見出し画像

市場平均は平凡ではなく「最強」

「市場平均」という言葉を聞くと、なんだか地味に聞こえるかもしれない。

「ふーん、平均ね。みんなの真ん中くらいってこと?」

そう思う人も多いだろう。

でも、実はこれはただの「平均」ではない。

市場平均とは、株式市場における「最強の集合体」なのだ。

例えば、オリンピックの金メダリストだけを集めたドリームチームを想像してみてほしい。

彼らは、世界中の競争を勝ち抜いてきたトップアスリートたちだ。

市場平均も、それと同じようなもの。

市場の中で生き残り、成長を続ける「最強の企業」が集まってできている。

だから、市場平均は「平均」ではなく、「最強」なのだ。

市場平均はただの「中間値」ではない


たとえば、学校のテストの平均点を考えてみよう。

クラスの数学のテストで、100点の子もいれば、50点の子もいる。

20点の子もいるし、場合によっては0点の子もいるかもしれない。

全員の点数を足して40で割れば「平均点」が出る。

この平均点は、クラス全体の「だいたいのレベル」を示すものだ。

しかし、この平均点には「優秀な生徒が目立つ仕組み」はない。

成績の悪い生徒も、良い生徒も、すべてまとめて単純に「割り算」しただけの数字にすぎない。

ところが、株式市場の「市場平均」は、この単純な平均とはまったく違う。

市場平均には、成績の悪い企業が含まれない仕組みがある。

むしろ、成績の悪い企業はどんどん外され、強い企業だけが残る仕組みになっているのだ。

市場は「勝ち残り方式」


株式市場では、企業同士が激しい競争をしている。

もし競争についていけなければ、売上は減り、株価も下がる。

投資家に見放されれば、その企業は市場から退場することになる。

一方、成長する企業はどんどん大きくなり、市場全体への影響力を増していく。

これは、日本のTOPIX(東証株価指数)やアメリカのS&P500でも同じ仕組みだ。

S&P500は、アメリカを代表する500社で構成されている指数だが、そのメンバーは常に入れ替わる。

業績が悪化した企業は外され、新たに成長する企業が加わる。

つまり、S&P500とは「今の時代で最も勢いのある500社」の集まりなのだ。

これは、日本の日経平均株価も同じ。

日経平均は225社で構成されているが、業績が悪くなれば外されるし、成長する企業が新しく選ばれる。

市場平均とは、「生存競争に勝ち抜いた最強企業だけが残る場所」なのだ。

成績の悪い企業は消え、優秀な企業が残る


たとえば、かつてアメリカで圧倒的な存在感を誇っていたゼネラル・エレクトリック(GE)。

一時はS&P500の中でもトップクラスの企業だった。

しかし、経営が低迷し、ついに指数から外されることになった。

その代わりに、今ではApple、Microsoft、Amazonなどのテクノロジー企業が指数をけん引している。

市場平均は、時代に合わせて最強企業の顔ぶれが変わる仕組みになっているのだ。

これは、他の業界でも同じことが言える。

例えば、日本のバブル期に市場を支えていたのは銀行や不動産会社だった。

しかし、今ではトヨタやソニー、ファーストリテイリング(ユニクロ)などが市場の主役になっている。

時代とともに、最強の企業が入れ替わり、市場平均は進化を続けているのだ。

市場平均に投資することは、最強のチームに賭けること


市場平均に投資するということは、「現在の最強チーム」に賭けるのと同じだ。

個別の企業に投資して大きなリターンを狙うのも一つの方法だが、どの企業が次に伸びるのかを完璧に予測するのは難しい。

しかし、市場平均に投資すれば、自然と「今、一番強い企業たち」に資金を置くことになる。

そして、成績の悪い企業が指数から外れ、新たに成長する企業が入ることで、投資先は自動的に「更新」される。

この仕組みこそが、市場平均の強さの秘密だ。

市場平均は時間とともに成長する


もう一つ、大切なポイントがある。

市場平均は、長期的に見ると右肩上がりに成長している。

例えば、S&P500は過去30年間で年平均約10%の成長を遂げている。

これは、仮に100万円を投資していたら、30年後には約1745万円になっていた計算になる。

日経平均もバブル崩壊の影響はあったものの、長期的には上昇傾向にある。

もちろん、短期的には暴落もある。

リーマンショックやコロナショックのように、市場が大きく下がることもある。

しかし、長い目で見れば、世界経済は発展を続け、市場平均も上昇していく。

だからこそ、市場平均は「最強」なのだ。

まとめ:市場平均は「最強の生存者」の集合体


市場平均は、ただの「平均」ではない。

常に競争に勝ち抜いた最強の企業たちが集まる仕組みになっている。

成績の悪い企業は指数から外れ、成長する企業が新たに加わる。

その結果、市場平均に投資することは「今、一番強い企業たち」に資金を託すことと同じになる。

さらに、時間とともに市場平均は成長し続けてきた。

もし市場平均の力を活用したいなら、S&P500やTOPIXに連動するインデックスファンドに投資するのが一つの手だ。

例えば、日本の投資信託ならeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドなどがある。

これらのファンドを積み立てていけば、「最強の集合体」に乗っかることができるのだ。

いいなと思ったら応援しよう!