昔の名前で出ています、ということ
2週間ほど前から、ひょんなきっかけでLOUDNESS"という"ロックバンドをYoutubeで視聴している。同世代が熱狂していたバンド、本場米国に日本のバンドとして初上陸した伝説のバンドなのだが、誠に申し訳ないことにこの歳になるまで名前しか知らなかった。そういうのに背を向けて、自分はリコーダー吹いてたから(笑)。なので”という”とカッコつきの表記になっている。
初上陸の様子 https://youtu.be/MVKQ4I-ipMw
そんなビデオをyoutubeに勧められるままに眺めていると、彼らの20年後の姿を見ることが出来た。それでも今から15年前のことである。
復活後のインタビュー放送 https://youtu.be/Itt5UfRxauo
勧められるがままにLOUDNESSの演奏を視聴しながら、これを若いころの自分が見たら確かに熱狂していたかもしれないし、自分も同級生の彼らのように「道を踏み外し」(と当時自分は思っていたのでそういう表現を使うけど)ていたかもしれないなぁ、と思った(リコーダーを吹き続けている今の自分がもっと道を踏み外していることは棚に上げるとすると)。かっこいいもんね。
でもまぁ、2週間ほど見ていると緩急なく突っ走ってるだけの彼らの演奏が単調に思えて飽きてきた。ギターの上手さはさすがだと思うんだけど、時代が下がって自分がそれなりに楽しんで聴いていた(ミサとかには行ってないヘタレだが)聖飢魔Ⅱの方が音楽的にも多様性に富んでいて、技術的にも上だと思ったりする(素人の感想です)。歴史的に重要なマイルストーンを刻んだバンドであるという価値はいささかも減るものではないと思うのだけれども。
聖飢魔Ⅱ FIRE AFTER FIRE https://youtu.be/S6x8VP9ZGig
その聖飢魔Ⅱも解散してからかれこれ20年が経つのだけれども、相変わらずデーモン小暮は顔を塗ってテレビ出演しているようだし、時折バンド自体も再結成してミサ(公演)を挙行しているらしい。否、誰とは言わないが往年のバンドが再結成されて、これが最後かもしれない、みたいな感じで来日公演したりディナーショーやったりしてるのは星の数ほどあるわけですな。
ただ本人たちがそれを良しとしているわけではないんだろうと思っている。だって彼らも歳を重ね・時代が変わる中で自分のやりたいことも変わっていくんだもの。だから和洋・古今を問わず色んなバンド・合奏団体は結成当時からメンバーが入れ替わっていく。そんな中で以前の芸を披露し続けることの意義って何だろう?ここでまたデーモン小暮のロングインタビューをご覧いただくことになる(いや、見なくてもいいんだけど)。
デーモン閣下の大切な10曲 https://youtu.be/ugca4M_4wKw
閣下はこのインタビューの中で、めでたく聖飢魔Ⅱが解散した後、自分の追い求める音楽を突き詰めてみようとしたが、周囲に受け入れられず葛藤した日々のことを回想している。ついに彼はそんな日本を離れ米国でしばらく過ごすことになったが、離日前に決めていたミュージカル初出演の仕事のために日本に戻り、そこで自分のやっていることとは何よりもエンターテインメントなのだ、ということに開眼したという。
…ここまで読んでいただいた皆さんは、なーんだ、当たり前のこと言ってるじゃないかバーカ、とお思いかもしれないし、自分で書いていて変だな、と思うんだけど、振り返って我々一般人の生業とするところも、ある程度の技術進歩に対応しながらも、多少なりとも「昔の名前で出ています」を引きずりながら暮らしているのは否定できない事実だろうと思う。ただ、昔の名前を知る人が少なくなってくるとその商売はじり貧になるし、技術革新でそれも通用しなくなることもあるので、今のような変革期は要注意だというのに越したことはない。
毎度オチの無いことを書いて私のnoteは終わる。