スパイダーマン ノーウェイホーム
※ネタバレを含む感想です。
トムホランドのホームシリーズ完結編。今回程ネタバレされたことを恨んだことはない映画。Twitterにとんでもない画像が流れてくるんだもん。。。3人が写ってる画像流れてくればそりゃ気付くよ。マルチバースで敵が現れてんだから逆の理屈も通じるわけで。
というわけで盛大なネタバレをされてる状態でも見なくてはいけないのだけども、サムライミのスパイダーマンから観てる身としてはこれを観ないわけには行かないと思い、アマプラレンタルで視聴。
ただノーウェイホームの感想を書くためにはまず各スパイダーマンの感想が必要になってくる。
トビーマグワイアのスパイダーマン1を観た時の感想は、面白いけどどうにもモヤっとくる決断で終わっていた。ヒーローとしての責任が故なんだけど、なんだかなぁ。
その上でのスパイダーマン2は本当に名作だと思っている。今でもたまに見返すくらいに好き。この前娘の友人の6歳男子にトムホランド版ではなくトビー版のスパイダーマン2を先に見せるくらい大好きな作品。ヒーローとしての葛藤とアクション映画の映像のバランスが神懸かっていて、その上でドックオックが最高に格好いい。悪役が如何に魅力的は本当に重要だよなー。っと思う作品。
無印スパイダーマンは3で完結してるけど、実は4をやる構想があった。でも3でテーマとしてはかなり限界に来ていて、3はだいぶ脱線気味。ある程度は面白いけどね。って感じ。これ以上無理をするくらいならと三部作で完結にした。
で、そこから始まったのがアメイジングスパイダーマン。アンドリューガーフィールドのスパイダーマンのリブート企画。新ヒロインのグウェンだったり、蜘蛛の糸をシューター使わないと撃てなかったりと新しい要素を入れている。因みに私は無印のMJよりアメイジングのグウェンの方が好き(笑)
でも、完全にリブートしているので、もう知ってるよという部分が多く無印に比べると映像的にも斬新さがない。はっきり言うと、やや飽きる部分が多い。
無印は敢えて映像をレトロ調にしていて、時代背景をちょっと昔にしてあった。正確に言うと時代背景ではなく、そういった演出をすることで、最も原始なスパイダーマンを表現したかったんだと思う。だからインターネットが携帯電話が、みたいな現代機器は出てこない(確か)それに対してアメイジングはスマホが出てきたりとより現代劇になっている。両親の死の真相や、シニスターシックスなど伏線をバッチリ仕込み、おまけに最愛のグウェンとの非業の別れなど背負うものを背負わせるだけ背負わせておいて、アメイジングスパイダーマン2での打ち切り。無印と違って一作目からヒロインにヒーローバレしているという点でもめっちゃいいヒロインだったからこそ、まさかそんな結末が。。。そしてその悲しみを3でどうにかせないかんのにそれさえも出来ずに終わってしまうアンドリューガーフィールドのピーターパーカーはあまりにも可哀想だった。
そんなわけで無印にしてもアメイジングにしても、消化不良のどこか怨念めいたものがスパイダーマンにはあって、そんな中での冒頭のTwitterによるネタバレである。この二人が出るのであれば映画館で観る必要があったし、なんだったら知らずに見ていた時のカタルシスはどれくらいのものだったろう。どうにもこの数日スパイダーマンの怨念が祓う事が出来ず渦巻いていた。近くで公開している映画館を探したが、流石に見つけられず今回は自宅で鑑賞。
というわけでトムホランドのスパイダーマンホームシリーズになるのだがこのトムホランドスパイダーマンはアベンジャーズに組み込まれている話なので、正直普通に面白いくらいの感想しかない。アイアンマンとコラボすることで、これまでの蜘蛛だけの能力ではなくメカ要素のスーツを入れることでの斬新さや、アベンジャーズと絡めることでのストーリー展開やキャラクター展開など重厚さは出ている。トムホランドを使いより若くてキャラクターの軽いスパイダーマンを作った。今までの重いスパイダーマンではなく、より“親愛なる隣人”らしい軽妙さを作ることに成功した。普通に面白いんだけども、あくまでアベンジャーズとして観て、豪華な顔ぶれの中の魅力的なキャラクターの一人という認識なので、単体作品のホームカミングやファーフロムホームも別につまらなくはない。アイアンマンから意志を継いだものとしての今後に期待もある、けどなんだろう。何か物足りない。それで言うと悪役なのか?ミステリオは彼にとってある意味最も厄介な敵だったけど、悪役として器は小さ過ぎて話に厚みが出ない。むしろニックフューリーやらなんやらスパイダーマンを本筋からぶらす要素も多くなったように感じる。
そんな感じでノーウェイホームはネトフリで観ればいいかと思っていた。公開後に大ヒットとか言ってるけど、特に気にしていないかった。再三言うように冒頭のTwitterでのネタバレを見るまでは。。。
感想を言うと、最高だった。
トビーマグワイア、アンドリューガーフィールド、大好きなドックオック、そしてウィリアムデュフォー。無印スパイダーマンの1と2は悪役が凄すぎた。だからあんなに人気だったんだ。申し訳ないけど、エレクトロとサンドマンとリザードはこの二人に比べるとどうしても負けてしまう。ウィリアムデュフォーの意志を持った悪意と言わんばかりの怪演は本当に本当に凄まじかった。無印スパイダーマンを後で見返そう。
話を一気に端折るが、衝撃的なのはメイおばさんの死。今作はメイおばさんのを若くて美人にして、おじさんと別れは描かず来ていたので、まさかここでと思ってしまった。
スパイダーマンシリーズを通して大切なメッセージとしている、大いなる力には大いなる責任が伴う、が完結編にして出してきたのは改めてスパイダーマンの骨子に立ち返ることとなる。皮肉なことにスパイダーマンは自身の責任による身近な人の死がなくては、自らの力に向き合うことが出来ない。その責任に向き合うからこそ、彼はヴィランではなくヒーローである証拠とも言える。スパイダーマンがどうしても葛藤がストーリーに組み込まれるのはこの責任とのせめぎ合いが常にあるからだろう。
その悲しみに今作では別世界のピーターが力になってくれるのは長年のファンとして感無量と言わざる得ない。またホームシリーズは特に軽いコメディタッチなので、3人が揃うことで出来るコメディな部分は非常に面白いというか、ファンサービスに富んでいる。
ただ映像で見ていると無印とアメイジングのスーツの違いがよくわからなること多いけど(笑)
何より嬉しいのは、アンドリューガーフィールドがMJを救い涙を流すこと。自分の中でのアメイジングスパイダーマンの怨念が浄化されるシーンだった。ちゃんと彼に救いがあってよかった。
トビーマグワイアは、大人としてのベテラン感を感じさせてくれる。彼の学生時代から観てる身としては、頼れる姿にただただ安心感しかない。ちゃんと若手を導いてくれるトビーに感謝しかない。あとドックオックが味方になる世界線があると思わなかった(笑)彼が味方になるスパイダーマンとか観た過ぎる(笑)今度スピンオフやってくれ!
最終的にトムホランドのピーターパーカーは全ての自分の記憶を忘れてもらう選択を取ることしかないできないので、ラストシーンは一人だけのボロい賃貸の部屋、恋人と親友はMITに行くのに、記憶から無くなっているので高校中退扱いになっている模様。アベンジャーズも全員記憶がなくなっているので、スタークインダストリーの支援も受けられず手作りのスパイダースーツ。誰からも何も見返りがない中でスパイダーマンとしてスイングしている往年のラストシーンで終わる。
でも今作で彼は本当にヒーローになった。身近な人が死んだからではなく、大いなる力には大いなる責任が伴うということが彼を突き動かすから。そして、自分と同じ別次元ピーターパーカーがいることが、彼を孤独なヒーローにさせなかった。この結末は無印にもアメイジングにも救いがあったと思う。スパイダーマンは孤独なヒーローでありながら、彼を支える頼もしい存在がいる。
やっとスパイダーマンの怨念がお祓いできた。と思った矢先、サムライミ版スパイダーマン4の噂がたっている。
トビーマグワイアのスパイダーマンがまた観れる!?これは期待せずにはいられない。
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