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全宇宙崩壊戦記:無邪気な全王と狂信の神、運命を賭けた最終決戦!


第1話: 黒帝の降臨

平穏な日々への侵略 - 地球に突如現れた漆黒の帝王

太陽が燦々と輝き、鳥のさえずりが心地よく響く地球。孫悟飯は、愛娘のパンと共に公園で遊んでいた。穏やかな空気が二人を包み込み、平和な時間が流れている。

「パパ、もっと高く!」

パンの無邪気な笑顔に、悟飯も自然と笑みがこぼれる。しかし、その平和な時間は、突如として終わりを告げられた。

空が暗雲に覆われ、大地が震え始めたのだ。

「一体、何が…!」

悟飯が警戒の色を浮かべた瞬間、漆黒の閃光が空を切り裂き、公園の中心に降り立った。爆風が巻き起こり、周囲の木々がなぎ倒される。

ゆっくりと煙が晴れていくと、そこに立っていたのは、禍々しいオーラを纏ったフリーザだった。しかし、その姿は以前とは全く異なっていた。全身は漆黒に染まり、黄金のアクセントが、まるで悪魔の装飾のように輝いている。

「ホホホ…ご機嫌よう、孫悟飯。久しぶりですね」

ブラックフリーザは、冷酷な笑みを浮かべながら悟飯を見下ろした。その圧倒的な威圧感に、悟飯は息を呑む。

「フリーザ…!貴様、一体何をしに来た!」

悟飯はパンを抱きしめ、ブラックフリーザを睨みつけた。

「私としたことが、随分と甘い蜜に浸かっていたようですね。平和ボケとは、あなたのような者を言うのでしょう。しかし…それも今日までです」

ブラックフリーザは指を一本立て、エネルギーを集中させた。その指先から放たれる強烈な気を感じ、悟飯は危機感を募らせる。

「あなた方には絶望という言葉がお似合いですね」

ブラックフリーザは、そう言い放つと同時に、指先から破壊の光線を放った。

希望の光、悟飯の決意 - 家族を守るための覚醒

破壊の光線は、悟飯とパンに向かって一直線に迫る。悟飯は咄嗟に防御の構えを取った。しかし、ブラックフリーザの力は想像を遥かに超えていた。

「うわあああ!」

衝撃波が悟飯を襲い、彼は吹き飛ばされた。それでも、パンを庇うように抱きしめ、地面に叩きつけられる。

「パパ!」

パンの悲痛な叫びが、悟飯の胸に突き刺さる。悟飯は必死に立ち上がろうとするが、全身を激痛が走り、思うように動けない。

「ホホホ…情けない。かつてのセルゲームで私を追い詰めた男が、今やこのザマとは。実に嘆かわしい」

ブラックフリーザは、悟飯を嘲笑うように見下ろした。その言葉に、悟飯の怒りが沸々と湧き上がってくる。

(くそ…!このままじゃ、パンが…みんなが…!)

悟飯は己の不甲斐なさに歯噛みした。しかし、その時、パンの言葉が彼の心に響いた。

「パパ、大丈夫だよ!パパならできる!」

パンの純粋な瞳が、悟飯を見つめている。その瞳には、確かな希望が宿っていた。

悟飯は、その希望に応えるように、再び立ち上がった。

「僕は…僕はもう逃げない!みんなを守るんだ!」

悟飯の体から、今まで感じたことのない強大なエネルギーが溢れ出す。白かった髪がさらに長く伸び、野性的なオーラを纏い始めた。その姿は、まさに覚醒した野獣そのものだった。

「これは…まさか、ビースト…!」

ブラックフリーザは、悟飯の変化に驚愕の色を隠せない。

「面白い。その程度の力で私に立ち向かおうというのですか?愚かですね」

ブラックフリーザは余裕の表情を崩さず、悟飯に挑発的な言葉を投げかける。しかし、悟飯は冷静に答えた。

「試してみるさ…!僕の全てをかけて!」

悟飯(ビースト)は、ブラックフリーザに向かって突進した。

全王様の御心 - 破壊か、それとも…?

激突する悟飯とブラックフリーザ。その激しい戦いは、地球全体を揺るがすほどだった。

一方、はるか上空の界王神界では、ウイスがその様子を静かに見守っていた。

「ふふ、フリーザ様、また何か企んでいらっしゃるようですね?」

ウイスは、いつもの穏やかな笑みを浮かべている。その隣には、ビルスが退屈そうに座っていた。

「全く、騒がしい連中だ。少しは静かにできないのか」

ビルスは不機嫌そうに呟いた。しかし、その視線はしっかりと地球に向けられている。

そして、その遥か上、全宇宙の中心に位置する全王様の宮殿では、全王が退屈そうにしていた。

「ねえねえ、ウイス。なんか面白いことない?」

全王は、側近のウイスに問いかけた。ウイスは微笑みながら答える。

「全王様、ただ今、孫悟飯さんとフリーザ様が戦っております」

「えー!ほんと?見たい!見たい!」

全王は目を輝かせ、宮殿の鏡に地球の様子を映し出した。

「わー!悟飯、頑張れー!」

全王は無邪気に悟飯を応援する。しかし、その無邪気さこそが、宇宙の運命を左右する力を持っている。

「ねえねえ、ウイス。フリーザが勝ったら、この星、壊しちゃっていい?」

全王の何気ない一言に、ウイスは少し困ったような表情を浮かべた。

「全王様、それは…」

ウイスが言葉を濁していると、全王はさらに無邪気に続けた。

「あ、でも、悟飯も頑張ってるからなぁ…。うーん…」

全王は、腕を組んで考え始めた。その小さな頭の中では、宇宙の命運を左右する決断が、今まさに下されようとしていた。

その頃、地球では、悟飯とブラックフリーザの戦いが、ますます激化していた。果たして、悟飯はブラックフリーザを倒し、地球を守ることができるのか?そして、全王はどのような決断を下すのか?

次回、「ビーストvsブラック」にご期待ください!

第2話: ビーストvsブラック

限界突破の激突 - 孫悟飯(ビースト)とフリーザ(ブラックフリーザ)の死闘

瓦礫が舞い散る荒野。孫悟飯(ビースト)は、白く長い髪を逆立て、野性的なオーラを全身から放っていた。対峙するのは、漆黒のボディに黄金のアクセントが輝く、ブラックフリーザ。その異様な姿は、周囲の空気を凍りつかせるほどの威圧感を放っている。

「ほほお…これが、噂のビーストとやらですか。なかなかどうして、悪くはない。しかし、私に勝てると本気で思っているのですか?」ブラックフリーザは、優雅な笑みを浮かべながら悟飯を見下ろした。その目は、獲物を定める猛禽のように冷酷だ。

悟飯は、静かに拳を握りしめた。「フリーザ…貴様のような悪は、絶対に許さない!」その声は、怒りに震えているというよりも、固い決意を秘めているかのようだった。

ブラックフリーザは、さらに嘲笑を深めた。「面白い。ならば、その決意とやらを、私に見せてみなさい!」

刹那、悟飯が大地を蹴り上げた。凄まじい速度でブラックフリーザに肉薄し、渾身の力を込めた拳を叩き込む。

「ハアアアア!」

しかし、ブラックフリーザは微動だにしない。その拳は、ブラックフリーザの体に触れる寸前で、見えない壁に阻まれたかのように止まった。

「甘いですね。その程度の力では、私を傷つけることすらできない。」ブラックフリーザは、涼しい顔でそう言い放ち、指先で悟飯の拳を弾き飛ばした。

衝撃波が周囲を吹き飛ばし、大地が揺れる。悟飯は、体勢を立て直す間もなく、ブラックフリーザの猛攻に晒された。

ブラックフリーザの攻撃は、目にも止まらぬ速さで繰り出される。悟飯は、かろうじてそれを防御するが、徐々に追い詰められていく。

(くそっ…速すぎる!パワーも桁違いだ!)

悟飯は、歯を食いしばりながら、ブラックフリーザの攻撃を凌ぎ続けた。だが、その表情には、焦りの色が浮かび始めていた。

遠くから、ウイスがその戦いを見守っていた。「ふふ、フリーザ様、またとんでもない力を手に入れられたようですね。悟飯さんの成長も著しいですが…果たして、どちらが勝つのでしょうか?」

ウイスの瞳には、静かな興奮の色が宿っていた。

絶望の淵 - ブラックフリーザの圧倒的な力

ブラックフリーザの攻撃は、ますます激しさを増していく。悟飯は、防戦一方となり、徐々に体力を奪われていく。

「どうしました?ビーストとやら。まさか、もうおしまいですか?あなた方サイヤ人の力は、こんなものなのですか?」ブラックフリーザは、余裕綽々に悟飯を挑発する。

悟飯は、息を切らしながら、必死に立ち向かおうとする。「まだだ…まだ終わらない!僕は…みんなを守るんだ!」

だが、その言葉とは裏腹に、悟飯の動きは明らかに鈍っていた。ブラックフリーザの攻撃を避けきれず、体に何度も衝撃を受ける。

ついに、悟飯は膝をついた。「ぐっ…!」

ブラックフリーザは、ゆっくりと悟飯に近づいていく。「あなた方サイヤ人は、いつも同じ過ちを繰り返す。無力な存在が、力を持つことに酔いしれる。そして、私に打ち砕かれる。」

ブラックフリーザは、冷たい視線を悟飯に向けた。「あなた方には、絶望という言葉がお似合いですね。」

ブラックフリーザは、悟飯にとどめを刺そうと、右手を振り上げた。その手には、破壊エネルギーが凝縮されていた。

その時、全王が現れた。「ねえねえ、悟飯、大丈夫?フリーザ、やりすぎだよ!」

全王は、ブラックフリーザを軽く睨みつけた。その視線を受けたブラックフリーザは、一瞬動きを止めたが、すぐに嘲笑を浮かべた。「全王様、これは遊びですよ。宇宙を少し綺麗にしているだけです。」

全王はむくれた顔で言った。「でも、悟飯がかわいそうだよ。もっと優しくしてあげて。」

ブラックフリーザはため息をついた。「仕方がありませんね。」そして、破壊エネルギーを込めた手を引っ込めた。

最後の希望 - 悟飯、奇跡を起こせるか?

倒れ伏した悟飯は、朦朧とする意識の中で、家族の顔を思い浮かべていた。

(父さん…母さん…パン…みんな…)

家族を守りたい。その強い想いが、悟飯の奥底に眠る力を呼び覚ます。

悟飯の体が、再び光を放ち始めた。それは、先程までとは違う、より強く、より激しい光だった。

「な…何だ…これは…!?」ブラックフリーザは、驚愕の表情で悟飯を見つめた。

悟飯の髪が、さらに長く伸び、逆立った。その瞳には、これまで以上の強い光が宿っている。悟飯のオーラは、周囲の空間を歪ませるほどの高まりを見せていた。

悟飯は、ゆっくりと立ち上がった。「僕は…絶対に諦めない!みんなを守るために、僕はもっと強くなる!」

悟飯の言葉に呼応するように、彼の背後に巨大なエネルギー体が現れた。それは、悟飯自身の姿を模した、巨大な幻影だった。

「ほう…面白い。まさか、この状況で、さらに力を高めるとは。だが、それもここまでです!」ブラックフリーザは、再び破壊エネルギーを練り上げ、悟飯に襲い掛かる。

だが、今度の悟飯は違った。ブラックフリーザの攻撃をやすやすと見切り、その拳を受け止めたのだ。

「な…馬鹿な…!?」ブラックフリーザは、信じられないといった表情で、悟飯を見つめた。

悟飯は、ニヤリと笑った。「さあ、ここからが本番だ!」

悟飯は、ブラックフリーザの拳を握り潰し、渾身の力を込めた一撃を放った。

ブラックフリーザは、吹き飛ばされ、瓦礫の山に叩きつけられた。

「グ…カハッ…!」ブラックフリーザは、口から血を吐き出した。

悟飯は、ゆっくりとブラックフリーザに近づいていく。「貴様の悪夢は、ここで終わらせる!」

悟飯は、最後の力を振り絞り、必殺技を放とうとした。その時、ウイスが二人の間に割って入った。

「おやおや、お二人とも、おやめになってください。全王様が退屈されていますよ。」

ウイスの言葉に、悟飯とブラックフリーザは、動きを止めた。

「チッ…」悟飯は、舌打ちをした。

ブラックフリーザは、不気味な笑みを浮かべた。「ふふふ…面白い。また、いずれお会いしましょう。」ブラックフリーザは、そう言い残し、姿を消した。

悟飯は、ブラックフリーザが消えた方向を睨みつけ、拳を強く握りしめた。

ウイスは、悟飯に微笑みかけた。「悟飯さん、見事でした。ですが、フリーザ様の力も、まだまだ底知れません。油断は禁物ですよ。」

悟飯は、静かに頷いた。「わかっています。ありがとうございます、ウイスさん。」

悟飯は、家族のもとへ帰るため、空へと飛び立った。

その背中を見送りながら、ウイスは意味深な笑みを浮かべた。「ふふ、これから、一体どんな展開になるのでしょうね?」

そして、宇宙のどこかで、ブラックフリーザは、静かに怒りを燃やしていた。「孫悟飯…覚えていろ。次は、必ず貴様を葬ってくれる!」

次回、全王様の遊び!宇宙サバイバルマッチ開幕!?

第3話: 天使の導き

ウイスの介入 - 戦いの行方を見守る天使

激戦の末、満身創痍の悟飯はブラックフリーザの圧倒的な力の前に膝をついていた。地球は破壊されかけ、仲間たちの気は消え入りそうだ。

「カカロットの息子とはいえ、所詮はその程度ですか。あなた方には絶望という言葉がお似合いですね。」

ブラックフリーザは高笑いを上げ、悟飯に止めを刺そうとする。その時、空間が歪み、ウイスが姿を現した。

「あらあら、フリーザ様、また何か企んでいらっしゃるようですね?少々度が過ぎているようですわ。」

ウイスは優雅に微笑みながら、ブラックフリーザの攻撃をいとも容易く受け止める。

ブラックフリーザは舌打ちをする。
「天使…邪魔をするな。これは私とサイヤ人の間の決着だ。」

「決着、ですか?地球を滅ぼしかけている時点で、ただの八つ当たりに見えますけどね。それに、全王様が退屈されています。あまり騒がしくされると、この宇宙ごと消されてしまうかもしれませんよ?」

ウイスの言葉に、ブラックフリーザは一瞬怯んだ。全王の名は、彼にとっても絶対的な脅威なのだ。

「チッ…覚えていろ、サイヤ人。今回は見逃してやろう。」

ブラックフリーザは捨て台詞を残し、空間の歪みに消えていった。

力を得るための試練 - 悟飯に与えられた課題

ウイスは悟飯に視線を移す。
「悟飯さん、今のあなたでは、フリーザ様には勝てませんね。しかし、潜在能力は素晴らしいものをお持ちです。もしよろしければ、私がお稽古をつけて差し上げましょうか?」

悟飯は驚きながらも、真剣な眼差しで答えた。「お願いします!僕にもっと力を!みんなを守れる力を!」

ウイスは微笑んだ。「よろしいでしょう。しかし、お稽古は生半可なものではありませんよ。あなた自身の限界を超える覚悟が必要です。」

ウイスは悟飯を自身のいる星へと連れて行く。そこは重力が地球の何十倍もあり、空気も薄い過酷な環境だった。

「さあ、悟飯さん。まずはこの環境に慣れるところから始めましょう。それができなければ、次のステップに進むことはできませんよ。」

悟飯は覚悟を決めた表情で頷いた。「やってみせます!」

過酷な環境での修行が始まった。重力に押しつぶされそうになりながらも、悟飯は一歩ずつ、着実に前へと進んでいく。ウイスは時折アドバイスを与えながら、その成長を見守っていた。

知られざる過去 - ブラックフリーザの力の源

一方、ブラックフリーザは一人、宇宙空間を漂っていた。

「あの天使…いずれ必ず邪魔をしてくれる。全王だと?笑止千万!私こそが宇宙の頂点に立つ者だ!」

ブラックフリーザは拳を握りしめ、過去を回想する。彼が今の力を手に入れたのは、ある禁断の儀式によるものだった。それは、他の生命のエネルギーを奪い、自身の力に変えるという、極めて邪悪な力だった。

その儀式を行ったのは、ある狂信的な神だった。その神は、フリーザの宇宙支配の野望に共鳴し、力を与えたのだ。しかし、その代償として、フリーザの精神はさらに歪み、冷酷さを増していった。

「神よ…お前は私に力を与えた。ならば、私はその力で宇宙を支配し、お前の正しさを証明してやる。」

ブラックフリーザの瞳には、狂気に満ちた光が宿っていた。彼の野望は、宇宙全体を巻き込む巨大な災厄へと繋がっていく。そして、その陰には、狂信的な神の存在が隠されていた。

次回の『全宇宙崩壊戦記:無邪気な全王と狂信の神、運命を賭けた最終決戦!』第4話「歪んだ正義」にご期待ください!

第4話: 歪んだ正義

フリーザの野望 - 宇宙の支配を目論む黒帝

漆黒の宇宙空間に、ひときわ異質な黒い影が浮かんでいた。ブラックフリーザである。彼の周囲には、かつて滅ぼした星々の残骸が漂い、その圧倒的な力を誇示しているようだった。

「フフフ…愚かな星々よ。抵抗することもなく、私の力の前に跪くとは。あなた方には絶望という言葉がお似合いですね」

ブラックフリーザは冷酷な笑みを浮かべた。彼の目的はただ一つ、全宇宙の支配。その野望を阻む者は、たとえ神であろうと容赦はしない。

「孫悟空…孫悟飯…そして、あの忌々しい破壊神ども。私を打ち倒そうなど、百年早い。このブラックフリーザが、新たな宇宙の支配者となるのだ!」

彼の言葉には、絶対的な自信と狂気が入り混じっていた。

憎悪の連鎖 - フリーザの過去と復讐心

ブラックフリーザの脳裏には、過去の屈辱が鮮明に蘇る。何度も蘇り、その度に悟空やサイヤ人たちに打ちのめされた記憶。

「あの時の屈辱…絶対に忘れはしない。サイヤ人どもへの憎しみは、私の力の源なのだ!」

彼は拳を握りしめた。サイヤ人への復讐心は、彼の野望を加速させる原動力となっていた。過去の敗北は、彼をより狡猾で冷酷な存在へと変貌させたのだ。

「かつて、私の父や兄もサイヤ人によって苦しめられた。この憎悪の連鎖を断ち切るには、宇宙からサイヤ人を根絶やしにするしかない!」

ブラックフリーザの瞳には、狂気に満ちた光が宿っていた。彼の復讐心は、もはや誰にも止めることができないだろう。

恐怖の影 - 次なる標的は…

ブラックフリーザは、宇宙の地図を見下ろしながら、次なる標的を定めていた。その視線の先には、地球があった。

「孫悟飯…貴様の家族を、貴様の愛する全てを、私の手で破壊してくれよう。絶望の中で嘆き苦しむがいい!」

彼は悟飯の存在を、最も邪魔な障害と認識していた。悟飯の力は、彼の野望を阻む可能性を秘めているからだ。

その時、ウイスが静かに現れた。

「ふふ、フリーザ様、また何か企んでいらっしゃるようですね?」

ウイスの言葉に、ブラックフリーザは不快感を露わにした。

「天使ですか。あなた方は全王様の忠実な僕に過ぎない。私に構う権利などないはずだ」

「あらあら、怖い。ただ、あまりにも無茶なことをされると、全王様が退屈してしまうかもしれませんよ?」

ウイスは穏やかな笑みを浮かべたまま、ブラックフリーザを牽制する。全王の存在は、ブラックフリーザにとって、唯一の懸念事項だった。

「…全王様ですか。今はまだ、事を荒立てるつもりはない。だが、いずれは…」

ブラックフリーザは言葉を濁した。全王の力を無視することはできないが、彼の野望は全王すらも超えることを目指しているのだ。

ブラックフリーザは、再び冷酷な笑みを浮かべた。

「地球…貴様らの運命は、もうすぐそこまで来ている。恐怖に震えながら、その時を待つがいい!」

そして、ブラックフリーザは漆黒の宇宙空間へと姿を消した。後に残されたのは、静寂と、迫りくる恐怖の予感だけだった。地球に、かつてない危機が迫りつつあった。


次回、第5話「全王様の遊び」にご期待ください! 全王様の気まぐれな提案が、宇宙全体を巻き込む新たな戦いの幕開けとなる…!?

第5話: 全王様の遊び

気まぐれな裁定 - 全王の突拍子もない提案

宇宙空間に、突如として巨大なステージが現れた。無数の星々をバックに、煌びやかに輝くその姿は、異様なまでの存在感を放っている。ステージの中央には、無邪気な笑顔を浮かべた全王が、側近の大神官を従え、玉座に座っていた。悟飯、ウイス、そして漆黒の帝王ブラックフリーザも、その異様な光景に戸惑いを隠せないでいた。

「ねえねえ、悟飯!フリーザ!」全王は無邪気な声で呼びかけた。「なんか最近、退屈なんだよねぇ。だからさ、もっともっと面白いこと、しようよ!」

悟飯は眉をひそめた。「全王様…一体何を…?」

ブラックフリーザは冷笑を浮かべた。「全王様ともあろうお方が、一体何を企んでいらっしゃるのか…興味深いですね」

ウイスは困ったように微笑んだ。「全王様、あまり無茶なことをなさると、また大神官様が大変なことになりますよ?」

大神官は静かに全王を見つめている。その表情からは、全王の突拍子もない行動に慣れっこになっている様子が伺えた。

全王は、そんな周囲の反応など気にも留めず、満面の笑みで言った。「決めた!宇宙サバイバルマッチ、やろう!」

その言葉に、悟飯、ブラックフリーザ、ウイスは、一斉に息を呑んだ。

宇宙サバイバルマッチ開幕!? - 全王主催の新たな戦い

「宇宙サバイバルマッチ…ですか?」悟飯は慎重に言葉を選んだ。「それは、一体どんな戦いなのでしょうか?」

「簡単だよ!」全王は嬉しそうに答えた。「色んな宇宙から強い奴らを呼んできて、戦わせるんだ!勝った奴には、僕からご褒美あげる!」

ブラックフリーザは、その言葉を聞き逃さなかった。「ご褒美、ですか…それは、興味深い。全王様、具体的には、どのようなご褒美なのでしょうか?」

「うーん…まだ秘密!」全王はいたずらっぽく笑った。「でも、すっごく嬉しいものだよ!もしかしたら、宇宙を一つ、あげちゃうかも!」

その言葉に、ブラックフリーザの瞳が、妖しく輝いた。「宇宙を…一つ…!なるほど、これは見逃せませんね。全王様、喜んで参加させていただきます」

悟飯は、ブラックフリーザの様子を警戒しながら、全王に尋ねた。「全王様、この戦いは…一体いつから始まるのでしょうか?」

「もう、始まってるよ!」全王は指をパチンと鳴らした。

その瞬間、ステージの周囲に、無数の光の柱が現れた。光の中から現れたのは、見たこともない異形の戦士たち。獣のような姿をした者、機械のような体を持つ者、そして、信じられないほどのオーラを放つ者…様々な宇宙から集められた、屈強な戦士たちが、ステージに降り立った。

「さあ、みんな!思う存分、戦って!」全王は高らかに宣言した。「一番強い奴は、誰かなぁ?」

混乱と興奮が入り混じる中、宇宙サバイバルマッチの幕が開けた。

それぞれの思惑 - 参加者たちの秘密

各宇宙から集められた戦士たちは、互いに牽制し合いながら、様子を伺っている。その中でも、特に異彩を放っているのは、漆黒の帝王ブラックフリーザだった。

(フフフ…全王様の気まぐれな遊びか…だが、これは利用できる。このサバイバルマッチで力を示し、全宇宙の支配権を…この手につかんでみせましょう。)

ブラックフリーザは、冷酷な笑みを浮かべながら、周囲を見渡した。

一方、悟飯は、降り立った戦士たちの中に、邪悪な気を感じ取っていた。

「(この中に、ただの戦い好きではない者がいる…何か、隠された目的があるのかもしれない。)」

悟飯は、覚悟を決めた表情で、ステージの中央に進み出た。「全王様!この戦い、参加させていただきます!僕は、みんなを守るために戦います!」

全王は、悟飯の言葉に興味を示した。「悟飯は、優しいねぇ。でも、強い奴じゃないと、生き残れないよ?」

「それでも、僕は戦います!」悟飯は力強く答えた。

ウイスは、静かに戦いの行方を見守っていた。

「(ふふ、フリーザ様も悟飯さんも、それぞれ何か考えているようですね。全王様の遊びが、どのような結末を迎えるのか…楽しみです)」

それぞれの思惑が交錯する中、宇宙サバイバルマッチは、予測不能な展開を見せ始める。混沌とした戦場では、すでに激しい戦いが繰り広げられ、怒号と衝撃音が、宇宙空間に響き渡っていた。そして、誰もが知らない、この戦いの裏に隠された、全王の真の目的とは…?


次号、全宇宙崩壊戦記:第6話「極限のバトルロイヤル」!

混沌の戦場で、悟飯は新たな力に目覚める。そして、ブラックフリーザの陰謀が、徐々に明らかになっていく…!

第6話: 極限のバトルロイヤル

混沌の戦場 - 様々な宇宙からの強者たちが激突

全王の突拍子もない提案によって始まった宇宙サバイバルマッチ。無数の宇宙から選りすぐられた強者たちが、今、無秩序にぶつかり合っていた。悟空やベジータの姿はない。彼らは別次元でのブラックフリーザ対策に奔走している。この場にいるのは、悟飯、ピッコロ、そして選ばれし戦士たち。

空には、巨大なドーム状の結界が張り巡らされ、そこが戦いの舞台となっていた。結界内は重力が極端に強く、呼吸すら困難な場所もあれば、まるで異次元空間のように法則が歪んでいる場所もある。まさに混沌。

悟飯はビーストの姿で、周囲を警戒していた。長い白髪が風になびき、その瞳は獲物を捉える猛獣のように鋭い。隣にはオレンジピッコロ。その筋肉隆々の腕組み姿は、頼もしさの塊だ。

「悟飯、気を引き締めろ。連中は想像以上に手強いぞ。」ピッコロが低い声で言った。

悟飯は頷く。「わかってる、ピッコロさん。でも、みんなを守るためには、僕がやるしかないんだ!」

その言葉通り、悟飯は一瞬にして気を高め、周囲の敵を一掃した。その圧倒的な力に、敵たちは怯み、一瞬動きを止める。しかし、すぐに体制を立て直し、悟飯に襲い掛かってきた。

一方、別のエリアでは、獣のような唸り声が響き渡っていた。屈強な肉体を持つ異星人が、巨大なハンマーを振り回し、周囲を破壊している。その圧倒的な破壊力に、次々と戦士たちが倒れていく。

「グオオオオオ!」

異星人は、さらに勢いを増し、悟飯たちの方へと進んでくる。その背後には、倒れ伏した戦士たちの山が築かれていた。

悟飯の覚醒再び - 仲間を守るための新たな力

異星人の圧倒的な力に、悟飯とピッコロも苦戦を強いられていた。ピッコロは持ち前の知略を活かし、異星人の弱点を突こうとするが、その防御力は想像を遥かに超えていた。

「ちっ、硬すぎる!」

悟飯は、必死に異星人の攻撃を受け止めながら、打開策を模索していた。だが、異星人の攻撃は容赦なく、徐々に追い詰められていく。

その時、悟飯の脳裏に、家族や仲間の笑顔が蘇った。父・悟空の勇ましい姿、母・チチの優しい笑顔、そして弟・悟天の無邪気な笑顔。

「違う…!僕は、もっと強くならないと…!みんなを守れない…!」

悟飯の体から、再び強烈な光が放たれた。ビーストの力が、さらに覚醒したのだ。その姿は、先ほどよりもさらに野性的で、まるで神獣のようだった。

「うおおおおおおおお!」

悟飯は、全身全霊の力を込めて異星人に突進した。その拳は、異星人の強固な防御を打ち破り、ついにその巨体を粉砕した。

倒れ伏した異星人を見下ろし、悟飯は改めて決意を新たにした。「僕は、絶対に負けない!みんなを守り抜くんだ!」

ブラックフリーザの暗躍 - 陰謀渦巻く戦いの裏側

その激戦の裏で、漆黒の帝王、ブラックフリーザは、静かに暗躍していた。彼は、全王主催のサバイバルマッチを、自身の野望を達成するための舞台として利用しようと企んでいたのだ。

ブラックフリーザは、高笑いをしながら、モニターに映る戦況を見つめていた。

「フフフ…、愚かな者どもが、互いに争っている姿は、実に滑稽ですね。あなた方には、絶望という言葉がお似合いですよ。」

彼は、ある計画を実行するために、密かに動いていた。それは、このサバイバルマッチを利用して、全宇宙のエネルギーを吸収し、自身の力をさらに高めるというものだった。

ブラックフリーザは、不敵な笑みを浮かべた。「さあ、ショーの始まりです。全宇宙を、私の手中に収めてみせましょう!」

その時、背後からウイスの声が聞こえた。

「ふふ、フリーザ様、また何か企んでいらっしゃるようですね?」

ブラックフリーザは振り返り、ウイスに冷たい視線を送った。「天使である貴方には、関係のないことですよ。ウイス。」

ウイスは、いつものように穏やかな笑みを浮かべた。「あらあら、それはそれは。でも、全王様は、すべてお見通しですよ?」

ブラックフリーザの顔色が変わった。全王に見抜かれているとなれば、計画の実行は困難になるかもしれない。

「…面白い。ならば、全王様をも利用して差し上げましょう。」ブラックフリーザは、再びモニターに視線を戻し、ニヤリと笑った。

新たな陰謀が、今、動き出そうとしていた。宇宙サバイバルマッチは、ますます混迷を深めていく。そして、悟飯たちは、その渦中に巻き込まれていくのだった。

第7話へ続く!

第7話: 宇宙の未来

最終決戦 - 悟飯vsブラックフリーザ、最後の戦い

焼け野原と化した戦場。かつて緑豊かだった星は、ブラックフリーザの圧倒的な力によって見る影もない。そこに立つのは、満身創痍の孫悟飯(ビースト)と、余裕の笑みを浮かべるブラックフリーザ。

「ほほほ…孫悟飯。あなたも随分と抵抗しましたね。しかし、無駄です。私、ブラックフリーザの力は、あなた方の想像を遥かに超えているのですから。」ブラックフリーザは、その漆黒のボディを誇示するように仁王立ちする。黄金のアクセントが、夕日に照らされて禍々しい光を放つ。

悟飯は荒い息をつきながらも、その眼光は鋭さを失っていない。「フリーザ…!お前の野望は、ここで終わらせる!」ビーストの咆哮とともに、悟飯は再びブラックフリーザへと突進する。

二人の拳が激突するたび、空間が歪む。悟飯は、身を挺してブラックフリーザの攻撃を受け止め、渾身の力を込めた一撃を叩き込む。しかし、ブラックフリーザは涼しい顔でそれをいなす。「甘い、甘いですねぇ。その程度の力では、私に傷一つつけられませんよ。」

ブラックフリーザは嘲笑うかのように、悟飯の攻撃を次々と受け流し、的確に反撃していく。悟飯は次第に追い詰められ、防戦一方となる。その様子を、遠くからウイスが見守っている。

「あらあら、悟飯さんも苦戦していらっしゃる。しかし、諦めない心こそが、可能性を切り開く鍵となるのでしょうね。」ウイスは、相変わらず飄々とした口調で呟く。

ブラックフリーザは、悟飯に止めを刺そうと、エネルギーを凝縮したデスビームを放つ。悟飯はそれを辛うじてかわすが、右腕に深い傷を負ってしまう。

「ハッハッハ!どうです、孫悟飯。もうおしまいですか?あなた方サイヤ人の抵抗も、ここまで。後は、この宇宙を私のものにするだけです!」ブラックフリーザは勝利を確信し、高らかに笑う。

その時、悟飯の脳裏に、家族の笑顔がよぎる。父・悟空、母・チチ、弟・悟天、そして愛する娘・パン…。絶対に守り抜かなければならない存在。

悟飯は、静かに目を閉じる。「僕は…絶対に諦めない!」

再び目を開けた時、悟飯のオーラが一段と強さを増していた。その瞳には、確固たる決意が宿っている。

「フリーザ!これが、僕の…最後の力だ!」

全王の決断 - 宇宙の命運をかけた審判

その激闘を、全王は玉座からじっと見つめていた。

「ねえねえ、ウイス。悟飯、頑張ってるね!フリーザも強いけど、どっちが勝つかな?」全王は無邪気にウイスに尋ねる。

「さあ、どうでしょう。全王様のお目には、どちらが面白く映りますでしょうか?」ウイスは、いつものように微笑みをたたえながら答える。

戦いは激しさを増し、星は今にも崩壊寸前。悟飯とブラックフリーザの放つエネルギーがぶつかり合い、空間が裂け、時空が歪む。

その時、全王が突然、立ち上がった。「もう、いいよ!」

全王の一言で、戦いが止まる。悟飯もブラックフリーザも、全王の方を向く。

「ねえ、フリーザ。君って、いつも悪いことばかりしてるよね?悟飯は、みんなを守ろうと頑張ってる。どっちが偉いかな?」全王は、純粋な疑問を口にする。

ブラックフリーザは、全王の言葉に一瞬戸惑う。しかし、すぐにいつもの冷酷な笑みを浮かべた。「全王様。力こそが正義。弱者は滅びるべき。それが宇宙の法則です。」

全王は、少し考える。「うーん…でも、それってつまらない!みんなが仲良くできないと、面白くないもん!」

全王は、小さな手を握りしめる。「決めた!フリーザ、君は…」

その言葉に、悟飯は緊張する。全王の決断は、宇宙の命運を左右する。

全王は、ニッコリと笑った。「フリーザ、君は…もっと面白いことしないと、消しちゃうぞ!」

新たな時代の幕開け - 希望と平和の未来へ

全王の意外な言葉に、ブラックフリーザは愕然とする。「な、なんですと…!?」

全王は、続ける。「悟飯は、みんなと仲良くしようとしてるから、偉いね!悟飯には、何かご褒美をあげよう!」

ウイスは、全王の言葉に微笑む。「全王様、素晴らしいご決断です。それでは、悟飯さんには、特別な力を授けましょう。」

ウイスは、悟飯に近づき、そっと手をかざす。悟飯の体に、暖かい光が降り注ぐ。

「悟飯さん。あなたには、宇宙のバランスを保つための、特別な力をお授けします。その力を使って、宇宙に平和をもたらしてください。」

悟飯は、ウイスの言葉に深く頷く。「ありがとうございます、ウイスさん。全王様。僕は、この力を使って、必ず宇宙に平和をもたらします!」

ブラックフリーザは、その光景をただ見ていることしかできない。全王の力には、逆らえない。

全王は、満足そうに頷く。「うんうん!悟飯なら、きっとできる!これからは、みんなで仲良く遊ぼうね!」

ブラックフリーザは、悔しさを噛み締めながら、その場を後にする。「覚えておけ、孫悟飯。私は、必ずお前に復讐してやる…!」

そして、悟飯は、ウイスから授けられた力を使って、荒廃した星を元の姿に戻していく。緑が蘇り、水が流れ、生命が息吹を取り戻す。

その様子を見て、全王は嬉しそうに笑う。「すごいね、悟飯!ありがとう!」

悟飯は、全王に向かって深々と頭を下げる。「全王様。ありがとうございます。僕は、この宇宙を、絶対に守り抜きます!」

新たな力と決意を胸に、悟飯は、平和な未来への一歩を踏み出す。しかし、ブラックフリーザの復讐の炎は、まだ消えていない。宇宙には、まだまだ数々の脅威が潜んでいる。悟飯の戦いは、まだ始まったばかりだ。

(第7話 完)

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