ブックpart①

「つまらんわ。何を読んでも全部知ってんねん」

自称全ての本を読んだ本"ブック"はこう言った。

ありとあらゆる本を記録し続けたブックは新しい知識を求めて旅をしていた。

最近ブックは退屈でならないらしい。だって今日出会った本の話を聞いても、ぜーんぶ知ってる内容だった。昨日も、おとといも、この前だって！

ブックはよく相談されるんだけどさ、相談内容もわかるし解決策もわかる。ゲームでいうNPCみたいな感じ。同じことしか言わない。

そこに1人の人間がブックの本を開いた。
彼はこう質問した。

「なぜブックは知識を学び続けるの？」

ブックは何も答えられなかった。

なんでって？

だって本はそういうものだろう？
知識を蓄えて、知りたい人間に教える...

だからつまんないのか。自分の知りたいことじゃなくて人の知りたいことばかり記録して、自分の実績じゃなくて、他本の自慢を記録してるから...

ブックは今までのページを破り捨てた。

続く...かも？