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『神田祭』祭り

私は歌舞伎を観る。
片岡仁左衛門が好きだ、そして相手役が坂東玉三郎だと一段と嬉しい。
ともに細身で長身で見栄えがいい。
何より長く一緒にやってきて沿う姿がとても自然で美しい。
その二人が今月は歌舞伎座の夜の部で出演するのが『於染久松色読販』『神田祭』。

私も観に行ったが(そしてまた行くつもりだが)やはり素晴らしい。
芝居を観ているというより、ひたすら陶然としている。
爽やかで温かで伸びやかで神々しい。

SNSを眺めれば、二人の素晴らしさを賛美する声にあふれている。
とりわけ『神田祭』への感動の声は、
まだ歌舞伎を観始めた人から長く観ている人まで数多。

最近観始めた人の「間に合ってよかった」と言う声に深く同意する。

親分さんのお世話にて~で鳶頭(仁左衛門)が芸者(玉三郎)を横に、
上手に挨拶して照れたように頭をかくしぐさの場面があるのだけれど、
私はこの時上手にいる(実際は長唄さんたちだけど)親分さんをあれこれ想像する。
初めは吉右衛門や先代の團十郎のにこにこした笑顔を。
それから遡って十七代目の勘三郎を。
その横にかつて芸者で今はおかみさんになった歌右衛門を。
(彼らの「神田祭」を観たわけではない。その雰囲気を覚えているだけ)

だから「間に合った」人たちに今度は30年なり40年なりのちに、
親分夫婦になってる仁左衛門・玉三郎の面影を観つつ、
その時代のTHEご両人を楽しんでほしい。

仁左衛門・玉三郎は長い年月をかけて熟成し、その芳醇さで客席を酔わせているのだ。
そろそろ新しい未来の黄金コンビを仕込んでほしい。
それぞれにチャーミングな若手がいるので、どの組み合わせがいいのやら。

そんなことも楽しめる今月の『神田祭』。

#仁左衛門 &玉三郎
#神田祭

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