投資の勉強のゴールはどこ⁈
「投資を始めたい!でも、まずは勉強しなきゃ!」と多くの人が思うのは、ごく自然なことです。
だって、大切なお金を預けるのだから、失敗したくないですよね。
私もその一人でした。
投資の世界に足を踏み入れると、待ち構えていたのは、難解な専門用語、終わりなきチャート分析、無数の書籍やセミナー。
「これは大変だ…相当勉強しないとダメなんじゃないか?」
と思った瞬間、私の脳はフル回転し始めました。
かれこれ十数年にわたり、投資に関する書籍や記事、YouTube動画を漁り、セミナーにも参加し、ついには「プロ顔負けの知識を手に入れた!」と自負していたものです。
しかし、ふとある日、こんな疑問が浮かびました。
「これだけ勉強して、本当に役に立ってるのか?」
市場平均には勝てない?
投資の基本を学んだ後に多くの人がぶち当たるのが、「市場平均に勝つのはほぼ無理」という厳しい現実です。
これは決して私だけの結論ではありません。
実際、「市場平均に勝てる投資家はほんの一握りしかいない」というデータが山ほどあります。
有名な研究によると、プロのファンドマネージャーの8割が市場平均に勝てていないという衝撃的な事実もあります。
プロでさえ勝てないのに、私たち素人が勝てるわけがありません。
ここで、突然のお告げのような疑念が襲ってきました。
「もしかして、投資の勉強、そんなにしなくてもいいのでは?」
知識を詰め込む意味はあるのか?
ここで、もっとわかりやすい例を挙げてみましょう。
投資の勉強を何百時間もすることは、レシピ本を100冊読むのに料理を一切しないようなものです。
いくらレシピを学んで、食材の組み合わせや調理方法を頭に入れても、実際に鍋を火にかけて、包丁を握らなければ、美味しい料理は完成しません。
そして、現実には、多くの人が「とりあえず、簡単にできるカレーを作ってみるか」と思い、結果的にカレーが一番美味しかったりします。
投資も同じで、いくら勉強しても、実際にお金を運用してみなければ、成果は見えてきません。
それに、無理して高級フランス料理をマスターするより、シンプルにカレーを作って家族みんなが満足するほうが、よっぽど効率が良いですよね。
投資の世界では、その「シンプルなカレー」に相当するのが、インデックス投資です。
つまり、難しい分析や予測に頼ることなく、市場全体に投資することで、結果として多くの人が欲しがるリターンを手に入れることができるのです。
インデックス投資は、料理で言えば「誰でも作れる基本の一品」のようなもの。
複雑なアレンジを加えず、シンプルに作るだけで、美味しい成果が期待できるのです。
勉強のやりすぎは逆効果?
実は、投資の勉強をやりすぎることが、逆に悪影響を及ぼす可能性もあります。
「勉強したからこそ、わかるんだ!」という自信過剰になり、無謀な投資に手を出してしまうことがあります。
これは「オーバーコンフィデンス効果」という心理学の現象です。
自分の知識や能力を過信し、無理なリスクを取ってしまう。
結果として、市場平均にさえ到達できない投資結果になることも…。
つまり、勉強しすぎることで、失敗を増やしてしまう可能性もあるのです。
インデックス投資のシンプルさ
ここで一度、シンプルな結論に戻ってみましょう。
「市場平均に勝てないなら、市場平均に乗っかればいいじゃないか。」
これがインデックス投資の考え方です。
複雑な分析や予測をせず、市場全体に連動するファンドを買って放っておくだけ。
たったそれだけで、多くのプロ投資家を凌駕するリターンを得る可能性が高いのです。
じゃあプロは何してるの?
「それなら、なぜプロの投資家は存在するの?」という反論があるかもしれません。
もちろん、プロにはプロの役割があります。
彼らは、巨額の資産を運用し、リスクヘッジや短期的な利益を追求しています。
しかし、私たち個人投資家がそこまでの運用を目指す必要はありません。
少なくとも、普通の生活を送りながら資産を増やしたいという目標であれば、インデックス投資のようなシンプルな手法が最適です。
ウォーレン・バフェットの助言
ここで、世界的な投資家ウォーレン・バフェットの話を持ち出しましょう。
彼は「自分が死んだら、妻にはインデックスファンドに投資させるように」と遺言に書いています。
彼自身がプロ中のプロでありながら、一般の人々にはインデックス投資を勧めているのです。
また、かつて彼は大手ヘッジファンドと10年間にわたる賭けをしました。
「S&P500に連動するインデックスファンドのリターンが、複数のプロファンドのリターンを上回る」という賭けです。
結果は、バフェットの勝利。
インデックスファンドは、多くのプロが運用するファンドを軽々と打ち負かしました。
投資の勉強はほどほどに
投資の勉強は、ある程度は必要です。
基本的な仕組みやリスクの理解は大切です。
しかし、やりすぎは禁物。
市場を予測し、個別株を選び、プロ並みの成果を狙うよりも、シンプルに市場全体に投資するほうが、長期的には成功に繋がりやすいのです。
投資の世界は深く、複雑です。
でも、そこに飛び込む必要はありません。
「市場平均に勝つのは難しい」と知ったときが、投資の勉強のゴール。
その後は、インデックス投資でのんびり構えればいいのです。
私たちの目標は、長く資産を増やすこと。
そのためには、知識に振り回されず、シンプルに考えることが大切です。
そして、最後に。
「本当にシンプルでいいんですか?」と心配する方もいるかもしれません。
でも、複雑に考えすぎると、かえって損をすることもあります。
だからこそ、シンプルなインデックス投資で、安心して未来を迎えましょう。
市場平均に勝とうとするのは、まるで金魚すくいで金魚を全て掬い取ろうとするようなもの。
力を入れ過ぎてポイが破れてしまいますよ。
少し手を抜けば、結果としてより良いものを手に入れられるでしょう!
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