールドは、以前より因縁のあるワールドだった。
Flowersの主要人物を特定するために、ツイッターの過去をさらっていた時だ。
#HiddenDahlia調査記録
— Quieter/クワイエッタ (@_Quieter_) August 9, 2021
失われた過去の呟きを辿っていると、以下を見つけた。
「Jacket+ Hydrangea+ Zion_ @Nectar @Jacket68426209 ・ 20:19:07 ・ Twitter Web App. New Update World : Lost Signal Quest Compatible」
やはり、少なくともこの4アカウントが、関係者だ。https://t.co/hUZ4k7Tyfl
この「Lost Signal」にDahliaの主要メンバーとあたりを付けた四名が、関わっていることが判明したのだ。
何か無いはずがない…
現地に降り立つと、既視感にとらわれる。
この部屋の構図を、いままでのDahliaワールドのいくつかに掲げられた、記録写真の中に見たことがあったからだ。
輝くハートに植物の根の様な黒い触手たちが絡みついている。
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失われた信号。
何故失われたのか、何から失われたのか…
このヒントの最初の手掛かりは、このワールドの概要部分に隠されている。
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何を表しているんだ?と疑問に持つ方、すぐに気付かれた方、様々かと思いますが、これはモールス信号。
どのサイトでもいいので、欧文モールス符号の参照ページを開いたなら、上記のメッセージを読んでみて欲しい。
理解できる単語が並んだことと思う。
気を取り直し、いよいよ中央部の禍々しいハートの奥に手を差し込むと、何かが触れる。
鼓動する臓腑をゆっくりと握りこむような感覚。
トリガーで最後まで起動すれば、世界が様相を変える。
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昏い波動。
赤黒い流動が、この世の全てを呑み込もうとしているのか、または、這い出ようとしているのか。
部屋全体も視覚も同じく赤黒く霞がかり、一瞬煙の立ち込める火災現場にいるかと錯覚する。
怨嗟の唸りを上げる禍の中心からじりじりと離れ、壁にたどり着くと、ただ一つだけ隅に取り残されたものに気付く。
Dahlia世界ではお馴染みの、情報黒板だ。
最初に降り立った時は、たいして何かが書かれていた訳でもなかったはずだが、世界が変容した後では何かが違う。
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目を凝らすと見えてきたのは、点と線の集合体。
明らかにモールス信号だ。
取り急ぎ、出来るだけ明瞭に映る角度で撮影をしたのち。
私は次のワールドへと移動した。
・・・・・・・
その日の探索を終え、撮った写真を参照しながら、モールス信号を手作業で解読してゆく。
並んでいくアルファベットの羅列。
解読中は意味のある単語には思えなかったそれは、
俯瞰してそれが「単語」ではなく「文章」だったとわかった瞬間、
背筋に最高度に嫌な汗がにじんだ。
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「Lost Signal」.
失われた信号。
何故失われたのか、何から失われたのか、
そして何が失われたのか。
私は目を閉じ、冷え切ったコーヒーを飲み干し、その日の探索を終えた。
- The investigation will continue. -
◇無言者の走り書き
追記情報:
長くアクセス不可だったが、後に一時的に復活、グレードアップを遂げた。
世界改変の種類と中央部の回転機構、それに伴いメッセージシグナルも「何か違和感のある」ものになった。
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それが一体どういった表現かは、今一度、あなたの目で確かめてきて欲しい。
※現在では、「Edge of Memory」のワールドから選択制ポータル限定でアクセス出来るようになっています。「Nectar」→「Lost Signal」で選択し、世界に進入してください。
・モールス信号
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