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ゆうらん船・サブマリンから見る遠い時間と言葉の成分

いつかこんなことを聞いた。


眠りにつく前、ふと不安や孤独に押し潰される様な時があるだろう。そんな時は遠い所に流れている時間を想像すると良い。

夜の海、日向ぼっこしている猫、夢を見ながら眠る少女、抱き合う老夫婦

世界のどこかにはそんな時間が存在している。

それを考えるだけでも、気持ちは少し楽になるだろう。


みたいな感じだった気がします。


凄く印象に残っているんですよね。


忙しない日々と、どうにもならない感情。
生活の中で平穏を保つことは難しい。

それを和らげてくれる、素敵な考え方だなと。


ゆうらん船の音楽にもそんな力があると僕は思う。

ゆうらん船 「ゆうらん船」

「サブマリン」
風が乱暴に吹いてるのでね
来てみたよ 波間見合って
かすむ浮き上がるを繰り返した
あの娘の名前を
書いて忘れた

消えてくるだろう
消えてくるだろう
サンライズ僕らの
若い言葉も
あまい涙もあげよう
色褪せたら
その時は捨ててと
君は言うけど

おおサブマリン
きこえているのかい
あの娘の言葉が
きこえてるのかい

夢の中でも
夢の中でも
花束を花の言葉を
離れ集まってを繰り返した
カモメも眠った
日々がまくれた

おおサブマリン
きこえているのかい
あの娘の言葉が
きこえてるのかい

夢魔と手を繋いで
海底のあの向こう側
どうか歌を紡いで
紺碧を照らすかもしれないから

おおサブマリン
きこえているのかい
あの娘の言葉が
きこえてるのかい

おおサブマリン
きこえているのかい
あの娘の言葉が
きこえてるのかい


この曲は優しい。
どこまでも透き通っている。

果てしなく広がる水平線を眺めながら、
一定の間隔で寄せる波の音を聞いている時の様な 

そんな安寧がある。


言葉には成分があると思う。

ありがとうに似たごめんね とか
ごめんねに似たありがとう とか


その時はどうしようもなかった
そう伝えるしかなかった
どうしても受け取って欲しかった思い


屈折して、最悪な結末になってしまったこと


みんなあるんじゃないですかね。

少なくとも僕にはある。


潜水艦の様に
沈んだり、浮き上がったりする僕らの日々

その渦中で

僕の言葉があの娘に届いて欲しい
あの娘の言葉が僕に届いたら良い


その言葉の成分を、聞き紛うことがない様に
伝え紛い、傷つけることがない様に


生きていきたい。


僕はそんな人になりたいです。



どうか彼らには歌を紡いでいって欲しい。
きっと誰かを照らしていくと思う。

イタル君の声も良いんだよなぁ

特別な力を持っているバンドだと思うから。


主にフォーク、ポップスを掲げてここまで独創性があるバンドも近年珍しいんじゃないんですかね。

心象的で繊細な歌詞やメロディーも良い。

鍵盤が2人いるのも構成として珍しいですよね サブマリンのラストのピアノソロとか最高だし。



忘れてしまった、大切な何かを取り戻せそう

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