人は、本当のことを言われると腹が立つ
noteを始めるにあたり、初っ端からこんなネタで恐縮ですが、いわゆる年金だけだと老後資金が足りなくなる、という問題である。
金融審議会 「市場ワーキング・グループ」報告書 の公表について(令和元年6月3日)https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html
もともと年金だけでは生活できない、というのは何十年も前から言われていることだし、少子高齢化によって現役世代の負担が増えていくことについても(幾度とない出生率予測の下方修正を伴いつつ)古くから教科書に載っていた「予測された未来」であったはずである。が、今回の一件を機になぜ大騒ぎになっているのか、というと、自分には外題のとおり、人間って本当のことを言われると腹が立つ、という、それなんじゃないかな、と思えてならない。
誰しも触れられたくない痛みがある。最近はクソガキでもブス、デブ、ハゲとかいうと色々差し障りのあるご時世となった。年金だけでは食っていけない、というのも、そういうツボだったのだろう。みんなクサいものには蓋をして、ケセラセラと生きていくはずだったんじゃないだろうか?
そこに目を付けた野党の方々はさすがに慧眼と恐れ入るしかないけれども、彼らの立論に「なるほど、これは妙案だ」というようなものが感じられなかったのは残念である。野党に限らず色んな方々が「国民の気持ちに寄り添って」色々仰るのだけれども、本当のことを言われて傷ついている人を慰めるのだから、どこかしらに真実ではない言い回しを入れざるを得なくて、つまり「嘘も方便」ということでその場を収めようとしつつ、そのウソが「我田引水」になってしまっているのも哀しい現実である。
ともあれ、大騒ぎになったことで一番喜んでいるのは、実は金融庁かもしれない。
「老後2000万円」動く個人 ネット証券に申し込み急増 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46543460V20C19A6EE9000/
二匹目のどじょう狙いもいて、最近は中央官庁も大変らしい。
経産省は「2895万円不足」=老後資金試算、審議会に提出 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019062700940&g=eco