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リスクプレミアムがなぜ投資に重要なのか?

「3%の確実なリターンか、コイン投げで20%のリターンか10%の損を受け取るか?」

もしあなたが毎年10万円を積立をして、50年後にどれだけ増えるか考えるならどう答えるでしょう?

この問いは、リスクとリターンの関係を示す非常に良い例です。

人はつい「確実性」を選びたくなるものです。

だって、誰だってお金を失いたくないですからね。

しかし、実際には「少しだけリスクを取る」ことで、投資の世界では大きなリターンを得ることができるのです。

この「リスクを取る」部分こそが、リスクプレミアムです。

今回は、リスクプレミアムをなぜ取るべきか、そしてそのメリットについて、やさしく説明していきます。

まずは、この前提条件について考えてみましょう。

前提条件

選択肢1では、毎年積立金額の3%のリターンを確実に得られる投資です。

選択肢2では、毎年コインを投げて、表が出れば積立額の20%のリターンが得られ、裏が出れば10%の損をします。

毎年の積立額は10万円とし、これを50年間運用した場合、どれだけ増えるかを計算すると、以下の通りです。

選択肢1の計算では、50年後には積立額が約1,128万円に。

一方、選択肢2の計算では、期待値としては年5%のリターン※を得ると仮定して、最終的な金額は約2,093万円。

※〔期待値が5%になる理由は、選択肢2におけるリターンと損失の確率を基に計算できるからです。

選択肢2では、毎年コインを投げるため、次の2つの結果が考えられます。

•表が出た場合: 20%のリターン(確率は50%)

•裏が出た場合: 10%の損失(確率は50%)

これらのリターンと損失を平均すると、期待値が求められ、結果として5%になります。

これは、コイン投げを長期間続けた場合に平均して得られるリターンを示しており、リターンと損失のバランスを取ったときの「期待される結果」を表しています。〕

「え、2倍近くも違うじゃん!」と思いますよね。

でも、もちろん選択肢2にはリスクが伴います。

ここでポイントになるのが「リスクプレミアム」という考え方です。

リスクプレミアムとは?

リスクプレミアムとは、「リスクを取ることで得られる追加のリターン」のことです。

例えば、銀行にお金を預ければ、リスクはほとんどありませんが、その分リターンも低い。

一方で、株式や不動産に投資すれば、損する可能性もありますが、リターンは大きくなる可能性があります。

この「リスク」と「リターン」のバランスをうまく取ることが、賢い投資家の特徴です。

リスクを取ることで得られる追加の利益は、長期的に見ると驚くほど大きな違いを生むことがあります。

「コイン投げ」の選択肢では、一見リスクが高く見えるかもしれませんが、リスクを取ることで長期的には大きなリターンが期待できます。

リスクプレミアムの威力

では、なぜリスクプレミアムを取ることが重要なのか?

その答えは、「高いリターンはリスクの裏返しだから」です。

これは、人生の中での「挑戦」と同じです。

例えば、転職。

安定した職場を辞めるのは勇気が要りますが、新しいスキルを磨いたり、経験を積んだりすることで、より大きな収入やキャリアの飛躍が待っているかもしれません。

投資も同じです。

リスクを避け続けていると、得られるリターンも小さくなります。

逆に、適度なリスクを取れば、将来的に大きなリターンを手にする可能性が増えます。

「コインを投げる」選択肢の方が、表面上はリスクが高く見えますが、長期的には「高いリターンを得るために必要なリスク」を適切に取っているのです。

ガチャガチャ vs. 自動販売機

ここで、もう少し身近な例を出してみましょう。

ガチャガチャ(カプセルトイ)を思い浮かべてください。

ガチャガチャは何が出てくるか分からないから、ちょっとドキドキしますよね。

でも、当たりが出たらすごく嬉しいし、レアな商品が手に入ることもあります。

これが「リスクを取る」ことのイメージです。

一方、自動販売機でジュースを買う場合、確実にお金を入れた分だけのジュースが出てきます。

損することはありませんが、特別な喜びや「大当たり」はありません。

ガチャガチャにはリスクが伴うけれど、その分リターンが大きくなる可能性があります。

これが「リスクプレミアム」の考え方です。

反論とその答え

「でもリスクは怖い」という反論があるかもしれません。

確かに、リスクは怖いものです。

投資では、元本を失う可能性もあるので、不安になるのは自然なことです。

しかし、リスクを完全に避けようとすると、得られるリターンも少なくなってしまいます。

ここで大切なのは、リスクを「うまく管理する」ことです。

例えば、株式投資では一つの銘柄に集中するのではなく、複数の銘柄に分散投資をすることで、リスクを抑えることができます。

また、長期的に見れば、一時的な市場の下落があっても、最終的にはプラスのリターンを得られることが多いのです。

リスクを取って成功した人々

実際にリスクを取って成功した事例を紹介しましょう。

まず、ジェフ・ベゾスの例。

彼は安定した仕事を辞めて、オンライン書店「アマゾン」を立ち上げました。

当時、オンラインビジネスは未知数で、大きなリスクが伴いました。

しかし、そのリスクを取った結果、アマゾンは今や世界最大級の企業となりました。

また、イーロン・マスクもリスクを恐れない投資家です。

ペイパルを売却した後、電気自動車のテスラや宇宙開発企業のスペースXに資金を投じました。

これらも高リスクなビジネスでしたが、現在彼は世界有数の成功者となっています。

リスクを友達にしよう

投資において、リスクを取ることは避けられません。

しかし、リスクプレミアムを理解し、上手に活用することで、より大きなリターンを得ることができます。

確実に3%のリターンを得るのも悪くはありませんが、少しだけリスクを取ってみるのも、投資の楽しさの一つです。

ガチャガチャのように、時にはリスクを取ってドキドキすることで、リターンも大きくなるかもしれません。

ですから、リスクを恐れず、うまくリスクと付き合いながら、あなたの投資の可能性を広げてみてください。

さあ、あなたもガチャガチャを回してみませんか?

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