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前に進むために人生を振り返ってみる ライフラインチャート

次の進むべき方向が見えない時、何かに迷っている時、転機を乗り越えたい時・・・そんな時はこれまでの人生を振り返るという作業がとても有効だと思う。

人生を振り返り、ゆっくりと思いを巡らす時間は、どこかの時点で置き忘れた自分をもう一度拾いあげ、意味を見出す貴重な時間になる。

方法の1つとして、ライフラインチャートがある。キャリア相談の場で自己理解のためのツールの1つとして利用されている。

ライフラインチャートの作り方

下図はライフラインチャートの一例。0歳〜現在の年齢までを10歳毎に分け、子供時代なら学校のことや好きだったこと、印象に残った出来事等記入。社会人になってからは、仕事内容、実績、プライベート領域での出来事等を記入していく。

今回は60歳までの人生をシート1枚にまとめたため、記入枠自体小さくなったが、2枚に分けてもいいし、年齢に応じて自分のやりやすい方法で実践して欲しい。

ライフラインチャート(例)

一番下の幸福度については、幸福度の高い時は10、低い時は0と設定し、フリーハンドで描き人生の波を可視化していく。

描いた線の山と谷の部分に吹き出しで理由を書いていく。幸福度が低い時は何があったのだろう。逆に高い時はなぜ高かったのだろう。

一つ一つの出来事全ては今の自分に繋がっている。山や谷に共通するパターンはあるだろうか?低い谷からどうやって上っていったのか?

このチャートを作成する作業で、自分自身への理解が深まり多くの気づきが得られると思う。

NHK「最後の講義」で使われていたのは

先日宮本亜門さんが出演されたNHK「最後の講義」という番組。熱量の高い講義に思わず惹き込まれてしまった。その講義で使用されていたのが、人生を俯瞰するためのライフラインチャートだった。

宮本さんはこのチャートを人生グラフと命名していた。参加者全員が講義の前に課題として記入し持参。この人生グラフを媒介に、参加者ひとり一人の人生のストーリーを導き出していく。

そして辛かった人生の一場面を他人に演じてもらい、自分の役柄を外から客観視するという手法を使い、魔法のようなワークで参加者の心を癒していく。正に演出家のお家芸といった内容だった。

番組を見てあらためて感じたのは、人は人生の底と感じる時にとても大きく学ぶことができる、ということ。それを振り返って認識する作業は、自尊感情を高め、生きる気力や勇気、自信を取り戻せると感じる。

ライフラインチャートを作成するメリット

ライフラインチャートを作成するメリットとして、記事の最初に書いたように、これからの進むべき方向が見えない時や何かに迷っている時に、これまでの人生を一度棚卸しして俯瞰する作業をすることで、自分の強みを再発見したり、本当にやりたかったことを思い出したりと、なんらかの解決のヒントを得られるということが挙げられる。

また、人生の満足度が低い状態からどうやって状況を好転させたのかを思い出す事で、自己肯定感が上がり、自分は人生の課題に対処できるんだという自信が生まれる。その人がどういう人生を歩んできたのかで得られるメリットは様々に展開すると思う。

一人で行うこともできるが、できたら信頼する人やプロのキャリアコンサルタントにチャートを一緒に見てもらいながら掘り下げていくと、自分だけでは得られなかった視点も得ることができ、非常に有効だと感じる。

一度時間を作って人生を振り返る作業に取り組んでみてることをお勧めしたい。


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