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【新入生へ】早稲田大学法学部はキツくない話
2月24日は早稲田大学法学部の合格発表日ですね。合格された方へ、おめでとうございます。そして進学を決めた方へ、ようこそ。
早稲田大学法学部について検索すると、検索候補に「きつい」や「大変」、「忙しい」など何やら不穏なことが書かれています。しかし、もう直ぐ3年生になる私に言わせてみると、「そんなわけがありません」。
今回は、早稲田大学法学部がきついと言われていることについて、真っ向から否定したいと思います。
大学で使われるスラング集
少しでも理解しやすくするために、この記事で使われる大学のスラングを少し解説しておきます。
・コマ
講義(授業)の回数を表す単位。週1回の講義なら「週1コマ」、週2回なら「週2コマ」という。
・半期/通年
高校でいう「◯学期」のことである。弊学は春学期と秋学期に分かれており、そのどちらか一つを指す場合、「半期」という。その両方を合わせて1年間を指す場合「通年」と呼ぶ。
また、弊学はさらにこの春学期と秋学期を2つずつ分ける「クォーター制」も採用している。春学期は「春クォーター」「夏クォーター」、秋学期は「秋クォーター」「冬クォーター」としている。これは半期の中でもさらに半分の期間しか講義が行われない講義に使われる用語だが、法学部で設置されている講義のほとんどは半期丸ごと授業を行うため、スルーして良い。
・フル単(広義)
半期で卒業単位に含められる単位数の最大値分を履修すること。弊学の法学部は20、21、22単位のいずれかで、通年で44単位を卒業単位に含めることができる。オーバーすると「自由科目」として卒業単位に含まれることはない。
・フル単(狭義)
自分の履修した科目すべてで単位を取り切ること。某関学の"抵抗"系のYouTuberがフル単を取る学生を優秀としているが、実は多くの学生がフル単を取れている。
・落単
履修している科目で単位を落とすこと。大半は「試験勉強をしていない」、「出席必須の授業で出席をしていない」など、己の怠惰さが原因である。
・楽単
楽に単位を取れる講義のこと。法学部だと試験でヤマを張りやすかったり、成績評価で平常点の割合が高かったりする講義などが楽単とされている。
・語学
外国語の講義を指す。弊学は必修である英語と第二外国語(中国、フランス、スペイン、ドイツ、ロシア、韓国)の講義両方をひっくるめて「語学」という。
※おすすめは中国語である(潰しが効くし楽な先生が多いから)。逆に絶対に選択してはいけないのがドイツ語とロシア語である(難しいから)。
・平常点
出席や課題の提出状況で評価される点数のこと。平常点があると、仮に期末試験の成績が悪くても保険になることから、多くの学生からありがたがられている。
・必修科目
卒業までに絶対に単位を取らないといけない科目のこと。全て取りきれないと卒業できない。法学部の必修科目は法律が7割を占めていて、残りが語学である。
・法的三段論法
法律の試験は基本的に論述式である。そしてその論述の仕方に規定があり、それが「法的三段論法」である。
簡単に書くと「事件の概要を説明し論点を示す→解答で使用する法律の条文について、適用できる条件を示す→法律の条文が当該事件に適用できるかどうか当てはめをする」と言う流れである。
この方法で書けていないと落単する可能性が高いが、簡単に習得できる。
早稲田大学法学部がきついと言われる理由
ここでは早稲田大学法学部が「きつい」、「卒業が大変」と言われている原因について解説します。
①平常点がなく、試験100%で成績が決まる講義が多いから
これは他の大学の法学部にも言えることですが、特に法律科目の講義は、単位が来るかどうか(成績)が100%試験で決まるものが多いです。他の学部はどうなのかというと、平常点が試験とは別に30〜50%以上含まれているか、課題で100%決まる講義がジャンルを問わず多いので、試験の負担は少ないです。
試験100%とはすなわち、「出席や課題を真面目にこなしても単位が来ない可能性がある」という意味です。しかも大学の試験は高校と異なり、100点満点中60点以上を取得しないと単位を取得できません。そのため法学部の学生は、他の学部の学生が試験直前になっても遊んでいるのをインスタのストーリーで下唇を噛みながら眺めつつ、抽象的で難解な法律の知識を頭に叩き込む必要があります。
②卒業単位が他の学部より多いから
早稲田大学法学部の卒業単位は136単位です。他の学部は基本的に124単位です。そのため、法学部の学生は他の学部の学生より少し多く授業を履修する必要があります。"真面目に授業に出席するなら"、友達と遊ぶ時間やバイトを入れる時間が、他の学生より短くなってしまうため、比較して悲しくなります。
③語学の必修が多いから
法学部は必修の語学の授業が弊学の中でも屈指の多さを誇ります。他の学部では1年生で終わる場合が多いですが、法学部は2年生の終わりまで撮り続けることになります。しかも人文系の学部ですら週4回しか講義がないところ、法学部は週5〜7回もあります。
語学(英語、第二外国語)の授業は正直出席して課題を出せば取れる楽単授業が多いので、そこまで負担ではありません。ただ最大のデメリットとして、「コスパが悪い」ということが挙げられます。法律科目や一般教養の科目は、週1回(コマ)の授業に対して単位が2単位来ます。対して語学の授業は週1コマの授業に対して1単位しか来ません。しかもその講義が1年生だと週に最低5コマ以上あるので、フル単を取ろうとすると、コマ数がかなり膨張します。
※基本的にフル単(広義)を取ることをおすすめします。卒業単位を取り切れる時期が早まるためである。
早稲田大学法学部がキツくない理由
ここまで法学部がきつい理由を列挙してきましたが、実はそんなことはありません。
①授業に行かなくて良いから
前章の①で、試験100%の講義が多いと言いましたが、裏を返せば「出席しなくとも試験さえ頑張れば単位は来る」ということです。出席すれば試験勉強が"多少"楽になりますが、結局定期的な復習をしないと忘れて試験前に詰め込むことになるため、出席の有無が試験勉強の負担にさほど影響しないことがわかります。逆に平常点のある方が、出席や課題を定期的にこなさないといけなくなることから、むしろ面倒臭いと感じることもあります。
そのため、法学部の特に法律科目の授業は出席率が著しく低いです。おそらく講義を履修している学生のうち1〜2割ほどしか出席していない可能性があり、その出席している学生のうち半分以上はスマホを触っていたり、パソコンで講義と関係のないものを見ています。
※これは法律科目に限った話です。一般教養や語学の授業は平常点が成績評価の大半を占めている場合が少なくないので、出席や課題をこなさないと詰みます。
②そもそも試験の難易度が低いから
前章の通り法律の知識を詰めないと、試験で恐ろしい目を見ることになります。しかし、そのくらいの勉強で十分です。
試験を採点するのは一人の教授によって行われます。教授の中には採点が適当な先生も少なくありません。あまりに論点から大それた解答を書かず、人間が読める最低限の綺麗さの字を書き、解答用紙を裏の半分くらいまで書けば、正直単位は来る可能性が高いです(私の肌感覚ですが)。
最後に
ネット上で散々「きつい」や「大変」と言われている早稲田大学法学部ですが、授業に出席しなくてよくて、暗記だけをこなせば試験はだいたいパスできるので、私はそこまで大変ではないと思います。法律について興味があって、法学部を志望している方は自信を持って進学してください。