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苦労を捨てるたびに、私たちは退化する

息子が『おろちんゆー』というYouTuberさんの
動画が好きでよく見ている。


海、川、用水路、山で
魚や、虫や、山菜をとる。

魚の内臓をとって、海や川の水で洗い、
近くに落ち着いた場を作る。

乾いた木を重ねて
火をつける。

魚の口から枝をさして
塩をふりかけて焼く。

「命に感謝。いただきます。」

「スーパーや食卓には並ばない味だわね。
でも、すんごいタンパク質よ。
2日は生きられそうだわ。」

口調はおかまなんだけど、
なんか、かっこいい。

「あたしの視聴者さんはね、
病んでる人前提だから。
病んでる人は、キャンプしなさい。
自然見てると、悩みなんてふっ飛ぶわよ。
一時的にね。」


キャンプ道具積んで、
釣竿持って、
海や川まで行って、
とれない日もある。

スーパーで買って食べた方が
全然早い。

非合理的なことしてる人を眺めるって
なんでこんなに元気もらえるのだろう。



今更、不便な暮らしは難しい。
効率のいい、
簡単で楽な暮らしがいい。

手間暇かけるなんてめんどくさいし、
予測できないのは問題がある。

でも、妊娠、出産、育児というのは、
効率悪くて、
手間暇かかって、
予測ができないもの。

効率的な世界から
非効率な世界に突入するということだ。


出産直後は、
本能で赤ちゃんに応えていく。
2人のリズム。
2人の世界。
餅つきみたいに
息を合わせると
育児は軌道にのっていく。

でも、夜間に
赤ちゃんを預かってくれる産院が人気。

産後ケアで、
赤ちゃんを預けて休みたいお母さんたち。
レスパイト。一時的な休息。

平日は仕事。
土曜日は
子どもを保育園に預けてリフレッシュ。

分かるよ。
分かる。

めちゃくちゃ逃げたかった。

私みたいに無理して鬱々するより
うまく利用して欲しい。
預け過ぎないようにだけ
気をつけて欲しい。

🐘


日本初アフリカゾウの人工哺育に挑んだ
愛知県の「とべ動物園」の動画を見ました。
これもまた
「どうぶつ奇想天外」のYouTubeにハマってる
息子から仕入れたものです。

息子は、
コレはお母さんが泣いて喜びそうな動画だ、
という感覚がとても鋭い。ありがとう。

ゾウのお母さんは、赤ちゃん象の首を
鼻でしめて持ち上げたり、
高い所から落とす、という行動をしてしまい、
母子を分離するしかありませんでした。

母ゾウは、アフリカの
ゾウの孤児院の様な所にいたゾウでした。
子育てを見たことがなかったのかもしれない、と飼育員さんは話してくれました。

そして、コメント欄には、
「ゾウは、妊娠期間が長く、小ゾウに対して、
つらい思いをさせた元凶として攻撃する習性が
野生でも見られるが、群れの仲間がいれば
それを止めることができる。」
と書かれていました。

事実なのか
調べることはできませんでしたが、

でも、なんか、子育てって
そういうものですよね。

私が大変なのはこの子が産まれたせい。
夫が協力しないせい。
私ばっかり大変な思いをしている。
それが怒りになる。
そんな時に、
仲間と集い、
「本当に大変だよね」
「そうよそうよ」
って言ってもらえるだけで、
家族に対する苛立ちはおさまる。

子育てには、群れが必要。

この母ゾウ、
次に出産すると、
赤ちゃんゾウに母乳を与え、
子育てすることができたそうです。

最初に産んだ子ゾウを
飼育員たちが育てるのを見ていたのだろう
と飼育員さんは話していました。

第二子の子育ては、精神的に楽。
ゾウも同じなんだ。

「やったことある」という感覚は、
自信をくれます。

さて、だから、これからの子育て支援はどうあるべきか。

車、水道、洗濯機や掃除機、
便利なものが普及して、
本当に私たちの身体機能は退化したように、

苦労を捨てるたびに、
私たちは退化する。


新米ママの目の輝きを奪うような
政策や経営者を
増やさないようにしていきたい。

虐待が減ればそれでいいんじゃない。
お金が儲かればそれでいいんじゃない。

子どもが大きくなった時に
育てきったと思える母を増やしたい。

だから、母の逃げ場になりつつ、
逃げ場になり過ぎないでいて欲しい。

物理的に解決するんじゃなくて、
人として信頼して
共に歩める人になれるように
私は、また成長していきたいと思います。

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