見出し画像

帰ってきたファンヒーターの話

読んでいただきまして感謝の極みです

今回は私の大学生時代のお話しです


私は大学近くのアパートに住んでいました

冬はとても寒くて、
ひどい時は-10℃以下にもなる地域です
ただし、建物のつくりがしっかりしていて
部屋の中はとても快適でした

私は暑がりで、
室温18℃くらいが自分なりには最適で
それほど暖房を強くしなくても快適でした

でも、部屋に来た友達はみんな

寒い

と言ってましたが…ww

もう20年以上まえの話なので、
当時、その地域のアパートにエアコンがついていることは稀でして

あまり裕福でない私の持っている暖房設備は
ファンヒーターだけなのでした

大学に近い私の部屋は
わりと来客が多く、
寒がりな人達によって
ファンヒーターは設定温度を上げられ
ガンガン酷使されていきました

しかも、狭い部屋でしたので
みんながよくファンヒーターにぶつかるんです
その度に自動消火になって
またすぐ点火されて、の繰り返し

そんなある日の朝、
起きてすぐにファンヒーターの点火スイッチを入れたら…

…温風が出て来ずに…

火吹いたww

ガスバーナーみたいに!

慌ててスイッチを切ると一応火が消えました
部屋中に焦げ臭いにおいが広がりました

ヤバいやん、火事になるとこだった!
こんなファンヒーター、危なくて使えねー

とりあえず、タンクに残る灯油を抜いて
一旦アパートの外へ出すことに…

玄関のドア脇に置いておきました

新しい暖房買わなきゃ…

寒い部屋のままに急いで準備をして大学へ
もちろん真面目に講義を受けましたww

そして、そのあと電気屋さんに行って
安いファンヒーターを購入し
配送してもらうことにして帰宅しました

玄関のドアにカギを差し込んだとき
何気なく周りを見ました

ん?

あれ?

あのファンヒーターが無い!

なんで?
大家さんが片付けてくれたのかな?

ま、壊れてるし、いいか!

あまり深く考えずに、
捨てる手間が省けたと思って部屋に入りました

しばらくして新しいファンヒーターが届き、
すぐに灯油を入れて点火!

やっぱり新品は良いなぁ
心なしか灯油臭さも少ない気がする

その日は部屋を出ずにそのまま眠りにつきました


次の日の朝!
今日は講義が無く、彼女が来る日でした

この彼女については
ちくわの話で少し書いていますが
少し変わり者でして…
ま、私と付き合ってるんだから
そりゃ変わり者だよなww

ファンヒーターを点火し、テレビをつけ、
トイレ、歯磨きを済ませてダラダラしてると

ガチャッ

ドアが開いて彼女が入ってきました

「あ、起きてる!寝起きドッキリしようと思って早く来たのに…」

「げんテレの島崎俊郎じゃねーんだから、そういうのやめて」ww

相変わらずのゴスロリ黒ミサみたいな彼女は
笑いながらも少し残念そうでした…
寝てたら落書きとかされてたかもしれない…

「ファンヒーター買ったんですねー、前のより可愛くなりましたね!」

ま、少し小さくなったのは経済的な理由ですが…

「あっちは捨てちゃうんですか?」

「うん、温風出るとこから火吹いたからさ、ゴジラみたいなファンヒーターはちょっと困るし」ww

「こわっ!火吹いたの?もうダメですね、燃えないゴミで出せるのかな?玄関に置きっぱなしはダメですよ!」

ん?
置きっぱなし?
昨日無くなってたよね?

玄関を出てみると…


帰ってきてる!


「どうしたんですか?」

きょとんとしてる彼女に説明しながら
帰ってきたウルトラマン ファンヒーターをよく見てみたら…

温風出るとこが…

真っ黒に焦げてる!

これは…
誰かが勝手に持っていって
点火したらやっぱり火吹いてたww

きっと文句のひとつも言いたかっただろうな…

「火吹くなんて聞いてない!こんなのを玄関先に出しとくなよー!」とかww

しかも、捨てたときより真っ黒になってるから
かなり燃えたんじゃないかな…ww

ま、帰ってきてるから
火事とかにはなってないだろうし…

ただ面白いだけやんww

彼女と2人で笑いながら、そっと玄関のドアを閉めたのでした…

次見たらまた消えてたりしないかな?
と期待しましたが…

それから何度見ても
帰ってきたウルトラマンファンヒーターは
消えることはありませんでしたww

後日、ちゃんと捨てましたのでご安心を!

ただし…
どんな人が持っていって返しにきたのか?
近くの人だよな…

という疑問はずっとありまして
しばらくの間、
近所の人をなんとなく観察してしまう自分がいたりして…ww

ま、その時も今も…
平和だなぁ!

ちなみに…途中に出てきた

げんテレ

というのは、天才たけしの元気がでるTVというテレビ番組のことですね!
時代を感じますね!ww

いいなと思ったら応援しよう!