リケジョの裏話 4
第四談
二度あることは三度ある?
3回目のキスまで、当たり前のように、そう時間はかからなかった。
この頃から私は、もうキスの回数を数えていなかったし、彼は、遠慮のかけらもぎこちなささえも失っていた。
私たちは、どこまででも向こう見ずな、馬鹿な男女になってしまった。完全に、「秘密の関係」にハマってしまった。
特に、私は。
彼は、欲を持て余してるだけだったのかも、しれない。
そんなズレはここではどうでもよくて。ただ、体を合わせられれば、それでよかった。
もしかして、これって、1番単純な関係なのかもしれない。
わたしは、少し情が絡んでいたけど。
もう3回目のキスのことは覚えていない。
彼の席だったのか、立ったままだったのか、実験室なのか解剖室なのか。
ただそこにお酒がなかったことだけが確実で、
つまりそれは、彼が一つ、大きな言い訳を失ったことになってしまった。
甘い口付けの中、なぜか頭だけは冴えていて、いいのかな?と何回目かの疑問が浮かぶ。
いいのかな?いいのね?
私は知らないよ?
その疑問を口に出すのも無駄と思うほど、
彼の全てがYesと言っていた。
本気にしなければ大丈夫、そう思って、
ゆっくり口付けた。
決して、そこまでで止めるけれど。