持っててよかった博士号(私の場合)
研究をやりたいけど、博士になっても仕事があるかどうか、、、
というのが、博士課程進学の際の大きな悩みですよね。
特に、少子化真っ只中の日本、大学も規模縮小傾向、常勤教員への狭き門。人員削減による深刻な人手不足で多忙な教員生活。博士号取れたところで、生活していけるのか?結婚は?出産は??
私は、修士号取得後、一旦一般企業に入社しましたが、研究が好きで戻った出戻り組です。最後は、どうにでもなれー!と半ば勢いで博士課程に進学しました笑(しっかり人生考えぃ!)
当たって砕けろな選択でしたが、博士課程に進学し、博士号を取って、本当によかったと今は思います。
私は現在非常勤講師です。もちろん、最初から非常勤を目指していたわけではありません。人生の帰路でその都度自分の好む方を決断してきてたどり着いた現在ですが、全く悔いはありませんし、ここまでの人生に大いに満足しています。
以下に、博士号(しかも倦厭されがちな「文学」!)を持ってよかった理由2点を、後に続く方の何かしらの参考になればと思い、書きます。
① いつでもどこでも比較的職がある
博士号をとっても職がないとはいわれますが、非常勤講師であれば結構あるんじゃないかと、個人的には体感しています。特に私の場合、博士号取得とほぼ同時に結婚し、旦那の転勤、子どもの病気による引越し、そのたびに新しい土地に行きましたが、大学非常勤の職を得られました。不安定ではありますし、お給料も高いわけではありませんが、自分のペースで仕事ができ、状況によって仕事の割合を自由に変えられるのは、家族を持つ私にとっては非常に有難いことです。非常勤講師なので、事務的な業務やイレギュラーな仕事はなく、周りの方ともちょうどよい距離感で、あまりストレスなく仕事ができています。自分の好きな分野で稼ぐことができるのは幸せです。
ただ一つ、仕事とのめぐり合わせがよくなるように、良いなと思う人とのご縁を大切に、フットワークは軽く、笑顔で気軽に自分からチャンスに飛び込んでいくのは大切だと思っています。
また、非常勤講師のさらなる給与と生活保障の改善は、大学の教育と研究の重要性と共に、この先も訴えて続けないといけないと思います。
私の平凡で山あり谷ありの人生に博士号がどう生きたかはこちら↓
② 仕事を要領よくこなすスキル、生きるスキルが(かなり)身についた(と思う)
とにかく、博士課程では多くの経験をし、もみにもまれます。そこで本当に色々な社会スキルが身につきました。
・調査能力、情報収集能力
・論理的思考能力
・説明力、言語化能力
・プレゼン力
・目上の人や周りの人とのコミュニケーション能力(世渡り能力)
・イベント開催力(研究会から学会補助)
・スケジュール管理
・国内外の個人旅行の慣れ
この中でも、特に調査能力と情報収集能力、論理的思考能力は、研究だけでなくその後の人生で大いに役立っています。研究者でなくても生きていける、大きな自信に繋がっています。
この2点、たかが2点ですが、たとえ研究分野以外でも最低限生きていける自信に繋がるものを得られたことは、本当によかったと思っています。
博士過程進学に悩む方、特に女性の方、将来に不安はあると思いますが、それは運命みたいのもありますし、その帰路に立ったらその時々で自分に素直に最善を選択する!というのが私のやり方でした。そんな中で博士過程で学べたこと、博士号を取得したことは、大きな財産になりました。