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友達以上/恋人未満①Iちゃん【1.序章】
友達以上、恋人未満①
初めての女子友達、Iちゃん
【1.序章】
「今度の学校は〇〇中学校になるよ」
俺が母の用意してくれた朝飯を食べながらニュースをボケっと見ていると、母が転校先の学校についての話を切り出してきた。
俺が中学生1年生だった当時、土地が安い地域に親が家を建てる事になり、転校する事になった。
転校先の学校は、生徒数も地域では1番多く、マンモス校などと呼ばれていた。
「〇〇中学かー、ドキドキするな…」
転校する迄は自分の容姿を磨く事もしていなかったが、多感な時期という事もあり、小中で全くモテずにフラれ続けていたのもあり、これを機に心機一転、カッコいい男子になろうと決意した。
「転校前の準備に使うから小遣いちょうだい!」
ボサボサに伸びた髪を清潔感のある髪型に変え、不慣れながらもセットしたり、眉毛を整えたり、ヒョロい身体を鍛えて細マッチョにしたり、ファッションの勉強をしてお洒落を先取りしたり、引越しが済む夏休みまでに、出来る限りの事をやっておいた。
要は転校生デビューを目論んでいたのだ。
そう、どうしても女子にモテたかったのだ。
というか彼女という名のツチノコをゲットしてみたかったのである。
小学生の頃に惚れた女子に悉くフラれていた俺は、無意識的にツチノコハンターが夢の一つになっていたようだ。
「行ってきまーす!」
「車に気を付けて行っといで」
夏休みが終了し、転校先の学校へ登校する事に。
当然周りの同級生達は知らない顔ばかり。
同じ学校の制服を着て同じ学校へ向かって歩いているが、今まで見た事のない俺を、恐らく同級生である生徒達が不思議そうな顔で見てくる。
既に出来上がってるコミュニティに入るのは、緊張するし結構シンドイもんなんだなーと、過去に接してきた転校生の事を思い出したりしながら、これから2年半お世話になる学校へ辿り着いた。
「ここが1-2か…」
事前に伝えられていたクラスへ行き、ビビりながらも元気よく自己紹介を済ませ、自分の机に腰を下ろした。見る物全てが新鮮。全員がコチラを意識しているのがとても奇妙で、こそばゆく、緊張もした。
だけど少し嬉しかったのを覚えている。
この2年半で、今まで経験した事の無い事を沢山経験し、大人の階段を爆速で上がる事になるとはこの時までは思っていなかった。彼女が出来たらいいな、ワクワク。位しか思っていなかったのだ。
結果的には人生初の爆発的モテ期を経験し、学校内外から色々なお誘いを受ける事になり、それに甘えて遊び呆けてたら、いつの間にかチャラ男の代名詞になっていた。そりゃそうだ。今は反省している。
そんなツチノコハンターだった頃に経験した、少し淫猥で青臭い話を、友達以上恋人未満シリーズで懺悔していく。(※この懺悔はフィクションです)