果報は寝て待て
効率的市場仮説――聞いたことがあるかもしれませんが、なかなか難しい言葉ですね。
でも心配しないでください。
今日は、これをやさしく、面白く、そして日常生活に例えて解説していきます。
しかも、投資情報を一生懸命に調べることが、どれだけ無駄かもお伝えします。
結論から言うと、「S&P500インデックス・ファンドを買って、そのまま放置しておけばOK」です。
なぜか?
効率的市場仮説を信じれば、これ以上の方法はないんです。
効率的市場仮説ってなに?
まずは効率的市場仮説について。
この仮説は、シカゴ大学の経済学者ユージン・ファーマが提唱したもので、ざっくり言うと「株式市場はすでに全ての情報を織り込んでいるから、株価は常に適正価格だ」というものです。
つまり、どんなに頑張っても、一般の投資家が市場を出し抜いて特別に利益を上げることはほぼ不可能だという考え方です。
株式市場の参加者全員が情報を手にして、みんながそれを元に売買するわけだから、情報を知るのが早いとか、あなただけが知っているなんてことはまずない、ということです。
効率的市場仮説を例えるなら…
これをもっとわかりやすく言うなら、バス停に並んでいるときの行列を思い浮かべてください。
もし、並んでいる全員が「一番前に立てばバスに早く乗れる」と思ったら、どうなるでしょう?
みんなが一斉に前に行こうとして、結局のところ、大した差はつかないですよね?
効率的市場仮説は、まさにこのバス停の行列みたいなものです。
みんなが市場の情報を持っていて、みんながそれを元に行動するから、結局のところ株価は正しい位置に落ち着くんです。
つまり、「あなたが持っている情報は、もう誰かがすでに知っているもの」ということです。
投資情報を調べるのは無意味?
では、なぜ「投資情報を漁ることは無意味だ」と言えるのか?
簡単です。
効率的市場仮説に従えば、すでに市場には全ての情報が織り込まれているため、あなたがどれだけ一生懸命にニュースを読んで、企業分析をして、CEOのインタビューを聞いたところで、何も新しいものは得られないということです。
もっと言えば、「新しい情報」を見つけて「これだ!」と思った時点で、その情報はもう株価に反映されています。
すでに多くの投資家がそれを知っていて、株式市場での価格形成に反映しているわけですから、「情報を漁る」行為は基本的に時間の無駄になってしまうんです。
S&P500インデックス・ファンドが最適な理由
ここで、「じゃあ、どうすればいいの?」と思ったかもしれません。
答えは簡単です。
S&P500インデックス・ファンドを買って、ただひたすら放置することです。
S&P500とは、アメリカの主要な500社の株価を平均して計算する指数です。
つまり、アメリカ経済全体に投資しているのと同じです。
インデックス・ファンドは、そのS&P500に連動して運用されるファンドです。
これはつまり、「アメリカ全体が成長すれば、あなたの投資も成長する」というシンプルで強力な方法です。
歴史的に見ても、S&P500の平均リターンは年間7~10%と言われており、長期的に見れば非常に安定した成長を見せています。
反論に答える
「でも、投資の達人たちは情報を活用して成功しているじゃないか?」という反論があるかもしれません。
確かに、ウォーレン・バフェットやピーター・リンチのような天才投資家は存在します。
彼らは独自の分析方法を持ち、莫大な富を築きました。
しかし、これは宝くじに当たるようなものです。
彼らの成功は再現不可能で、99%の人々は彼らのようにはなれません。
さらに、バフェット自身も「ほとんどの投資家はインデックス・ファンドに投資すべきだ」と言っています。
彼自身の投資アプローチが「普通の人には難しい」と認めているわけです。
成功の事例
具体的な成功例を挙げると、1960年代からインデックス投資を広めたジョン・C・ボーグルという人物がいます。
彼が創設した「バンガード・グループ」のインデックス・ファンドは、誰もが少額で広範な市場に投資できる画期的な仕組みを作り出しました。
これにより、ボーグルは「投資家の守護者」として知られるようになり、多くの人々が彼の方法で成功を収めました。
また、最近の調査でも、アクティブファンド(個別株を選んで運用するファンド)の大半が、長期的に見てインデックスファンドに勝てないことが示されています。
これはつまり、専門家ですら市場を打ち負かすことができないという事実です。
最後に
まとめると、効率的市場仮説に基づくと、S&P500インデックス・ファンドを買って、じっと持っていることが最も合理的でシンプルな投資法ということになります。
過剰に情報を追いかけたり、日々の市場の動きを気にしたりすることは、むしろ自分のストレスを増やすだけ。
投資は長期戦です。
市場を信じ、時には放っておくのが一番の戦略かもしれません。
今後の人生で、友人や同僚が「最新の投資情報を知ってるか?」と言ってきたら、こう答えてください。
「効率的市場仮説を信じてるから大丈夫だよ。S&P500を買って放置してるからね!」
そして、笑顔でコーヒーでも飲みながら、彼らの株価チェックに追われる様子をのんびり眺めましょう。
S&P500インデックス・ファンドを買って、後は何もせず楽しむ。
それが本当の「勝ち組」かもしれません。