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Joni Mitchell【全アルバム】この『超弩級』アーティストをどう聴くか?


はい!とうとうJoni Mitchellです!


私はこの人のことは、ズバリ!最もウタの上手い&最も作曲の才能に恵まれた人だと思っています。

高校生ぐらいの頃から、聴いているんですが、その時から「やっぱ、プロってすごいなぁ〜」と感心するばっかりでした。あ、もちろん、ちゃんと曲を聴きながら感動を与えてくれる存在としてです。もう、とにかくウタが上手すぎるし、曲が良すぎるし、演奏が凄すぎるし・・・。プロでやっていける人ってこんな人しか無理なんだろうなぁ〜と思ってました。ピストルズが出てきてくれなかったら、絶対に音楽なんてやらなかっただろうなぁという感じです。あ、やってたか...汗

おそらく、中途半端なミュージシャン志望の志を叩き潰すにはこの人の作品を聞かせることが良いのではないかと思います...笑

ジョニ・ミッチェル(以下JM)に比べると、おそらく99%のミュージシャンは『素人崩れ』みたいなものじゃないかと・・・汗。

他人と自分を比較することがいかにナンセンスなことか!ということの幾分ネガティブな観点からの証明の手法としても強力ですね...笑 

私はそうしてました・・・そうしかできませんでした...苦笑


確か小さな頃の病気の影響かなんかだったと思いますが、左手の握力が弱くて、独自のオープンチューニングを開発してギターを弾いていたと思います。これがもう、ホントに響きがすごい良いんです!たとえば、イエスとかクリムゾンとか、そんな腕っこき揃いのプログレを聴いてても、横にギターがあると「ん、今のはどうなってんだ???」ってちょっと確かめたくなることがしょっちゅうありますが、JMを聴いていてそんなになることはないです。もう、絶対にできないことが、理屈ではなく、本能でわかります!一言で言うと、私にとっては『次元がまるで違う』人です!ウタで言えば、ファルセットとの境目がほぼなくいつでも縦横無尽に行き来ができる!なによりもまず、どの音程も正確ですべての音域で声量がある!曲で言えば、楽曲をカバーされることがビートルズ並みにあるけど、聴いたことがあるものはすべて、まったく原曲に太刀打ちできていない!CSN&Yですら・・・。ダメでしょ、こんな人がいたら笑 同じ業界でやっていけるわけないじゃん・・・笑 もう、真似する気すら起きません・・・ウタに限って言えば、こんな風に感じたのはJM以外では、リッキー・リー・ジョーンズとノラ・ジョーンズくらいです。

でも、音楽というのは素晴らしいもので、内心では「JMの足元にも及ばないけどね...笑」と思っていても、創作活動は続けていけるし、運が良ければ裕福な暮らしができるものなんです・・・なんて卑屈になりそうなくらい、ちょっと凄いと思っています。

なので、私はJMを聴くときは、完全にファンになり切ってなり切って、決して批評する気などが起きないように気をつけることにしています。ははは・・・みっともないですね汗。


JMはスタジオアルバムだけで19枚ですか?出しているのは?2007年に頑張って1枚出しましたね。もう、嬉しかったです!内容もまたとても良くて!まったく2000年代の音とJMのウタがしっかり一体化していて、さらにモダンに味付けされた独特のギターの響きもステキで!

なんか凄い人ってことはいろんなところで耳にするし、ちょっと聴いてみようかなぁと思っても、これから聴く人にとって19枚ものスタジオアルバムの中から入門編として適切なものを選ぶというのは難しいですよね。多分、音楽ジャーナリスト?!みたいな人の書いているものだと変なバイアスがかかっていることが多いし・・・って、そういう私も好みのバイアスが激しすぎますが・・・笑

完全にファンとして、リスナーとして、割り切ってJMの上手な聴き方を、あくまでも私流ということで、ご紹介しますね。


まずは、スタジオアルバムの全作品です。ただし、オーケストラをバックにした2枚は持ってないですし、聴いたこともないので、申し訳ありません。できれば、すべての作品について私の感じていることをしっかりメモっておきたいのですが、まぁ、ちょっとキツそうなのでできるだけ簡潔に、を心がけます!


まずは、その作品をまとめて見てみましょう!例によって、アルバムの出た年と収録曲のオススメをメモっています。




番号は見えますかね?この番号でどのアルバムが概ねどんな感じだよ〜というのをメモっておきますね。


実はJMのアルバムは大きく3つのジャンルのサウンドに分類できるんです。(こんなの初めてでしょ笑笑 あまりにも強引かもです)

アルバムの番号をそのジャンルで分けておきますね。


A.フォーク・ミュージック・サウンド

①②③④⑤⑭

B.ジャズ・フュージョン・サウンド

⑥⑦⑧⑨⑩

C.コンテンポラリー・ロック・サウンド

⑪⑫⑬⑮⑯⑰


です。JMのルーツでもあるフォークのサウンドから始まり、ジャコパス等のJAZZミュージシャンとのコラボ〜巨人チャーリー・ミンガスとの締めくくり、AOR・NYコンテンポラリー等(要するに当時の流行の分厚い売れ線サウンド)のロックのサウンドと理解してください。明確にわかりやすいのは、ds.とper.つまりリズム楽器の入り方です。

Aのカテゴリーはほぼ、ドラムは入ってないです。Bのカテゴリーは、複雑に入ってます。Cのカテゴリーはわかりやすく入ってます...笑

※⑮⑯の2枚は、ds.がしっかり入っている曲は少なめですが、譜割りがわかりやすいので、C.のカテゴリーに入れてます。A.に入れるべきか迷いました。おそらく、一般的な評価と違って⑭の出来にJM自身も気に入ったのではないかと思います。


それぞれのカテゴリーのオススメを聴いて、自分の好みがどの感じか・・・というのから聴き始めてみてはどうでしょう笑

私自身もこの認識で、「今日の気分で聴くJM」を選んでます...笑 では、おすすめを2枚ずつメモっておきます。


A.フォーク・サウンドのオススメアルバム

4作目:Blue(1971年)

このアルバムが全キャリア中でもNo.1かもしれません。もう1曲目から、素晴らしい複雑なオープンコードの響きと音程の極めて難しい、だけどとても美しいメロディラインです。声も弾けるような瑞々しさです。いろんな人にカバーされている有名曲が3曲くらい入っています。でも、明らかにJMのこの中でのものが一番です!


14作目:Night Ride Home(1991年)

あえて。「Blue」の20年後に出たアルバムをお勧めしておきます笑。ロックサウンドでのアルバムが続く時期に、久々にフォーク回帰をしたアルバムです。でも、さすがに90年代、深めのリバーブとコーラスでアコギの音がかなり“空間音”ぽく拡がっていて、keyの音も随分とバリエーション豊かで、一概にフォークっぽいとは括りづらいのですが、タイコの入れ方なんかを聴くと、やはり原点回帰を狙ったサウンドだと思います。このアルバム、あんまり評価も高くなく、そんなに売れなかったんじゃなかったかな・・・このアルバムの前の3枚、「Wild Things Run Fast」「Dog Eat Dog」は曲はとても良いのだが、ちょっと売れ線狙いすぎで、「Chalk Marks〜」はゲストがいっぱいだったけど、珍しく良い曲が2曲くらいしか無かった(レコード会社の力の入れようはすごかった!)。このアルバムが出て、もうむちゃくちゃ良い曲が並んでいてホントに久々に聴きまくりました!私は、そうとう好きです!


B.ジャズ・フュージョン・サウンドのオススメアルバム

8作目:Hejira(1986年)

私が最初に聴いたJMのアルバムです。すなわち、私の最初のジャコパス体験でもあります!もう、度肝を抜かれて、しばらく呆然としていました!JMのアコギとジャコパスのベースのシンコペでうねりのあるリズムが奏でられます!こんなの、初めて〜!!!!!

全編、テンションが落ちません。3つ上の従姉妹がいるのですが、小学生5年の時に最初にフロイドの「Atom Heart Mother」を聴かせてくれたのが、私の初のROCK体験でしたが、それからビートルズとストーンズとボウイにハマり、ゼップやパープルからわかりやすいキッスやエアロスミスやクイーンを流れ聞き、やがてピストルズを体験するちょっと前に聞かされたのがこれです!ぶっ飛びました!


6作目:Court and Spark(1974年)

私はホントは、「Hejira」の次の「Don Juan's〜」の方が好きなのですが、こちらの方がキャッチーなヒット曲も収録されていて聴きやすさは格段に上なので・・・。「Help Me」はとてもヒットしたし、おそらくJMのアルバム中で最も売れたアルバムじゃないかと思います。

この前作の「For The Roses」からジャズのアプローチは始まっているのですが、まだまだです。この作品は、JM以外のすべてのアーティストも含めて、ジャズ・サウンドへの本格的な進化が、一般的な支持を得ることに成功した最初のアルバムです。


C.コンテンポラリー・ロック・サウンドのオススメアルバム

15作目:Turbulent Indigo(1994年)

コンテンポラリー・ロック(まぁ、要するにシンセとかデジタル音とかリバーブ効かせた残響とかをてんこ盛りにした感じです笑)系のサウンドのアルバムの中では多分、一番良いです!曲も粒揃いですし、プロデュースもちょうどいい感じですね。前作からようやくモダンなサウンドとJMのウタのバランスがとても良くなってきたと感じていましたが、このアルバムは歌詞やテーマも、そして曲調も少しハードな内容で良いですね!JMは全てのアルバムのジャケットデザインをしてますが、この絵画と次作の「Taming The Tiger」は連作みたいですね。内容も絵もどちらも良いです。次作はこのアルバムに比べるとタイコの出番が少なくて、アコギの音に深めのリバーブとコーラスが常にかかってるモダンなサウンドアプローチはそのままですが、曲調は、よりフォークに近くなっています。2枚一緒に聴いても楽しめると思います。


11作目:Wild Things Run Fast(1982年)

JAZZ面達とのランデブーを終わらせたJMの新しいチャレンジは、モダンな売れ線サウンドにあえて身を委ねてみることでした...笑

本人は「ザ・ポリスに影響受けた」って言ってますが、サウンドのアプローチはかなりスティーリー・ダンですね・・・演奏している手練れの米国人スタジオミュージシャンの聴き慣れた音のせいかもしれませんが、まぁこの時代はこんな感じの音だらけでしたね...泣 次作のシンセ中心の音になっちゃった「Dog Eat Dog」は完全にオーバープロデュースだと思います・・・「Good Friends」とか「The Three great Stimulants」とかもう凄い名曲があるのにもったいないです・・・この時の旦那のラリー・クラインさんの頑張りすぎなんじゃないかと思います。でもこのアルバムにも、かなり良い曲があります。1曲目の「Chinese Cafe」に限れば、曲も演奏もとても良いです!


JMは、大きく3つのサウンドのどれを最初に聴くかでかなり印象が変わってくると思います。

昔のメンバーの一人は、最初に聴いたのが、80年代のMTVとかだったので、「Avalon」のロキシーとかTOTOとかと同じ音楽的志向だと思っていました・・・それは恥ずかしいゾ!と修正を試みましたね...笑 さらに、私も一時期そうでしたが、ジャズ期の5枚以外はまったく聴かない期間も割と長めにある、というのもJMあるあるだと思います...笑


どの時期、どのサウンドのときも、「カテゴリー中最高のクオリティ」であることは私が主張する必要もないくらいですね!

これは好き嫌いとは別の話です・・・そして、人間である以上、好き嫌いがサイコーに強い「原則」であることはいろんな歴史が証明済です。

もし、私自身がボケボケになったとしたら、なんとかしてこのメモに辿り着いて、もう一度、JMのファンとして作品を楽しみたいと切に願っています!!!


では、JMの素晴らしい世界へ、どうぞ!

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