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お医者さんを労いたいのに

母は胆嚢炎を繰り返しているので、
胆嚢を切除することを
医師からすすめられた。

胆嚢ってなくても生きていけるのか。

オペするなら昔から信頼する公立の総合病院がいい。
家族一致の希望です。
おじいちゃんもおばあちゃんも
あの病院にお世話になったもん。
紹介状を書いてもらって消化器外科を受診。

呼ばれて診察室に入ると、
医師は、
「医師の◯◯です。おかけ下さい。」
とても早口で、
そのセリフを何度も繰り返している。

なんだろう、この先生。

ゆったり話を
聞いてもらえそうな雰囲気はない。
残念。

「紹介状読みました。手術を希望されているとのことですが、
この病院は、癌の手術で埋まっていて、
胆嚢を切除するという手術は、
他の病院にお願いしています。」

あ、そうなんだ。終了。

私はすっかり帰るモード。

母はねばるモード。

母がねばるほどに
医師は、
「今はその話はしたくありません。」
などどイライラモード。

病院によって
どんなオペを担当するか、が
なんとなく、ある。
長期入院を受け入れやすい病院、
ってのもある。

病院は、それぞれ可能な分野を担当する。

この病院が近いから、
この病院は昔からお世話になってるから、
この病院でオペをして
通院して
いずれ死ぬ時にもお世話になりたい。
そんな願いは叶わない時代だ。

あきらめも肝心。

逆に、あきらめずに
いくつかの病院に足を運んで
ベストな病院を選択することも大切なのかも。

その際には、
医師と関わり、
医師を変え、
別れた医師にまたお世話にならなければならないことがある。

その度に、
医療者の態度というのは、
患者を傷つけ、
家族を傷つける。

医師も医療現場の犠牲者だ。
労ってあげたい。

けど、言い方がかわいくないんだよな。

労ってあげれないよ、先生。

「先生も大変ですね。」という言葉を飲み込み

「せっかく来たけど、仕方がないね。
帰ろう、お母さん。」

そう言って立ち上がった。

母は、話せないほど
ショックを受けていた。

「お母さんは何も悪くないよ。
そういうシステムなんだよ。
ショック受ける必要はないよ。」
と、話した。


夕陽がきれい。
と、思ってカメラかまえるけど
空のせまいこと。

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